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2009年1月25日 (日)

理系の先生たちとの会話

昨日は阪大と統合する前から家族ぐるみで付き合いのある阪大の接合科学研と工学研究科の先生方と久しぶりにご一緒させてもらった。阪大と統合してからというもの、人付き合いの幅は確実に広がり、とりわけ理系の先生たちとの付き合いからは普段文系の世界では知り得ないことがあれこれとわかるので、人付き合いの幅に比例して人生の幅も広がっていく感じがする。これは明らかに大学統合の大きなメリットの一つだ。

たまたま一昨日盛況のうちに終えることのできたグルジアの公開セミナーがらみで社学連携の話からはじまったのだが、理系の先生方から見ると、文系分野で行われている哲学カフェなどの市民向けイベントは華々しく見えるらしい。確かに市民のなかに入っていって目立つからね。でも寄付金や研究費などの獲得という点でいえば、理系分野における企業との産学連携のほうが華々しくも見える。例えば、僕たちのやっている市民向け講座など象徴的な意味での微々たる資金しか動かないから。とはいえ、学術的な知識を蓄積する基礎研究は大学が受け持ち、基礎研究に裏付けられた成果を市民の需要に的確に応じた「製品」へ発展させる応用研究は企業が受け持つという役割分担は、理系も文系も違いはない。例えば、今回のグルジアの公開セミナーについても、グルジアの歴史・文化・言語に関する基礎研究を進め公開するのは大学の役割で、その基礎情報に基づいて観光商品を開発するのは企業の役割という分担が示された形だ。

そうした理科系の先生から、昨日はとても面白い話を聞いた。6時間も一緒に飲み食いしていたので話は多岐に渡ったが、そのなかでも印象深かった話は、関西が誇るパナソニックのラムダッシュ・ブランドのシェーバーの話。このブログでも紹介したことがあるように、僕は最近になってES8801というパナソニックのシェーバーを使い始めた。例によって家電ネタは、文系・理系の壁を越えて大いに盛り上がれるネタなのだが、「最近使い始めたパナソニックのシェーバーの切れ味がとても滑らかで、肌にも優しい。」という話を僕が切り出したところ、接合科学研の先生が「その話をしたらパナソニックの人たちはとても喜ぶよ。」と教えてくれた。

僕は長らくブラウンのシェーバーの愛用者だったが、深剃りはするものの肌荒れも酷かった。その先生が言うには、ブラウンのシェーバーは髭にそって90度の角度で歯がはいり、外刃で押さえつけた髭を内歯で引きちぎる構造になっているのだという。これに対してパナソニックのシェーバーは髭に対して30度の角度で内歯が入り、さらに内刃や外刃は日本刀の材料として知られている安来鋼という刃物鋼を鍛造する手法で作られているのだという。だから、パナソニックのシェーバーはスパッと髭が切れ、滑らかな肌触りになるのだと。(今回、はじめて知ったことなのだけれども、出雲の安来、ドイツのゾーリンゲン、そしてスウェーデンは世界の三大「鋼」産地なのだそうだ。確かに、スウェーデン鋼は軍事国家としてのスウェーデンを支えてきた重要資源だけれども、ここで、こんなつながりが出てこようとは!)

日本の伝統的な鍛造技術を応用しているところも凄いが、さらに凄いのは、あまりにスパっと切れてしまうために髭剃り時に音がならないため、わざと髭剃り時のジョリっという音を増幅するために音を共鳴させる工夫がなされているという点だ。これは、ブラウンの「まだこんなに髭のそり残しがありますね。」というコマーシャルを通じて、髭剃り時の音からそり残しを意識させる演出が巷に普及した結果できあがった「剃れる=ジョリっという音」という固定観念に対する対応策なのだという。す、凄い。凄いぞ、パナソニック。

個人的には実体験として感じているパナソニックのシェーバーの柔らかな髭のそり味が、このような技術の集成のうえに成り立っている「根拠のある感覚」だったことを知り、こうして理系の先生からまた一つ勉強をさせてもらったことに感謝。文系の感性的な知が理系の知識で根拠のある知へと昇華させられるような感覚。そのような感覚を得られるのは文系も理系も集まる総合大学だからできる話で、そうした話のできる人間関係は実によいと思う。

確かにすばらしい人間関係なのだが…なにせ、同世代の集まりだから、いつもこのメンツで集まると最後はなぜか決まって宇宙戦艦ヤマトの話を目に涙を浮かべながら語り合い…『真っ赤なスカーフ』か、『ヤマトより愛を込めて』かを歌い…「いずれ文理融合型の基盤研究でヤマト科研を…。」という話が持ち上がり…最後は「生きて必ずやまた会いましょう!」と胸に手をあてるあのヤマト式敬礼をしながら別れるのが通例になっている…というオチ(^_^;)。(平成生まれも垣間見られるようになってきた学生諸君には、何のことかわからないだろうから、折角なのでYoutubeにある『真っ赤なスカーフ』の動画(しかも、この動画の編集はヤマトの有名なシーンや台詞を盛り込んでいてすばらしい!)をここに紹介しておこう。おっちゃんはこんなのを見て大きくなったという一例。)

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