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2013年12月31日 (火)

今年もお世話になりました:2013年の私的ベストバイ

皆さん、今年もお世話になりました。今年は前半に研究専従期間を頂いて、日本西洋史学会での「礫岩国家」論をご披露する機会に恵まれるとともに、久方ぶりにルンド大学歴史学部に客員研究員として滞在、旧交を温めつつ、懸案の『リネーの帝国』の実現にむけて一歩を踏み出すことができました。(現地では20世紀前半に『日本史』を執筆したウップサーラ大学歴史学教授のH.イァーネを主軸において国民主義的な歴史叙述が一般的だった時代にグローバルな歴史観はどのようにありえたのか共同研究を進めようという話も出てきました。)帰国してみれば通常ノルマの約2倍で働く日々が待っていたのですが、それでも「礫岩国家」論の論集実現にむけて動き始めましたし、『リネーの帝国』絡みでもそれを銘打った論文を二本書き上げました。そして、なにより韓国の歴史学者の方々との交流は、「なぜ日本で北欧の歴史を研究するのか?」という素朴な疑問から出発して、「「礫岩国家」や「リネーの帝国」といった主題をアジアで語るには、どのような観点が戦略的に必要なのか?」まで僕自身の活動を足下のアジアから刺激してくれる経験となりました。

忙しいことは今に始まった訳ではなく、自由な時間がほとんどないことはこの業界で働いている以上どうしようもないことです。という訳で、趣味の買物や道具集めにゆっくりと時間を費やすこともできない。だから今年の買い物は、ネット上でパッと見たら直感に頼ってサッと購入する…というスタイルがますます深刻の度を増し…あぁ、だいぶ「失敗」したなぁ…。(僕の散在は、アベノミクスとやらに幾ばくかは貢献したのだろうか…?)とりわけスウェーデン滞在を理由にiPad mini用にと買い漁ったスタイラスペンの類は「全敗」でしたね。(これについてはスタイラスペンがいけないのか、iPad miniがいけないのか、はたまたそのアプリがいけないのか…はわかりません。手元に残ったスタイラスペン…どうしよう?)「買ってよかったなぁ。」と思う道具とは、使っていてそれが日頃の生活に知らず知らずのうちに溶け込んでいくものだと僕は思っています。使うときにあらためてエイやっと何か意識的にならざるをえないものは、思考の流れを途絶させるものであり、ストレスを生み出しがちです。(僕はウルトラスーパーハイパー短気なのです。阪大の教員になってから、その傾向は強まった感があります。とにかく、ちゃっちゃかと生きたい…否、生きざるを得ない。)と言うわけで、今年一年の皆さんのご厚情に感謝しつつ、こちらに(今年僕が世話になった)私的ベストバイを三つ掲げますので、年越し蕎麦でもすすりながら読んで頂けたら幸いです。よい年をお迎え下さい。

第一位 キャリーバーの高さを自由に調節できるストッパー付きハードキャリー(33L)

「フライング・プロフェッサー」とか揶揄されながらノマドな出張生活が続く身としては、身体にストレスのかからないキャリーバッグは必需品。加えて、金銭的にも懐にやさしいものがベストなわけです。二泊三日〜三泊四日の短期出張用に買い求めたバッグが、この無印良品のキャリーバッグです。特筆すべきは、キャリーバーの高さを自由に調節できる点。通常のバー調整は二段階、三段階でスライド式のものが多いと思いますが、これはストッパーを離したところで高さが調整できる。楽だなぁ。さらにカートのロック機構がバッグ裏面についていて、キャリーバッグが電車やバスのなかでころころと動き回らないところもよい。キャリーバーの収納部がバッグ内面にでている点は玉に瑕ですが、このサイズでは仕方の無いところでしょう。TSAロックにも対応しているので、短気の海外出張ならこれでOK。多少の傷をもろともせずガンガン使い倒せる「気分」にさせてくれる格安の値段設定もよい。

第二位 ギャツビー ヘアジャム タイトニュアンス

整髪料としては、忙しい朝の時間帯に寝癖も一気に直せちゃうUNOのフォグバーを愛用してきましたが、これに替わる一品として僕が注目したのが、今年登場したGATSBYのヘアジャムです。この種の手に塗るタイプの整髪剤は、手にネットリと残る感じが個人的にスキになれなかったのですが、これはベタつかずに髪の毛にスッと馴染む感じが絶妙です。フォグバーの場合、ちょっとした形をつくるには力が弱い…というか、僕のウルトラストロング直毛には弱い感じがあって、部分的に形をつくる場合には結局べとつく感じが嫌なのにワックスも併用せざるを得なかった。これはこれひとつで、一気にちゃっちゃかとそれなりに形がつくれる感じがストレスフリーでよい。なにせ、ちゃっちゃかと生きることを迫られていますから。



第三位 富士通 ScanSnap SV600

この秋にMacOS X用のドライバが発表されたのを待って、研究室に導入しました。巷で話題の非破壊式スキャナです。厚みのある本などをスキャンする際にブックプレッサーは必須ですが、スキャンの必要な箇所だけサッとスキャンできるのは実に便利。これまで歴代のScanSnapを愛用してきましたが、僕は本を裁断するのが忍びないので、結局A4紙にコピーしてからスキャンしていました。これはA4紙が無駄になるし、なによりコピーをとるプロセス自体が無駄。最新のScanSnap iX500がスマートフォンやタブレットとの連携も考えてWifi環境で使えるのに比べると、未だにUSB接続させた「母艦」となるPCをかませなければならないのは、こうした類の製品として初発であること考えると仕方が無いところかと思います。初発という点では、スキャンした本の画像を補正するソフトウェアのできが今一歩…というところもあるかも知れません。(それでもブックプレッサーを使えば、スウェーデン語や英語といった欧文文献の場合、現行の画像補正ソフトで、OCRも十分な精度で文字を拾ってくれる程度の十分なスキャンができます。)SV600の「絹布の上を這うような」スーッと流れるスキャニングプロセスは、雑事にかまけて「汚れちまった」勉強心を再び純粋無垢なそれへ「洗い流してくれる」ような気にもしてくれます。



(次点としては、GoogleのNexus7あたりが入るかも知れません。旧iPad miniよりは遙かに見やすい発色のよい液晶、手に馴染む7インチクラスタブレットのサイズ感、MicroSIMカードを替えれば世界中のどこでも使える安心感(…僕はLTEモデルを国内ではBIGLOBE LTE 3Gの月980円のエントリープラン で運用しています…)となかなか良いものですが、如何せん僕たちの要求する「ハードな知的作業」に耐えうるアプリの数が少なく、SlimPort経由で画像を出力してプレゼンテーションに使えるところまで至っていない点で、なかなかiPad miniをリプレースできないままです。(Android 4.4でのPowerPointプレゼンを実践されていらっしゃる方がいらしたら、ぜひご教示ください!)なので次点扱いですが、プライベートでの使用なら、値段も安くて僕は良いと思います。)


2013年11月14日 (木)

漂流するポストAppleの模索

まさか、このようなタイトルの発言をこのブログに書くことになろうとは、数年前なら想像さえできなかった。数年前ならば、ひとつの流れとして知的作業を途切れさせることなく、それを支援してくれる道具は間違いなくApple社の提供してくれる一群の商品だった。


そうした感覚にぼんやりと違和感を覚えるようになったのは、iPhone5とiPad miniが出た頃だった。ブラック&スレートなiPhone5は弱々しい塗装はさることながら、筐体後背面の段差があるつくりは気泡なく保護フィルムを貼ることもかなわない。筐体デザインの断片化が知的作業の断片化を生み出すとまで、議論を飛躍することはできない。けれど、iPhone5をはじめて見たときに、完全なエコシステムの構築に万全を期してきたAppleのコンセプトに、ちょっとした「ヒビ」が入ったような感覚を得たものだ。iPad miniもそう。iPad miniは市場での7インチクラスAndroidタブレットの隆盛に後押しされ形で登場した感じがする。売れたとは思うけれど、iPad2クラスの処理能力のままretinaディスプレイを搭載できず、とりあえず小さな筐体ででっち上げられたようなものなので、中途半端さは拭えない。講義の際、処理能力の低い初代のiPad miniではスライドの切り替えに時間を要することがしばしばあり、何度「ごめん、ちょっと待って下さいね」と詫びたことか。(スマートが売りだったApple社の製品が「鈍くささ」を醸し出すようになった。)MacOS X Mavericksやそれに伴うiWorkのアップデートに至っては無償化という点が大きく宣伝されたけれども、新たに創造力をかきたてられるような機能の「提案」があったでもなく、逆に多言語間キーアサインの不一致などに不具合や、iWorkでの一部機能の後退などもあり、明らかに知的作業の「流れ」を断絶させる方向に僕を導いた。(iPhone5Sは使っていないのでわからないが、A7プロセッサの64bit化が大きく処理能力を向上させたらしいけれど、それに伴ってOSの挙動が不安定になっては本末転倒というものだろう。)


一言で言えば、最近のApple社の製品に、僕は「焦りに基づく取り急ぎ感」を見ているのだ。かつてのApple社のラインナップは、自社の目指すエコシステムに位置づけられ、とても明確だった。シンプルなラインナップは、ひとつひとつの製品の品質をじっくりと確認する余裕も与えただろう。一方でiTunesあるいはiCloudを核としたエコシステムがそれなりに機能するようになり、他方でその模倣が他社から提供されることになった結果だろうか、ここ数年、シンプルなラインナップの構成は完全に崩れた。タブレット端末はiPadとiPad mini、スマートフォンはiPhone5SとiPhone5Cといったように。僕は企業経営や市場戦略の専門家ではないから素人の戯言としてここに記すけれども、消費者はあるひとつの用途を求めてひとつの端末を購入するわけでから(・・・マニアでも無い限り、タブレット端末やスマートフォンを複数購入するなどということは普通はしないだろう・・・)、同じ会社で似たような機能をもつ端末を複数ラインナップにあげるということは、市場のパイをせばめることになるのではないか(・・・みんながみんなApple社のものばかりを買うことはないだろうから・・・)と思う。ラインナップを増やすということは、それだけそれぞれの商品の品質管理の負担が増えるということだから、ひとつひとつの製品に丹念に時間をかけられたシンプルな時代とは異なり、当然品質管理の面でも手が回らず、問題が起きやすいということになる。簡単に言えば、欲を出しすぎると足下が掬われるということだ。それは企業にとってもっとも大切にせねばならない信用を失わせる結果となる。先に紹介したiPad miniやMavericksの話は、こんなところを背景にして出てきた問題んだのではないかと感じている。


取り急ぎ僕にとって大切な問題は、Apple社の製品が僕の知的作業を「鈍くさい」方向に導きつつある今、次のオルタナティヴを選び出すという点である。僕はAppleマニアだったからApple社の製品を愛用してきた訳ではない。Apple社の製品がエコシステムの上に絶妙に配置された結果、知的作業の流れを最もスムーズに支えてくれたからこそ愛用してきたのである。つまり僕の仕事の作業上、一貫した知的な流れをストレスなく補ってくれるものであれば何でも構わない。こういう観点に立って、僕は今年に入ってからいくつかの道具を試してきた。僕の仕事の根幹は文章執筆だから基本となる道具はPCである。これについてはMetro UIを搭載したWindows8の動くノートパソコンをしばらく使ってみた。僕はWindows8自体は軽快で安定していてよいと思う。ただしWindows上で動くスウェーデン語やデンマーク語の辞書もないものだから、Windowsのよさはただ一点高度なビジネス文書の編集ができるMicrosoft Officeが使えるということだけに限られる。CroverTrailの搭載された商品だったことがいけなかったのだと思うけれども、とにかく処理速度が遅く、まともにPowerPointなどが動かない。それと、ある作業を行おうとするときに経由しなければならないプロセスの多さ。これらは無用な時間のロスとストレスしか生みださない。Windowsの使用をあきらめ、PCに関しては不具合を承知にMacしか選択肢はないのだと思っている。


問題はスマートフォンやタブレットなどの携帯端末だ。この夏のスウェーデン滞在の際には、Windows8の運用に併せてWindows Phone8の実力を測ろうとNokiaの端末を持参した。Nokiaのハードウェアのできも、OSとしてのWindows Phone8のできもよかった。けれど、スマートフォンなどというものは、MicrosoftやNokiaがいくら頑張ってみても、ユーザ側から見れば結局のところ導入されるアプリの質によってその善し悪しが決まってしまうものに思う。Windows Phoneに関してはアプリの数が圧倒的に少ない。いや、正確に言えばアプリの数自体は多いのだけれども玉石混淆・・・というよりはっきり言って石が多い。iOSやAndroidで提供されているような質が維持されておらず、現時点での継続的運用は不可能と判断した。そして現在、僕はAndroid端末をいくつか試験的に運用している。5インチクラスのスマートフォンであるNexus5と7インチクラスのタブレットデヴァイスであるNexus7である。これらの運用当初、「Androidもヴァージョン4に至って、アプリの充実度もiOSにおいついたのかな」くらいに思っていたのであるが、個々のアプリの質の点で僕はAndroidはiOSに劣っていると言わざるを得ない。とりわけビジネス文書編集用のオフィス系のアプリ。iOSではiWorkのサブセット版が提供されており、それだけでもそれなりの編集作業ができる。これに匹敵する編集能力をもったオフィス系のアプリは、Androidではいまだ存在しないだろう。それともうひとつ。Android端末の決定的な短所は、画像出力機能の貧弱さである。Nexus7の場合、SlimPortという外部出力端子があってHDMI接続が可能らしいのだが、そもそもこのSlimPortに対応したHDMI変換アダプタが市場に出回っていない。もしそれが手に入ったとしても所詮HDMIへの出力となってしまう。いまだ巷に多く出回っているVGAとの接続には、不安と工夫が伴うことになる。


現時点で、Android端末は趣味的な使用に関しては多いに僕を満足してくれるものだけれども、知的な作業を支援する道具としては不満を感じざるを得ない。この点では明らかにiOS端末が上を行くものであるけれど、日本におけるiOS端末には決定的な問題があって継続的な使用を再考せねばならないとも思っている。SIMロックという問題である。海外での知的交流が日常的な業務となっている身としては、SIMロックの問題は回避できない重要な問題である。これはApple社の問題というよりも、日本の通信キャリア側の問題であることは承知している。グローバルな基準で開発され実力をもった製品が、日本国内における市場戦略からSIMロックを施され、その実力をグローバルに発揮てきない現状がそこにはある。そうなると勢い、僕の関心はSIMフリー端末へと向かわざるを得ない。GoogleのNexusについていまだ知的作業を支援する道具として欠点を感じつつも、僕が試験的に運用をはじめた理由は、この一点にのみ帰せられる。これまでもSIMフリー端末は、Androidのヴァージョン2クラスやWindows Phoneでも使用してきたが、世界的に時代はLTEのような第4世代の高速大容量データ転送へむかっているから、Nexus5とNexus7というSIMフリー端末を選んだ次第である。


いささか漂流気味ではあるが、はたして僕のポストAppleの模索はどこへと向かうのか。折を見て、このブログでも報告していきたいと思う。


2011年3月30日 (水)

海外でのスマートフォン使用のすすめ(修正版)

短期間ですがフィンランド・エストニアへ出張していました。(いろいろと公務がありますので、3月末という時期しか今年度は出張時期を選択できませんでした。)今回の出張で僕は何を考えていたのかは別の発言に整理するとして、僕の経験のなかで皆さんにも役立つ情報をこの発言では整理します。

それは海外でのスマートフォン使用についての情報です。これまでも携帯電話の国際ローミングサービスなどありましたが、高い通信費が懸念され、またデータ通信を行えないなど難点がありました。これに対してプリペイドSIMカードが使えるスマートフォンならば、通信費を気にすることなく携帯電話として使え、また単体としてデータ通信ができることはもちろんテザリング機能があるものならばモバイルルータとして外出先でのラップトップPCによるネット接続も可能にします。

今回、僕はイー・モバイルで売られているPocket Wifi Sをフィンランド・エストニアに持ち込みました。Pocket Wifi Sについては、従来からイー・モバイルのデータ通信端末を使っていたため、国内ではそのSIMカードを継続して使う(つまり電話としての通話機能は使わない)ということで、端末を一括購入(19800円ほど)しモバイルルータとして使っています。端末本体の価格が2万円を切るスマートフォンは現時点でPocket Wifi Sくらいしかありません。(ただしバッテリの持ちが悪いとか、処理速度が遅いとか、画面解像度がQVGAなのでAndroid用のアプリがすべて使えるわけではないとか…格安端末ならではの問題はあります。)

僕は、普段iPhoneを愛用しています。もしiPhoneで海外のプリペイドSIMカードが使え、テザリング機能が解放されていれば、Pocket Wifi Sを買う必要は全くないのですが、国内でSoftbankが売っているiPhoneはSIMがロックされ、テザリング機能も閉じられています。それゆえ、海外でSIMカードも使え(いわゆるSIMフリー…ただしイー・モバイルは公式にはこれを認めていません)、テザリング機能をもった端末(…国内ではほとんど使わないのだから、できれば格安で…)が必要で、Pocket Wifi Sはそうした僕の必要性に最も適う端末でした。

今回ははじめての海外運用ということでしたが、結果から言えば、出張中最も役立つ道具となりました。まずフィンランドのヴァンター空港に降り立ち(…すれ違いで帰国だった津田塾大学のIさんとビールを一杯ひっかけた後に…)R-KioskiでSaunalahti.fiの7ユーロもしないプリペイドSIMを買いました。ヘルシンキの町中へ向かうバスのなかで、早速Pocket Wifi Sの裏蓋を開け、E-mobileのSIMカードと交換します。電源を投入するとSaunalahti.fiの場合、まずPINコードの入力を聞いてきますので、ここで初期設定値である1234を入力するとロックが解除されます。その後、Android携帯の場合には、自動的に18258というSaunalahti.fiの番号へSMSが送られ、言語設定がなされます。このときEnglishを選択します。電話の機能だけならば、これでおしまい。あとはプリペイドSIMに含まれた料金分の通話ができます。

データ通信を試みる場合には、設定→無線とネットワーク→モバイルネットワークでAPNの設定が必要になります。新しくアクセスポイントを作成し、Saunalahti.fiの場合には、APNでINTERNET(USERやパスワードはなし)、MMSの設定として、APNでmms(USERやパスワードはなし)、URL:http://mms.elisa.fi の入力だけで、スマートフォン単体でのメール送受信やアプリを介したデータ通信ができます。(Saunalahti.fiのHPにもAndroid端末向けのAPN設定情報があるのですが、僕の場合それではダメで上記の設定だけでいけました。)Pocket Wifi Sの場合には、テザリング機能のON/OFFは最初からデスクトップ画面にその機能と連動したウィジェットがあるので、データ通信設定がうまくいっていれば、このウィジェットからテザリングをONするだけで、無線のモバイルルータとしてラップトップPCのネット接続も使えるようになります。(ヘルシンキとトゥルクの間のVRの車内で僕はMacBook Airをこの手を使ってネットに接続していました。)

プリペイドSIMカードに含まれた料金分だけに限ってデータ通信ができるということは、様々なメリットがあります。もちろんテザリング機能を使ってラップトップPCをネット接続できる点は便利ですが、それ以上にPocket Wifi Sにある様々なアプリを使って、速やかにこちらが欲しい情報を得られることの効果は絶大です。例えば、今回の場合、WorldMateというアプリにすべての旅程を登録しておきました。飛行機の時間やホテルの場所などを逐一このアプリは教えてくれます。Googleのマップと連動したTripAdvisorなどのアプリがあれば、地元の施設情報なども確実におさえられますし、道に迷うことは一切ありません。Androidにデフォルトで入っている時計というアプリはアラームだけでなく、その時間の地元の天気状況についても知らせてくれます。個人的に一番役だったのはGoogle翻訳のアプリ。今回の出張でも僕はいつもと同じように毎日地元のスーパーで買い物をして自炊していましたが、エストニア語やフィンランド語はわからないので、そうしたときにちょっとした商品にある単語を調べる際にこのアプリが役立ちました。(Google翻訳について文章の翻訳は全く使い物になりませんが、緊急時に単語帳代わりにはまぁ使えるかなといった感じです。)

こうしたことは、データ通信ができるからこと得られるメリットです。テザリング機能を含めて考えてみると、5年前には「海外でもデータ通信が使えれば便利になるだろうに…。」と夢に思い描いていたことが、ようやくSIMロックフリーでテザリング機能を備えたスマートフォンの登場で実現したといった感じです。僕は国内ではiPhoneを愛用しているので(…iPhoneを手放せない理由は北欧語の辞書アプリが充実しているためです…)、スマートフォンを2台所有することになってしまいましたが、もし海外と日本とを往復する機会の多い方で、これからスマートフォンを購入する予定がある人には、SIMロックフリーでテザリング機能をもった端末(…格安なPocket Wifi Sでも良いのですが、もし端末一括購入に資金的余裕(40000円ほど)があるならば、バッテリの持ちがよくや処理速度のはやいイー・モバイルのHTC Ariaなどその後、HTC Ariaは携帯回線の旧規格であるGSMには850/900/1800/1900MHzの各帯域で対応しているため問題なく海外でも使えるのですが、HSPA/W-CDMAという高速データ通信を可能にするような規格にはイー・モバイル独自の1.7GHzしか対応しておらず、無線モバイルルータとして海外で高速通信を行うことはできなさそう…であることがわかってきました。Pocket Wifi Sの場合には、HSPA/W-CDMAについては1.7GHzと2.1GHzに対応していて海外での3G通信にも対応する可能性が大きいです。ということで低機能でもPocket Wifi Sで決めうちでしょうか)を1台所有しておくと、海外での活動をより充実したものにできる…と、今回の僕の経験から確信しました。

2010年1月14日 (木)

北欧語学習者必携ツールとしてのiPhone

___2 かつてこのブログで「デンマーク語の夜明け」とか題して、iPhone上で動作する辞書アプリケーションとしてPolitikenのデンマーク語・英語辞書を紹介したことがあったと思う。それは所収語彙数32500語程度で、意味を調べるならばそれなりに使えるアプリだった。しかし文法事項が記載されることはなく、それは単語帳のようなものだった。けれどそもそもデンマーク語の電子辞書などなかったものだから、そうした状況において、それはデンマーク語学習に「夜明け」を告げる存在だった。

これはあくまでもiPhoneないしはiPod touchで動作するアプリケーションの話だが、昨年末iTunesのApp Storeに登録されたGyldendalのデンマーク語・英語辞書がすごい。所収語彙数の違いに応じて大中小(それぞれ3900円1200円600円)があるのだが(…3900円の大辞典では175000語を所収している…)、これには名詞の性・数や動詞の変化などについても情報が記載されているし、例文の記載は少ないけれど熟語表現も掲載されている。さらにこのGyldendalは、ネットワークに接続されていないでも、オフライン検索ができる。

iPhoneの辞書アプリケーションの多くは、検索インターフェースのみをアプリとして提供し、検索する際には逐次サーバに蓄積された辞書データ本体にネットワーク接続して情報を得るものが一般的だ。そうしたオンライン検索型辞書アプリケーションの代表が、スウェーデンの言語・民俗研究所が移民向けに公開しているオンライン辞書LexinをiPhone上から検索するLexikonだ。Lexikonについては、ネットワーク検索の母体になっているLexinの辞書としての出来具合が実に秀逸なので、文法事項はもとより、熟語表現、例文紹介なども的確で、スウェーデン語学習者にとってこれ以上のツールはないと僕は思う。しかしLexikonで検索するには、携帯電話回線にせよ、無線LAN回線にせよ、常にネットワークに接続されている必要があり、例えば飛行機のなかなどネットワークから遮断された環境では検索できない点が難点である。

(ちなみにLexikonは、英語のほかに、アルバニア語、アラビア語、ボスニア語、クロアチア語、クルド語、フィンランド語、ギリシア語、ロシア語、セルビア語(ラテン表記・キリル表記)、ソマリ語、スペイン語、トルコ語とスウェーデン語を検索できる。この言語の種類を見ると、おおよそスウェーデンの移民行政において、どういった言語圏からの移民が多く受け入れられているのかを判断することができよう。)

(日本語、英語、フランス語、イタリア語などについては辞書データ本体をiPhone内に蓄積して、オフラインでも検索できる秀逸な電子辞書ソフトは存在する。この発言の冒頭に掲げた写真は、僕が仕事関係でよく使っているアプリケーションを集めたiPhoneのスクリーンショット画面。辞書関係ではLexikon、Gyldendalときて英和辞書はウィズダム、国語辞書は大辞林。ウィズダムや大辞林など、物書堂が開発している辞書アプリは、その検索インターフェースがすばらしい。そしてiDicは、学部生の頃からコツコツと買い集めてきたEPWING形式の辞書データを検索するアプリケーション。iDicにはデンマーク語、スウェーデン語をはじめノルウェー語、フィンランド語、オランダ語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の辞書、英語についてはリーダーズやランダムハウス、国語については広辞苑、百科事典については平凡社・小学館・ブリタニカ・ウィキペディアなどを仕込ませている。これは20年近い収集の成果。貧しかった学生時代に貯金して買っておいた資産が今になって生きている。ラテン語は、ネット上で公開されているLewis and Shortを基にしたLexidiumという辞書を取り急ぎ使っている。)

日本ではスタンドアローンで使用可能な電子辞書と言われる検索ツールが異様な進化を遂げており、言語学習者にとっての神器とされている。IT分野にあって日本は「ガラパゴス」化している(…世界の主たる潮流から隔絶されているがゆえに、いくつかの機器に関しては異様なまでの独自的進化がみられる)と言われるが、電子辞書市場もまたその類の産物と言えるだろう。例えば、スウェーデンやデンマークにあって、日本における電子辞書の類を僕は見かけることはない。だいぶ以前、スウェーデンの友人に「辞書はどうしているの?」と聞いたときには、「LexinやSAOBなど、ネットワークで検索できる辞書サイトで確認しているよ。」との答えが返ってきた。彼らにとっては、ネットワークに常時接続された環境は普通のものだった。

しかし日本は長らくそうではなかった。電子辞書同様に「ガラパゴス」的進化を遂げた携帯電話が日本語という特殊な言語環境を前提とした市場で発展したために、この市場で受容の少ないスウェーデン語やデンマーク語のような特殊文字を使う言語の検索は「文字化け」の問題で使いものにならず、従ってネットワークに接続された辞書検索は一般的にならなかった。日本では「オフライン検索ができなければ電子辞書ではない。」といった意識は相当に根強く、それゆえ今でも「英語やドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、中国語のようなデンマーク語やスウェーデン語の電子辞書がない」という不満が学生たちの間からよく漏れ聞こえてくる。(もちろんネットワークへ接続する投資さえ惜しまなければこうしたことは一切問題にはならないが、その場合は通信料が問題となる。)

「オフライン検索ができなければ電子辞書ではない。」という不満への対処策は、これまでにも一つだけあった。今となってはかなり古い規格となってしまったが、EPWING形式による辞書データをPCやPDAにコピーして検索するという方法だ。かつては三修社からこの形式による十二国語辞書(旧版)が発売されており、僕は長らくここに所収されていたデンマーク語やスウェーデン語の辞書データを様々な機器にコピーして使用してきた。しかしこの方法をひろく学生たちに薦めることは今ではできない。なぜならばEPWING形式による十二国語辞書は、その後辞書データの形式を変えてしまい…そしてそもそも今ではこれ自体が絶版になってしまって、入手することは困難だからだ。

こうした状況に鑑みれば、オフライン検索のできるしかるべき文法事項が記載された辞書アプリケーションとしてGyldendalの登場したことが、いかにすごいことなのかを理解していただけると思う。スウェーデン語に関しては、残念ながらオフライン検索のできるしかるべき文法事項が網羅された辞書はない。それゆえ常にネット環境を維持してLexikonを使うか、かつて三修社の十二国語辞書に所収されていたEsselteの辞書を何とか購入して、自ら購入したデータをiPhoneにコピーして使うしか方法はない。(スウェーデン語について、オフライン検索できる電子辞書が発売される可能性はないとは言い切れない。Norstedtの辞書データはオンラインで検索可能なように公開されており、世界的なiPhoneの市場規模に目をつけたソフトウェア開発会社があれば、その辞書データを利用してGyldendalのようなものは作り出せると思えるからだ。)

いずれにせよGyldendalの辞書が登場したことで僕たちはオフライン検索できるデンマーク語の電子辞書を手にした。これで「デンマーク語は電子辞書がないから勉強しにくい」という言い訳は通用しなくなったとも言える。(だから学生のみんなは、もっと勉強なさい!)これまで僕は外国語学部でも北欧語の教育に携わる関係上公平を期すために、iPhoneやiPod touchのような特定のデヴァイスの使用を他人に薦めることを避けてきた。しかし唯一の選択肢としてGyldendalの辞書が登場したこれを機会に、少なくともデンマーク語を学習する人に対しては、iPhoneやiPod touchは勉強のための必携ツールであると薦めることになるだろう。(もしスウェーデン語も勉強したいと言うならば、Lexikonを常時使えるように携帯電話回線をもったiPhoneこそが必携ツールということになる。 ちなみにノルウェー語ならば、iPhoneでオフライン検索できる辞書としてCollins のノルウェー語辞書が1200円で売られている。)

2010年1月 4日 (月)

プロアクティブな実践行為

僕の年頭所感に溢れる積極的な雰囲気は「プロアクティブ」という形容詞で一言にまとめられる。自発的・主体的という意味だけではなく、先を見据えた行動をとるという意味で「前向き」であるということだ。先を見据えた行動の方向性は今までの自分を取り巻く環境に対する客観的な省察から見いだされるものだから、そうした意味では「プロアクティブ」な行動は過去に対する「レトロスペクティブ」な認識を踏まえてはじめて成就すると言える。(前言の年頭所感も、そうしたことを踏まえて書いてみたつもりだ。)

例えば今、僕の手元にはイーモバイルのPocket WiFi D25HWというデータ通信端末がある。外出先でのネット環境を確保するために僕は1年半ほど前からイーモバイルのD11LCという端末を使い続けてきたが、このPocket WiFiはD11LCの使用をめぐる省察に基づいて新たに導入した端末である。確かにこの1年半ほど僕の国内における生活圏でD11LCはネット環境を確保する最終手段として重宝した。(とりわけ新幹線やバス・モノレールのなかでの通信手段として、イーモバイルは安価ながら高速・安定したネット環境を提供してくれるので、僕は傑出した選択肢だと思う。)しかしD11LCはUSBカードであるためにUSB端子の付属するラップトップPCでしか使えず、また1年半ほど前のモデルであるために理論上データ受信速度は3.6Mbpsに限られていた。実際の受信速度は1Mbpsも出ていなかっただろう…それでも便利だった。

これに対してPocket WiFi は無線接続のルータ機能を搭載したデータ通信端末である。ネットに接続させたい複数のデバイスを無線で接続できるという点がこの機種の先進的な特徴である。例えば僕が出張するとき、僕はMacBook AirとiPhoneを携帯する。ようやく一昨年に見いだすことのできたこれら道具の組み合わせは、この先しばらく変わることはないだろう。ただしこのネット社会にあってネットワークに接続されていないスタンドアローンな状態では、それらの道具の利便性は低減してしまう。これまで出先でネット接続する際にはMacBook AirのUSB端子にD11LCを鞄のなかから探しだして逐次接続させていたが、これが意外と面倒であったし、限られた通信速度にも不満があった。iPhoneは3G回線をもった携帯電話であるから、どこでもネットに接続できているようにも見えるが、僕の本務先である阪大箕面キャンパスにおいては、あろうことかiPhoneのキャリアであるソフトバンクの回線が弱い。ネットワークに繋がらなければ、iPhoneなど単なるシリコン音楽プレーヤに毛が生えたものにすぎず、僕はそんなものを必要としていない。箕面キャンパスでは最近ようやく一部の場所で阪大の無線LANネットワークが整備されつつあるが、それがキャンパス全域を覆うものとはなっていない。とりわけ僕の授業が行われている建物では皆無だ。

こうした時にイーモバイルの回線は、ネット接続を確保する最終手段となる。Pocket WiFiの最も便利な点は、鞄やポケットのなかにこの小さなルータ付き通信端末を潜ませておけば、パスワードなどの接続設定を済ませたデバイスを5台まで無線で常時接続できることにある。MacBook Airであろうが、iPhoneであろうが…はたまたiPod touchや旧式のPDAであろうが、無線LAN機能を搭載したデバイスならば、イーモバイルの回線が存在する場所ならば常時ネットワークに接続可能というわけだ。僕の書斎には、かつて一世を風靡したSigmarionやZaurusといったPDAが複数死蔵されている。数年前僕は、いずれ普及するであろう無線LANに基づくネットワーク・プラットフォームに対応することを夢見て、それらPDAの各々に無線LAN機能をおごってやっていた。しかし無線LANのエリアは早々には普及しなかった。おそらく今の日本という国にあって生活圏の大部分を覆うネットワーク・プラットフォームは携帯電話網しかない。数年前、イーモバイルはパケット・データ通信使用に対して明朗で安価な料金体系を設定した。そうすることで常時接続可能なネットワーク・プラットフォームが、ようやく僕らの前に提供された訳だ。しかしパケット通信のためのハードウェアが主にUSB接続タイプに限られていたため、数年前のPDAに対する投資は無駄なままだった。それがPocket WiFiの登場によってようやく生きる可能性を得たのである。

自宅でPocket WiFiを試用している段階では、コンスタントに2.5〜3.0Mbpsほどのデータ受信速度をたたき出している。従来のD11LCの倍以上である。そして何よりほぼスイッチを入れると即座に複数のデバイス(…現状ではMacBook AirとiPhone、iPod touchしか試していない…)がワイヤレスでネットに接続される簡便さに、僕は大きな満足を得ている。近いうちにイーモバイルはデータ受信速度の上限を理論値上21Mbps(…Pocket WiFiをはじめ、現時点でのイーモバイルの主力データ端末のデータ受信速度の理論上限値は7.2Mbpsである…)とする新しい規格へ移行するであろうし、日本や中国、台湾のメーカが作るラップトップPCなどは別の無線通信規格であるWiMaxを内蔵するものが多くなるだろう。Appleの作るラップトップPCやスマートフォンがWiMaxを搭載するならば話は別だが、少なくともPocket WiFiの契約が続くこれから二年間は、今あるMacBook AirとiPhoneの組み合わせで仕事を続けることになるだろうから、それならば現行のPocket WiFiで十分と僕は判断した。Pocket WiFiへ機種変更は、これから二年先までの状況を見越したプロアクティブな行動だったと言える。

な〜んて…正月早々Pocket WiFiへの物欲に負けた自分の購買行動を正当化するために、「プロアクティブ」というもっともらしい言葉を冒頭に掲げて、長々と文章を書いてみた。文章を書くというのは実にオモシロイ。単なる物欲ネタも、言葉を選べばもっともらしい論調で、したり顔で語ることができるのだから。というわけで新年早々の物欲ネタではあるが、今回の機種変更にかかった投資額を回収するために、仕事に精進せねばならないというのが現実である。

2009年12月26日 (土)

今年の私的ベスト・バイ

クリスマスも過ぎ、年の瀬も押し迫ってきた。今年の私的クリスマス・プレゼントはPitaPa(関西圏の私鉄・軌道・地下鉄・バスで使える非接触型ICカード)の申し込みだったが、案の定、発行までの審査に三週間以上かかるという。(PitaPaはクレジットカードと似た後払い式カードだから与信審査がある。)僕はこれまで手続きが面倒なので、なんとなく切符や整理券を使ってきた。最近になって「PitaPaとか使わないんですか?らしくない。」と言われることが多々あり、「らしさ」とはいったいなんなのかよくわからないが、「らしさ」に応じようとようやく申し込んでみた。iPhoneとPitaPaの組み合わせの真価を問うのは来年のこととしよう。

今朝は書斎にあるMacにため込まれたライブラリのなかからボールトによるエルガーの録音などをBluetoothでリビングのスピーカに飛ばして、ソファーに横たわりながらiPhoneで遠隔操作しつつ聞いている。(こうした最新モード全快のライフ・スタイルが「らしさ」か?)気分転換がてらに今年を総括する物欲ネタを。国の内外を頻繁に行き来して全く落ち着くことのできなかった今年も、なんだかんだと言っていろいろと買い物はした。そんな買い物のなかから、個人的に「これは買って良かった。」と思うものを数点ご紹介。(他人にはどうでも良いことかも知れないが、そんなことを気にしないでいられるのも「らしさ」か?)

1 Panasonic DMC-LX3

パナソニックのデジタルカメラ。開放F値が2というとても明るいレンズをもっている。この夏、インド滞在を共にしたフィールドワーカーの方々のデジカメ捌きに感化され、真剣にデジカメと付き合うようになった。今までは資料撮影やスナップ撮影が自動の設定で綺麗に撮れれば良い…むしろ可搬性が大切だと考えてコンパクトなデジカメを使い続けてきた。しかしこのLX3の描画力は普及版のデジカメとは明らかに異なり、正直驚いた。暗いところでもはっきりくっきり。フォーカス対象の変更も瞬時に行え、撮影対象によってアスペクト比を変更することも楽。コンパクトデジカメの範疇では重いけれど、写真撮影の楽しみを僕に教えてくれた。一年以上前に発売された機種だが、ファームウェアのアップデートで新しい機能が付加され、道具としての「熟成」を味わえる楽しみもある。

2 資生堂 UNO FOG BAR

資生堂から発売された霧状の整髪料。整髪料の類はワックス、ムース…といろいろあるけれども、それらががっちりと髪を固めてしまう一方、FOG BARは霧状の整髪材が髪を覆うことでとても軽く髪がまとまる。僕の髪はボリュームがあるためこれまでは整髪料の「力」に依存してきたが、FOG BARを使うようになってからは、FOG BARが想定している一般的な男性の髪のボリュームに従って、そもそも自分の髪をどの程度までカットしたらいいか、自分の髪をどの程度まで梳いたらいいかについて意識的に判断するようになった。この春のウップサーラ滞在以来、僕は妻に髪をカットしてもらっているが、基本的にFOG BARでセットできる程度に髪の分量を整え(梳いて、梳いて…梳きまくってもらうのがほとんどだが、)軽く自然に髪をセットできるようになった。

3 Apple Magic Mouse

PC関連では「これはすばらしい!」と思えるものはほとんどない。今年一年、国内外でのノマドなナレッジワークを支えてくれたMacBook AirとiPhoneの組み合わせは昨年の収穫だ。ただ一つ、今まで使っていたマウス(Mighty Mouse)に問題があったためにそれと比べれば格段に良くなった…という個人的にいささか消極的な理由でMagic Mouseをここにあげる。前者の小さなスクロールローラ部分はゴミや垢が溜まりやすものの分解清掃ができないものだから、スクロール感度が悪くなることがしばしばあって不便だった。これに比べると後者はマウス表面がマルチタッチ対応のパッドになり物理的運動の加わる部分が排されたため、乾電池交換を除けばメンテナンスが不要となった。その操作性は、ちょっとした指の動きにも瞬時に対応してくれるため極上だが、感応が鋭敏だと思う場合には、自分なりの指の動きに応じた設定が必要になるかも知れない。今年Appleが見せてくれたPCの「未来」という点でいっても、これ以上のガジェットはないだろう。

番外 ユニクロの980円くらいのもの

関西空港ならば航空会社のチェックインを済ませた後、実際に搭乗ゲートにまで向かう数時間は階下の食堂・商店街で過ごすことになる。今年はそこにあるユニクロで買った1000円にも満たない小物の数々が重宝した。晩夏にインドへ出張した際には、サングラスを持参しようかどうか悩んだ挙げ句に愛用のものは持参しなかったが、インドの陽射しがどのようなものか全く想像がつかなかったため、不安になって急遽ユニクロで安物を購入した。しかし、これが夏のインドの陽射しから目を守るのに重宝した。晩秋にドイツ・フィンランドへ出張した際には、マフラーを持参しようかどうか悩んだ挙げ句にやはり愛用のものは持参しなかったが、シュヴァーベン地方の晩秋の寒さがどのようなものか全く想像がつかなかったために、やはり不安になって急遽ユニクロで安物を購入した。しかし、これが外気温零度前後をさまよっていたドイツ・フィンランドの町中を歩く際に重宝した。1000円にも満たない買い物が意外に今年の僕のノマド生活を支えてくれたわけだが…未知の海外へ向かう旅行者の揺れ動く気持ちにつけこむかのように実に旨い塩梅でユニクロは旅行者の目の前に現れる。ユニクロ一人勝ちの所以はこのようなところにもあろう。

(つい先ほどバーンスタイン&BPOによるマーラー9番の1979年ライブのリマスター盤が届いた。今でも1992年にこの1979年ライブ盤のCDが初めて売り出された時に渋谷のHMVに出向いて速攻購入したことを記憶している。バジェットプライスの1枚盤になって音質が改善されたとすれば、これは再び買うしかなかった。これはベスト・バイ以上にマスト・バイと言わねばならぬ逸品。)

2009年9月27日 (日)

iPhoneによるVNCの実現

Img_0553PCを使い続けて15年あまり。Virtual Network Computing(VNC)は、これまで僕が切望しながらもついぞ実現させることができないでいた機能である。簡単に言ってしまえば、これはネットワーク上にあるPCを遠隔操作する機能。この機能が使えると、例えば、外出先にあっても自宅のPCに蓄えられたデータにアクセスし、ファイルの編集や送信などを遠隔操作で可能にする。

これまでこのVNCを実現できなかった理由は、第一にルータに独自IPを設定して常時外から出入り可能な「穴」を空けて置くことができなかったこと(したくなかったこと)、第二に外からアクセスしたときにスリープ状態にある自宅のPCを立ち上げてデータを共有するWake on Demand機能がこれまでのMacOS Xではできなかったことにある。これらの問題が、先月末に発売されたMacOS X 10.6 Snow Leopard では、MacとAirMacベースステーション(あるいはTime Capsule)の組み合わせで完全に解決され、素人でも安心してVNCを実現できるようになった。

簡単に説明するならば、外出先へはリモートコントローラとなるiPhoneのみを持ち出しておき、必要な場合にiPhoneから自宅にあるiMacへ接続、iPhoneにインストールしてある遠隔操作用のアプリケーションを使って自宅のiMacを操作する。自宅のiMacは外出時にはスリープ状態にしておき、iPhoneから外部接続したときにのみ起動し、遠隔操作が切断された数分後に再び自動的にスリープ状態に戻るように設定しておく。このように出先から遠隔操作ができれば、最悪、出先で緊急に必要になったファイルを自宅PCのハードディスクから取り出したり、出先で緊急に修正の必要になったファイルを自宅PCにインストールされたアプリケーションを遠隔操作して修正することもできる。

この機能は、先日発言した「手ぶら通勤」を励行するうえでおそらく最も有用なものだと2000年代に入りかけた頃からわかっていた。それが、ようやく(僕の場合には)iPhone・Time Capsule・iMac(Snow Leopard)の組み合わせで可能になった。僕のような素人でも、Snow LeopardとiPhoneに組み込んだ遠隔操作アプリケーション(今回はJaadu VNC)の組み合わせならば、簡単にVNCを実現できた。Time Capsuleを通じてネット接続されているiMac側はシステム環境設定にある省エネルギーの設定で「ネットワークアクセスによってスリープを解除」に、共有の設定で「画面共有」と「VNC使用者が画面操作を操作することを許可」ならびに「リモートログイン」にチェックを入れるだけ。iPhone側に至っては、Jaadu VNCが自動的に遠隔操作対象のMacを見つけてくれるので、(3G回線の場合にはEncryptionをオンにして、)遠隔操作対象となるPCを選んで、あとはパスワードを入れるだけである。

屈折10年あまり。遠隔操作の実現はあまりにあっけなかった。(それだけSnow Leopardがユーザに負担をかけない、簡潔なつくりだということだ。)この発言の最初に掲載した写真は、実際にiPhoneを使ってiMacに接続した画面。Snow Leopardのスリープからの復帰は2〜3秒もかからないので、あっという間にiMacのデスクトップの画面がiPhoneに現れる。iPhone上のデスクトップの画面を拡大させながら遠隔操作を行うが、Snow Leopard側の処理はiMacが行うためWordを操作しようが、Photoshopを操作しようが、実に軽快である。(日本語入力の遠隔操作も問題ない。ちなみに、この写真には研究活動でもっとも重宝しているPapersが起ち上がっている。)

iPhoneを用いてこれほどまでに軽快に、ほとんどタイムラグのない状態でiMacを遠隔操作できるならば…極端な話、ラップトップPCを出先にモーバイルする必要もなくなる。出先でPCが必要になる場合には、iPhoneから自宅のiMacに接続して作業をすればよいからだ。これですべての出先での作業をiPhone一つで肩代わりさせることができるようになる。(出先でのファイル印刷については、コンビニのコピー機をプリンタ代わりに使えるクロネコ@ファックスや富士ゼロックスのネットプリントなどを使えばよい。)iPhoneによりVNCが実現できたことで、僕の「手ぶら通勤」のスタイルはまた一つ進化を遂げた。

2009年9月23日 (水)

進化する手ぶら通勤

前の発言で鞄を話題にしておきながら、間髪入れず鞄を用いない手ぶら通勤のことを発言するのは精神分裂の証左ととられても仕方がないかも知れないが、このブログは(…忘れかけていたけれど…)授業連絡・物欲ネタ・ITネタの三本柱でこれまで成り立ってきたように思うので、今日はITネタがらみで発言してみたい。

手ぶら通勤については以前も数回このブログで話題にしたことがある。この8〜9月のようにノマドな生活を送ることがなければ(つまり自宅と本務校を往復するだけの生活ならば)僕は、手ぶら通勤のスタイルを堅持することにしている。それは、先の発言に書いたように、「胸を張って颯爽と闊歩する虚勢」を重視しているからだ。そうした僕のスタイルを実現するに多くを負っている道具は、かつての携帯電話であり、今のスマートフォンである。とりわけ昨年のiPhoneの導入によって、僕の手ぶら通勤スタイルが劇的に進化を遂げたことは、ここでも発言した。最近は、同僚や学生の間でもiPhoneを愛用している人を多く見かけるようになった。なかには携帯電話とiPhoneの使い方に大きな違いがあるために、僕にアドヴァイスを請う方もいらっしゃる。

スウェーデンに滞在していた頃から今までの半年の間、iPhoneを核とした手ぶら通勤スタイルはさらに進化の度合いを深めた。(あまり薦められたことではないが)僕はスウェーデンでiPhoneとクレジットカードとパスポートだけをポケットに入れて、手ぶらでストックホルムやウップサーラを闊歩していた。さすがにインドではそうはいかなかったが、iPhoneは日本国内だけでなく、無線LANのある環境なら(たとえ携帯電話の回線を用いなくても)とても便利な道具である。海外での旅行スケジュールやはじめて訪れる町の地図、そうした町にあるレストランなど様々な施設の情報(その情報は大抵の場合、地図と連動している)…ポケットに収納できる道具だけで、見知らぬ町も迷わず歩くことが出来る。

手ぶら通勤の進化という点から言えば、iPhoneの活用によって僕の携帯する道具から排除されたものが三つある。電子辞書、デジタルカメラ、そしてUSBメモリである。電子辞書については、EPWING形式(かつて存在した電子ブックのデータ形式)の辞書ファイルさえiPhoneに仕込んでおけば、ネットワークに接続できない環境でも英語・ドイツ語・フランス語・スウェーデン語はもとより、平凡社やブリタニカなど定評のある百科事典、時間つぶし程度にWikipediaを検索できる。デジタルカメラについては、iPhone内蔵のカメラは決して画素数が高いわけでもないが、(どういう理由なのだろう…レンズが明るいのか、どうなのか…)スナップ写真程度なら、(人によって程度はかわるだろうが…)僕には満足できる写真が撮れるので、デジカメを持ち歩かなくなった。(例えば、二つ前の発言にあるIKEA鶴浜でのランチプレートの写真はiPhoneで撮った無加工の写真である。)またデジカメはコピーしたい文献がある場合にコピー(あるいはスキャナ)の代わりに用いていたが、iPhoneでは意外にもA4程度の大きさならば文字を認識できる写真を撮影できるので、スキャナの代わりとしても使えている。

この話の極めつけは、USBメモリを携帯しなくなったという点だろう。厳密に言えば、不測の事態に対応するためにキーホルダにはUSBメモリを一つかけているのだが、それを使うことはほとんどない。USBメモリは便利そうに見えて実のところリスクも高い道具だと僕は思っている。例えば、USBメモリは様々なPCに接続されるために、無意識のうちにウィルスに感染してしまう可能性が(通常のスタンドアローンなクライアントPCに比べると)高い。また最近はスマートなデザインゆえに華奢なUSBメモリが増えたため、コネクタ部を中心に物理的に破損する可能性が高い。さらに…よく話題にされることだが、USBメモリは携帯に便利である反面、忘れ物になりやすい。おそらく個人情報の漏洩は、USBメモリの紛失によって頻繁に起きているだろう。

そうしたUSBメモリのリスクを念頭に、僕は仕事上作業の必要なファイルの保存をネットワーク上のストレージサービスに依存するようになった。ここ一年ほどのクラウドコンピューティングの発展は、クライアントのハードウェアにデータを保存するという従来のワーキングスタイルを一新し、ネットワークに接続された端末ならばどんな端末からもサーバの上ストレージに保存された書類にアクセスして「いつでも、どこでも」作業できるようになった。僕は、データ転送の速度と安定という点からDropboxというサービスを、iPhoneやMacとの連携という点からmobilemeのiDiskというサービスを使って、ネットに接続された環境にあれば「いつでも、どこでも」データを引き出せるようにしている。

30分くらいバスに揺られる通勤ではあえてPCを開こうという気分にはならないが、iPhoneであれば音楽を聴きながら、メールをチェックして、次いでに書きかけの書類や転送されてきた書類に目を通そうか…というくらいの気分になる。読みかけの論文についてはPapersのサブセットで対応できるが、iPhoneはDropboxやiDiskに保存された書類を引き出して閲覧できる。MicrosoftのOffice文書のうちWordやExcelのファイルも、最近はiPhone上で編集もできるようになった。もちろんiPhoneを核とした手ぶら通勤のスタイルは、なんでもかんでもできるオールマイティのものではない。(そういう目的をもつならば、動作速度の遅さに耐えつつもフルセットのWindowsが使える工人舎のPMや、シャープのNetWalkerなどを携帯すべきだろうが…その時点で手ぶらではなくなるから、僕は却下だ。)手ぶら通勤とは、仕事場についてから本格的な作業を行うのだと決め、バスや電車のなかではちょっとファイルを閲覧するだけ…と割りきる「潔さ」こそが肝心のワーキングスタイル。とはいえ、この「潔さ」も「虚勢」からくるわけだから…あれやこれとコトバを重ねるほど「虚しさ」が残る。

2009年2月20日 (金)

私的デンマーク語の夜明け

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国際シンポの前夜、準備で頭がウニになる寸前なので、気分転換にiPhoneから発言。(iPhoneだけで、写真の加工から、テキスト入力まで…ここまでできちゃう!)私的に待望のiPhone用のデンマーク語・英語辞書がPolitikenからリリースされた。このリストでいくと、上列左から2番目のアイコン。(ちなみにその左隣は、スウェーデン語・英語辞書のLexikon。)

Politikenは有料版もあるらしいがまだ買えず、これは無料版。スウェーデン語のLexikonとは違い、文法事項まで丁寧な情報はでてこないが、それでも日常用途では使える。なにせ、しかるべき内容をもったデンマーク語の電子辞書としては、iPhoneではこれが初めて。iPhone OS上のものなので、デンマーク語の特殊文字の入力も、表記もなんら問題ない!(ただしiDicで使えるEPWING形式では、Gyldendalの赤辞書はあった。)この辞書の長所は、PolitikenだからPolitikenのポータルサイトに接続されて、デンマークのニュースなどがリアルタイムで閲覧できたりするところ。

ここで一つ説明を補足しておくと、iPhoneで使える電子辞書の場合、辞書のコンテンツまで収録されオフラインで使えるものと、辞書の検索コンソールのみインストールされサーバにある辞書のコンテンツをオンラインで検索するものと二つある。この画面でお見せする最上段右から二つ目のiDicというソフトの場合には、EPWING形式の辞書コンテンツをiPhoneにインストールしているのでオフラインでも使える。これに対して、LexikonやPolitikenは後者だからオンライン接続が前提で、このブログでは何度も言うようにパケット定額制が適用されていることが必須となる。日本国内で使用する際には問題ないだろうが、例えば、スウェーデンやデンマークなど海外で使用する場合には、Softbankの海外ローミングサービスではパケット定額制が適用されず通信料が高額になるから、決して使ってはならない。学生諸君でiPhoneの導入を検討している人がいたら、その点は肝に銘ずるべきだ!(そういう場合の対応策として、僕はオフライン検索のできるiDicを重用している。)

この画面には、他にも二段目左から二つ目、三つ目にあるHistory Map of WorldやHistory Map of Europe(→Putzger Historischer Weltatlasとまではいかないけれど、「あの頃、あの都市、あの地域はどうだったっけ?」を出先で確認するには便利)、三段目右から二つ目にあるRoman(→これはローマ数字による年号変換ソフト)など、歴史学に携わる者が日常的に重宝しそうなiPhone用のソフトウェアが映っている。ここまで短期間にiPhone用の便利なソフトウェアが揃ってくると、iPhoneの規格が世界標準であることの「威力」を思い知らされる。そして、たぶん…もう他の携帯電話には戻ることはできない…と思う。

2008年11月18日 (火)

iPhoneとの一ヶ月(iPhoneOS アップデート後の修正版)

iPhoneを使い始めて一ヶ月が過ぎ、はじめての料金請求が届いた。機種変更の事務手数料をのぞけば、請求料金は7000円弱。パケット通信は17万円弱を使っていたが、それでもパケット定額の上限には達しておらず、まだまだ使えたということに驚き。一言、安い。au時代の請求金額より2000円程度も安い。しかし仕事に使えているのは、今までの携帯電話以上にiPhone。となれば替えて良かったと言えるね。(この一ヶ月は意外と電話での通話が多かったので通話料が意外ととられた。ということで、他社の携帯電話との通話料が半額になるWホワイトというプランにも急遽加入した。)

iPhoneを使い始めて劇的に変化した点は、いつでもどこでも知りたいことを検索できるようになったこと。例えば、スウェーデン語の辞書や人名事典については、スウェーデンで公開されているしかるべきコンテンツをもったネットワーク上のレファランスを検索できるようになった。(wikipediaもよく閲覧しているが、叙述に明らかな間違いが見受けられるため暇つぶしに読む程度。)Lexin、Norstedt、SAOB、SBHLなどが使えているし、iPhoneOSが2.2にヴァージョンアップしてNationalencyklopednも検索できるようになった。iPhoneは常時ネットワークに接続できる環境が前提となる道具だ。けれども箕面キャンパスにあってはいつもネットにつなげるとは限らない。未だ無線LANが完備されておらず、携帯電話の電波さえ絶え絶えしい箕面キャンパスではオフライン検索ができるEPWING検索ツールも必須だが、それもiDicの登場でクリアされた。(EPWINGでなくても、広辞苑、大辞泉、ジーニアスといった辞書のソフトも出揃いはじめた。)来月にMicrosoft OfficeのファイルをiPhone上で加筆修正できるソフトウェアが登場すれば、ナレッジワーカのための道具としてのiPhoneはいよいよ完成の領域に至る。

おそらくiPhoneを使い始めて享受できたメリットは上述した一点に絞られる。しかしそのメリットさえ確たるものではない。この一ヶ月で使用したパケット通信料は15万円を超えた。定額制に入っておかねば、即破産だ。常時ネット接続のメリットは、パケット通信定額制度の上に成り立つ「砂上の楼閣」に過ぎない。iPhoneOS 2.2にバージョンアップしてブラウザのSafariの安定度は若干安定度が増したと言われているけれど、それでもまだ検索中に突然落ちてしまうことが頻繁にある、また無線LANあるいは3G携帯回線を通じて常時ネットワークにつながっているため、iPhoneの連続駆動時間はおそろしく短い。毎朝100%の状態で充電をしていても、毎夕ほぼ10%をきってしまう。いつも夜は不安。iPhoneOSのヴァージョンアップでは期待していた絵文字の利用がソフトバンクのものに限られるなど、期待はずれの部分もあった。けれど、今は未熟な道具でも、ファームウェアの更新で徐々に道具が熟成されていくことに期待しよう。ボジョレーの解禁は過ぎたけれど、ワインも熟成されて良い味を出すのだから。ちょっとはiPhoneに未来を託してみようか。