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2010年2月 4日 (木)

「バルト海の夢」という警句

Oestersjoen左の地図を見てもらいたい。この地図は、先日話題にしたDigitala historiska kartorに所収された17世紀スウェーデンのバルト海世界への版図拡張を扱ったスライドにある「スウェーデンの内海としてのバルト海の夢」と題された地図である。面白いでしょう!ご覧の通り、これはバルト海世界の地図を時計回りに90度回転させた地図なのだけれども、右上に付せられた地中海を内海としたローマ帝国の地図と比べてみると、ストックホルムをローマに、バルト海を地中海に(…フィンランドをエジプト、バルト海東岸をチュニジア、ゴットランドをシチリア、ウレスンド(エーアスン)海峡をジブラルタル海峡、スコーネからユータランドをイベリア半島…といったように)準えると、バルト海帝国がローマ帝国に見えてくる…よね?見えてくるでしょう?これはこの歴史地図を作った編者の「お遊び」なのではなく、実際にストックホルムを中心としたこのような時計回りにひっくり返った地図は、バルト海帝国華やかなりし17世紀頃に「寓意」的な目的をもってつくられていた。(ローマ帝国由来のインペリウムはバルト海帝国へ継承されてはいないけれど(…だからこそ三十年戦争に参加して神聖ローマ帝国の諸侯となり、神聖ローマ皇帝の帝位をうかがう可能性を得ようとしたとも言える…)、ルネサンス以降の古典知の普及を思えば、やはりローマ帝国への憧憬が強かったということなのだろう。)僕は一昨年前くらいから自らの生きる生活圏を支える方位感覚も、同時代的・同文化的心象に根拠づけられた認識座標の上で変幻しうる「相対」的なものだ…とことあるごとに主張しているのだけれども、この地図のような見方は、「北は地表に沿って北極点に向かう」と思い込んでいる僕らの近代的方位感覚では絶対に見えてこないバルト海帝国の見方であり、近代的発想や近代的感覚の前倒しでは近世に独特な世界観を的確に捉えられないという警句を含んだ見方である(と僕は思う)。

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