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2010年5月12日 (水)

教師冥利に尽きる授業

ここ何年か「北欧の地誌」というタイトルで実験的な授業をしている。北欧の都市や世界遺産などを事例に、僕は北欧語による情報の収集と整理の仕方を講義し、その後にはグループ単位でテーマを設定させ学生たちに調査してもらい、最終的には学生たちが調査内容を日本語でプレゼンする授業である。

北欧の都市や世界遺産など、通り一辺倒の情報なら日本語でも、あるいはネット上で英語などでも接することができるが、最終的には北欧語を運用せねばさまざまな情報の収集もかなわず、薄っぺらなプレゼン内容になってしまう。我が国で唯一の北欧語の専攻を有する阪大外国語学部の教員としては、(1)1〜2年生時に学んだ北欧語の学力を実践的に運用してもうらうということ、(2)日本社会に巣立っていった暁にはしかるべき北欧語による情報に基づいた…そして北欧語に接することの出来ない人たちに対してわかりやすい北欧の紹介が日本語でできるようにということ…そうした目的にたって、こうした授業をしている。

今日は、「北欧の都市の名前の由来」について各グループのプレゼン会を開いた。今までこの授業に参加してくれた学生たちもそれぞれに創意工夫を凝らしたプレゼンをしてくれた。しかし今回はまたひと味違った報告があった。スウェーデンのイェブレやフィンランド(オーランド諸島)のマリエハムンについて調べているグループからは、それぞれの市当局にスウェーデン語で質問をして得られた回答が報告された。パワーポイントのスライドには、そのスウェーデン語によるメールの原文も付されている。スウェーデン語によるやりとりの結果は的確な内容をもったプレゼンに結びつくだけでなく、例えばこの授業に参加しているデンマーク語専攻の学生たちには、デンマーク語とスウェーデン語の違いも意識させる体験になったことだろう。

もちろんデンマークのコペンハーゲンやオーデンセを調べているグループも、その情報源はデンマーク語で書かれたものに依拠しているだろう。自分たちが汗水流して習得した語学の知識を総動員して、それを武器としながら情報を処理し、そしてわかりやすい言葉でプレゼンを行う。授業の目的を学生たちが的確に汲み取ってくれて、それに応えてくれた今日のような体験は、教師冥利に尽きるものである。本当にここの学生たちはよくやってくれている。

(今年度からはプレゼン会で、報告内容の明瞭さやプレゼン資料のわかりやすさなどを基準に、プレゼンの順位をつけるようにしてみた。順位決定の際、自分が属しているグループへ「組織票」が流れるかと思いきや…僕のところの学生たちは「良い」と思ったグループの報告に正直に賞賛の票を入れていた。誠に清々しい連中だ…君たちは!)

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