最近のトラックバック

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« iPhoneとスウェーデン語学習 | トップページ | 現代北欧地域論4b »

2009年1月22日 (木)

理解不能なありがたい話

iPodを常用するようになってから音楽ソフトの買い方は激変し、iTunes Storeにソフトを提供していないSony Classicalのようなレーベルを除いてはCDを購入する機会は減った。ライナーノーツが手に入らないということに目をつぶれば、どのみちiPod(今はiPhone)で音楽を聴いているので、安く手軽に音楽を購入できてしまうiTunes Storeを活用するようになった。で、そのiTunes Storeについては、時たま「なんでこんな値付けをするかな?」と腰が抜けるほど驚かされるときがある。

昨晩、夕飯を取った後、iPhoneを手にまったりとiTunes Storeのクラシックジャンルのトップセールスリストを眺めていた。すると、そこでEMIから昨年秋に発売された"Maria Callas: The Complete Puccini Studio Recordings"が1500円で売られている情報が目に飛び込んできた。かのマリア・カラスがレコーディングに加わったプッチーニの全集はCDだと15枚組で、例えばAmazonでは10000円以上の値がつけられている。ん?それが1500円?!僕は仕事の疲れなど一気に忘れ、買いに走った。

録音は古いが、この全集はカラスがEMIに残したプッチーニ関連のすべての音源が含まれている。昨年はプッチーニの生誕150周年にあたり、様々な音源が発売されてプッチーニ好きにはたまらない一年だったのだが、この全集もそうした企画の一つ。試しに、どれだけの曲が収録されているか、それをリストアップしてみよう。

     
  • 『トスカ』、カラス、ディ・ステファノ、ゴッビ、ミラノ・スカラ座合唱団、管弦楽団、サーバタ指揮 (1953年8月録音)
  • 『プッチーニ・アリア集』カラス、フィルハーモニア管弦楽団、セラフィン指揮 (1954年9月録音)
  • 『蝶々夫人』、カラス、ゲッダ、ダニエリ、ミラノ・スカラ座合唱団、管弦楽団、カラヤン指揮 (1955年8月録音)
  • 『ラ・ボエーム』、カラス、ディ・ステファノ、モッフォ、ミラノ・スカラ座合唱団、管弦楽団、ヴォットー指揮 (1956年8月-9月録音)
  • 『トゥーランドット』、カラス、フェルナンディ、シュヴァルツコップ、ミラノ・スカラ座合唱団、管弦楽団、セラフィン指揮 (1957年7月録音)
  • 『マノン・レスコー』、カラス、ディ・ステファノ、ミラノ・スカラ座合唱団、管弦楽団、セラフィン指揮 (1957年7月録音)
  • 『トスカ』、カラス、ツィオーニ、ゴッビ、コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団、管弦楽団、ツィッラリオ指揮 (1964年1月21日のライヴ録音)
  • 『トスカ』、カラス、ベルゴンツィ、ゴッビ、国立オペラ座合唱団、パリ音楽院管弦楽団、プレートル指揮 (1964年12月録音)
  どうよ…『トスカ』とか、凄い…コヴェントガーデンのライブも含めて三種類も含まれているんだからね。これがたったの1500円!オペラの場合、輸入CDに添付されてくるリーフレットはライナーノーツがなくて歌詞のみである場合が多いけれど、大抵の歌詞はすでに手元にあるんだから、この際そんなのがなくても関係ない。その値段こそが魅力…否、否…演奏こそが魅力(笑)。
 
  こうした破格のバーゲン価格は一時的なもので、時機を逸すると大抵の場合、適正な価格に戻ってしまう。だから頻繁にiTunes Storeで掘り出しモノをチェックする必要がある。これまでも、例えば、ランチベリーがフィルハーモニア管弦楽団を指揮して入れたチャイコフスキーの三大バレエの完全版(ハイライト版じゃない。三大バレエの完全版の録音って良い物がなかなかないんだよね。CDにして5枚組相当)、ラトルがEMIで録音しているアメリカ音楽集(これに含まれているガーシュインの『ポーギーとベス』はこの作品のベスト録音だと思う、CDにして7枚組相当)、昔懐かしいベームがベルリン・フィルを指揮して録音したモーツァルトの46の交響曲全集(CDにして10枚組相当)…あげたらきりがないけれども、iTunes Storeの無茶苦茶な値段設定の「恩恵」を僕は享受してきた。CD媒体で言えば。EMIやドイツ・グラモフォンなどが過去の録音を集成して発売している廉価版の、いわゆるCDボックスものがiTunes Storeでは時たま1500円くらいで売りに出されることが多い。けれどもそうしたボックスものだけではなく、例えば、あのフルトヴェングラーのバイロイトの第九や、バルビローリとベルリン・フィルによるマーラーの第九といった歴史的名演が600円で売られていたりもする。

  一体どうなっちゃってるの、iTunes Storeは?時期を逃すと値段が跳ね上がっていたりするから、「見つけたら即購入!」が原則なのだけれども…そうやって衝撃の値付けで一時的に理性を麻痺させた上で見境もなく即購入させることがiTunes Storeの戦術なのだ…くらいしか、今はこの値段設定の理由を推測できない。全く理解不能なiTunes Store。でも、そんな理由を考えることが今は野暮というもの。明日からはカラスのプッチーニのすべてをこの小さなiPhoneに収めて、阪急バスのなかでも、大阪モノレールのなかでも、いつでもどこでも僕はカラスと一緒にいられるというのだ!今はその至福を存分に享受しようじゃないか!

« iPhoneとスウェーデン語学習 | トップページ | 現代北欧地域論4b »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« iPhoneとスウェーデン語学習 | トップページ | 現代北欧地域論4b »