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2008年6月24日 (火)

これでは日本は勝てない

週末は休日返上で外回りだったので、今日は梃子でも動かぬ自宅研修。さて、巷のガジェット好きの間ではiPhone 3Gの話題で持ちきりだけれど、なんとなく暗澹たる気分にとらわれています。どうも日本の携帯メーカ再度のiPhoneに対する評価は、(悔しさ半分というところもあるのだろうけれども、)的を得ていないと思えるものが多いです。某社は、「ワンセグや電子マネー機能が搭載されていないものは日本では受け入れられない」とか、某社は、「親指入力に対応していない日本語入力機能は日本では受け入れられない」とか。

日本の携帯メーカは、それぞれがすばらしい技術力をもっています。ワンセグや電子マネーといった個別的な端末機能の高さから言えば、それは立派だと思います。しかし、そうした個別的技術での「勝利」にのみ目が奪われることは、局所的な「戦術的勝利」にのみ満足して大局的な「戦略」面での勝負を忘れるということに繋がりかねません。

今回のAppleによるiPhone 3Gがどえらい製品である本当の理由は、(1)iPhoneというハードウェア、(2)iPhoneを作動させるMacOSというソフトウェア、(3)iTunes Storeによる音楽・映像ソフトの提供サービスなどが、トータルとしてApple社の手元にあるものであって、Apple社がハード・ソフト・サービス(プラットフォーム)のすべてをたった1社で牛耳るという総合的ビジネスモデルを明確に示した点にあると思います。携帯端末を用いた情報メディア市場において勝利を得ようとする場合の大局的な「戦略」が今のApple社には存在するということです。

日本の携帯メーカは上記の(1)の部分で各個撃破を続けるだけで、世界的なこの分野の市場で勝利を収めることができるでしょうか?さらに言うならば、iPhone 3Gの導入をめぐる騒動を見ていると、携帯電話キャリアがこの市場では誠に存在の薄いものになりつつあることさえもわかります。Apple社がiPhone 3Gに対してつけた値段に販売価格を抑えるためにソフトバンク社がどれだけ多額の「上納金」をApple社に払っているのか。つまり、Apple社はハード・ソフト・サービスのすべてを牛耳るがゆえに、Apple社の言い分に携帯電話キャリアは従わざるを得ないわけです。(もしその言い分に従わなければ、Appleは、「いいよ〜、別のキャリアに鞍替えするから」ってわけになるから、今のソフトバンクを見ていると、「絶世の美女」をえんがために彼女の数々のわがままを唯々諾々とすべて受け入れるしがない男に見えて、実に涙ぐましく思えます。もてない男を応援したくなる気持ちで、「がんばれ、ソフトバンク!」と言いたいです。)

日本がこの分野でApple社と申しましょうかアメリカに対して、勝利するというのでなくても、少なくとも競争相手として認められようとするならば、Appleのような総合的ビジネスモデルを提供できる企業があらねばならず、もし日本で各個撃破のみをめざす企業ばかりになってしまうとすると、単に技術部分の下請け企業としてAppleの戦略に従属する未来しかないと思えます。それが、どうも日本のメーカの経営者たちのを見ていると、個別的な技術の勝利を積み重ねれば、いつかは世界市場でも勝てるといったような発想しか見えてこない。Appleも2000年代に入ってからは、iPodやら、MacOS Xやら、iTunesやらを個別的に開発してきた経緯があるのですけれども、最終的にはiPhone 3Gによってそれらの個別的技術を結びつけて情報メデイア市場を牛耳るような大局的戦略に結びつけたわけですから、本当に末恐ろしい企業であります。こういう戦略の建て方を僕らは学びたいものですよね。

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