最近のトラックバック

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« スウェーデン留学フェアのため休講です! | トップページ | 出先で気軽に無線LAN環境を手に入れる »

2008年5月24日 (土)

現代スウェーデンの国家戦略に触れる〜スウェーデン留学フェア2008を終えて

昨日はスウェーデン大使やSvenska Institutet(以下SI)の方を招いてスウェーデン留学フェアを行いました。昨日の大阪はとても暑かったのですが、結構な盛況ぶりで足を運んでくださったみなさんには感謝の言葉を申し上げます。僕は主に裏方担当でしたけれども、大使をはじめ大使館関係者のみなさん、SIの方もみな気さくで(次の仕事の展望も開けそうですし)、彼らとざっくばらんに話もでき、とても良い時間が過ごせたと思います。この企画の実現に力を貸してくださった阪大の事務方のみなさん、スウェーデン語の学生のみなさんに心から感謝申し上げます。

とりわけスウェーデン語専攻の学生のみなさん。大使たちとの懇談の場において、僕たちの学部のスウェーデン語専攻の学生のみなさんに対し、何の前振りもなくアドリブで大使館側から「なぜスウェーデン語を勉強しようと思ったのか?」とスウェーデン語で質問がなされたとき、何の事前準備もない学生のみなさんがスウェーデン語で的確に自分のことを応えている姿を見て、実に頼もしく見えました。(大使館の人も、思わず「すごい!」と感想を述べていた光景を忘れられません。)

今回の留学フェアは、スウェーデン留学について具体的な情報を提供することを目的に開催されたため、講演や質疑応答はそうした情報に焦点が置かれていました。そのなかでも、僕が個人的に「スウェーデンは末恐ろしい凄い国だ!」と思わず唸ってしまった講演があります。それは、SIの方によるSIという団体に関する講演で、現代スウェーデン国家のイメージ戦略が明確に述べられ、SIという団体はその戦略を支援・実現するための組織だという説明があったくだりです。

SIは、海外諸国におけるスウェーデンへの関心を促進する目的で1945年に設立された団体で、スウェーデン外務省と密接な連携を採りながら海外の教育研究機関と文化的・教育的交流を支援しています。(昨年は、僕たちの阪大外国語学部スウェーデン語専攻がアジア・オセアニア諸国でははじめてSIから海外においてスウェーデン文化の普及に貢献した教育研究期間として表彰を受けました。)SIは様々な海外における教育研究の支援事業を展開していますが、今回の講演では、それらの施策が「スウェーデン・イメージの普及」という戦略にたって行われていることが明確に述べられていました。

「スウェーデン・イメージ」。現代スウェーデンは世界の人口の0.1%を締めるに過ぎない小国ですが、民主・平等といった理念や制度、経済や技術といった点で先進的なイメージとインパクトを世界に与えているとSIは主張します。これは外国人である僕の目から見ても妥当なところだと思います。SIは、この現代スウェーデンの先進的国家としてのイメージは、「公開性」・「創造性」・「信頼性(真正性)」・「相互扶助性」の4つの価値観に立って築かれているものであると考えています。この4つの価値観に基づいた肯定的・積極的な「スウェーデン・イメージ」を国際的に普及させる(SIの場合には教育研究、文化面で)ことで、小国でありながらも、グローバル化した世界に大きなインパクトを与える国家を目指しているというのです。

ここまで具体的に現代スウェーデンの海外に対する国家戦略を聞いたのははじめてでしたので、この講演には思わず唸りました。小国でありながらも、世界に大きな地歩を占めるための戦略としての、「国家イメージ」の普及。僕は、これまで社会福祉だとか、男女共同参画だとかいったことは、当然どこの国でも進められるべきものであって、これらの点でスウェーデンが特別だとか、先進的だとかか、スウェーデンを過度に高く評価することはしてきませんでした。しかし、今回の講演で聞いた小国ゆえの「国家イメージ」戦略に立った教育研究の支援というスウェーデンの施策は、長期的に見て国際社会にスウェーデンが大きな地歩を占め、生き残るためのヴィジョンに触れた思いがして、「スウェーデンは末恐ろしい凄い国だ!」との思いを得たのです。

翻って、僕たちの国はどうなのでしょうか?僕たちの国のことを、ここでとやかくは言いません。確かに僕らのようなスウェーデン語専攻も、SIの言う「スウェーデン・イメージ」戦略の日本における先兵として踊らされている部分があることは認めざるを得ません。しかし、僕たちは僕たちで現代スウェーデンに接する際に、小手先の制度的改革の模範としてばかりそれを見るのでは、それこそスウェーデンのイメージ戦略の術中にどっぷり漬かったまま、スウェーデンをとらえてしまっていると言えるでしょう。むしろ天下国家百年の計に立って僕たちの国の存亡を見据えた戦略を採ろうとするときに、今回の講演で垣間見たスウェーデンの国家戦略のようなもの、あるいはそうした国家戦略をも公にして堂々と語れるスウェーデンの姿をこそ、学び取るべきなのではないでしょうか。そう…国家生存の戦略を清々しくも展開しているところこそ、スウェーデンは尊敬に値する。

いやはや、暑かったですけれど、汗も一杯かいて汗臭くもなりましたけど、現代スウェーデンの一端を勉強できた良い一日でした。

« スウェーデン留学フェアのため休講です! | トップページ | 出先で気軽に無線LAN環境を手に入れる »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« スウェーデン留学フェアのため休講です! | トップページ | 出先で気軽に無線LAN環境を手に入れる »