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2009年6月 3日 (水)

『スウェーデンを知るための60章』

明石書店より村井誠人(編著)『スウェーデンを知るための60章』が刊行された。北欧を勉強していてと難しいと思うことは、人名や地名をどのようにカタカナ表記するかということ。極端な話、人名や地名のカタカナ表記を見るだけで、その日本語文章を執筆している人がスウェーデン語を知っているかどうかを判断できるほどである。もちろん日本には長らく慣習的に用いられてきたカタカナ表記があるからそれを踏襲する場合もあるけれど、最近の流れは現地語の発声実態に即したカタカナ表記ということになろう。この点、上記の『スウェーデンを知るための60章』は一つの大きな挑戦である。人名や地名のカタカナ表記のレファランスとして、これまでは山川出版社の『北欧史』があった。その存在があったとはいえ、インターネットをはじめとする巷には様々なスウェーデン語のカタカナ表記が溢れている。1998年に『北欧史』が刊行されてより11年を経て、『スウェーデンを知るための60章』が出た。この本は啓蒙書ではあるが、学術的な雰囲気に満ちており安易なスウェーデン紹介本ではない。これは、日本に溢れる紋切り型のスウェーデン像に対して発する「警句」の表明と言えるかもしれない。そしてそうした「警句」的性格は、何より現在のスウェーデン語の実態に即したカタカナ表記の統一的方法を示すという点に端的に顕れたと僕は見る。言葉は時代とともに生きるもの。その表記方法は今の日本では革新的と受け止められるだろう。けれども「エリアスタディーズ」を謳う者なら、現地語に即した現地の実態に真摯な態度をとるべきである。だから、この本で示された方法が徐々に普及することを僕は願う。(内容は…読んでみてのお楽しみ。既刊の百瀬宏・石野裕子(編著)『フィンランドを知るための44章』、近刊の村井誠人(編著)『デンマークを知るための68章』とともに是非!)

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コメント

ご無沙汰しております。お元気でしょうか。
60章、楽しく読んでおります。クリスティーナ女王には一章さいてほしかったとか、移民問題などの現在のスウェーデンの抱える問題にかんしてややつっこみが甘い、という感もありますが、概して、非常に多分野にわたり知識を得ることができました。
ところで、この本のもうひとつの野心である、日本語によるスウェーデン語表記「革命」に関して、自分のブログで書いても誰も読まないのでこちらでかかせていただきます。

1、 Öのカナ表記に関して
「ウ」に統一、というのが60章の提言ですね。
しかしながら、統一する必要はないのではないか?というのが僕の意見です。

例えば、山下泰文先生の「スウェーデン語文法」p22によると

(a)後に-rが来ないとき
[ø :] エの響きを強く伴ったオー
[ø]  [ø :]の単音であるが、[ø :]より口の開きが若干大きい kött

(b)後に-rが来ないとき
[œ:] アとウの中間のように聞こえる不明瞭な音
[œ]  [œ:]の単音

で、僕が持っているUttalsbokenという本では、上の分類が 

(a) Ö-ljudet
[ø :] öga öl Öland
[œ] kött mjölk Österrike 

(b) Ö(r)-ljudet
[œ:] öra lördag smör
[œ] förra först

と分類されております。で、村井誠人氏の序文では「聴覚印象からはウに一番ちかい」とのことですが、僕が上記のCDをいま聞き返しましたが、(a)に関してはウーと聞こえるのは[ø :]だけで、œはかなでは「オ」が僕は一番近いと思います。いかがでしょうか。
ウーランドはいいけどオステリケでしょう。(b)Ö(r)-ljudetに関してはœ:はオー、œはオが近いと「聞こえ」るというのが僕の意見です。ローダグ、スモール、ヨーラ、フォスト、モルクなどなど。「積極的に現地の発音を意識」して表記するのなら、ウで統一する合理性はないとおもいますよ。
ところで、Göteborg, Malmöですが、山下先生の「エの響きを強く伴ったオー」という発音をされているのをきくことが多いように思います。個人的には、ヨーテボリ、マルメ、でなんら問題ないというのが僕の意見です。今日もテレビでサッカーのニュースやってたんで聞いてましたが、やはり、ヨーテボリにマルメ(ー)と聞こえました。
以上より、ユーテボリ、マルムーという表記が日本でもスウェーデン在住日本人にも受け入れられることはないだろう、というのが僕の予想です。すみません。

2、Uppsalaについて
ウプサラと書いてる人がほとんどでしょうけれど、その理由は、そもそもプの発音の時に唇を閉じるのでわざわざウップとかかないでもウプでほぼ同じ発音になること、サーラとかくなら、例えばMiamiはマイアーミ、Japanはジャパーンと表記するべき、ていうことになるんじゃないでしょうか。

3、 -bergの表記について
バリでもベリでもどっちでもいい(というか中間)なんでしょうけど、僕はベリがいいと思うんですけどね。例えば有名なテニス選手、エドバーグ、ではなくてエドベリとかかれることがありますが、それは日本人がそう聞こえたからそう表記されてきたんじゃないでしょうか。

先日Astridに発音をダメだしされた僕が発音に関して書くのもなんですが、「俺の耳にはこう聞こえる」ということに基づいての意見です。

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