最近のトラックバック

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月

2008年4月30日 (水)

ロディアか、無印か

手ぶら通勤励行者の必携ツールとして愛用しているA7変形版のYMSK名刺&メモホルダですが、文房具マニアの同僚Yさんが(僕が紹介しないでも偶然に)使い始めていたり、この春に大阪にいらした後輩Kくんも(僕が紹介しないでも偶然に)使い始めていたりで、その道の好事家たちには自然と好まれているようです。これはメモホルダですから、その中に何を挟み、どのように使うかは、使用者の個性がでるところ。

さて、この春の新学期に合わせて(というかもう四月も終わりですが)この休日に僕の「平成20年度」仕様をようやくくみ上げました。この時期になったのは、これまで挟んできたロディア11番の紙の残りが少なくなったためにリフィルを求めたということ、それとあわせてこの新学期にスケジュール管理が破綻した事例がすでにいくつかあったので、手書きのスケジュール帳が必要だと思ったためです。

スケジュール帳については、このメモホルダに収納できるようにA7変形版の薄型のものを探しました。これがなかなか見つからないものですが、博文館新社から出ているNo.4158のスケジューラ・たて開きを発見し、399円で即購入。これを購入した理由は、ビニル製のカバーを外して愛用のメモホルダに収納できるためです。ほんの少し2mm程度、裏表紙下辺をはさみで切り、問題なく収納しました。さすがは老舗の博文堂新社。伊藤博文から名前をとった会社(戦前は『太陽』を発行してた出版社でもあった!)の仕事は伊達じゃないですね。

問題はメモ帳。ロディアのオレンジ色がなんともメモホルダの黒色にあわないのと、ロディアの方眼紙チックな罫線がどぎついので、ちょっと違うA7版メモ帳にしようと、今回は無印良品で150円程度で売られているメモ帳に浮気してみました。普通の横の罫線しかはいっていない縦綴りのメモ帳。シンプルなデザインと黒い表紙は良かったのですが、万年筆にはむかない紙のようです。僕は万年筆を愛用して、このメモホルダ用にはパーカーのエスプリという収縮する万年筆を使っています。このパーカーのインクが、無印良品のメモ帳ではにじんでしまうのです。問題は三つ。第一になめらかな書き心地がまったくありませんし、第二にメモ用紙の裏側にはほとんど何も書けませんし、第三に次のページのメモ用紙にもうっすらとインクのにじみがうつってしまう。

ロディアではそんな問題は全くなく、今思うと何も意識せずに良く書けるメモ用紙だったということなのですね。ロディア愛好者が数多くいらっしゃる理由がよくわかりました。次からはロディアに戻します。何事も浮気は良くないってことですかね。

2008年4月29日 (火)

「リンネの帝国」への道(1)

ブログにはアクセス解析という機能がついていますが、先週IKEAの発言をした頃を境に、毎日のアクセス数がこれまでの2〜3倍に増えています。なんでだろう?IKEAや北欧関連でアクセスがあるかというと、キーワード検索の結果を見るかぎりそのようなアクセスはほぼ皆無だ…という点が不思議です。まぁ、もとよりこのブログはPC関連やテレビ番組関連の発言が多かったため、キーワード検索の結果をみると「このブログの執筆者は精神分裂気味か?」と思うくらい、多岐にわたっています。で、例によって、北欧史関連のアクセスは実に少ない…(笑)。

(しっかし、なんですな…今この発言はレストアしたiBook G4で書き込んでいますが、MacBook Proの明るい液晶に慣れてしまうと3年前の機種であるiBook G4の液晶はもの凄く暗い。とりわけモノレールや電車のなかではほとんど何も見えない。)

それはさておき、2ヶ月ほど前にぶちあげた「リンネの帝国」の実現へむけて、1ヶ月に一度くらいは研究の過程を備忘録程度にまとめていこうかと思います。いつ完成するかわからないけれども、どんなに公務で忙しくても勉強は続けているんだ。僕も研究者という存在証明。

今月は来月に軍事革命論関連で学会報告を控えているということもあるのだけれども、それとの関連で近世スウェーデンにおける「正戦(bellum justum)」論を整理中。「近世国家は複合国家っていうけれど、じゃぁ複合国家の統合軸って何よ?」って問題。ぶっちゃけ、統合理念(…そうだね、大学統合もまったく同じような話さ…)ってものは戦争のような事態に及んだときに、王国議会などで参戦理由などが言明される際に用いられるレトリックのなかに見え隠れする場合が多い。(戦争ってのは、普段目に見えない国家や社会の論理が目に見える形になってくるから研究対象として有効なんだな。)

僕の「リンネの帝国」の構想は、科学史研究としてリンネとその弟子の業績を検討するものではありません。それは近世ヨーロッパ国家論なのであって、近世国家の独特な相貌をスウェーデンの見地から検討するもの。近世国家の独特な相貌の一つは、社会的にも、政治的にも、文化的にも様々な要素が複合し構成されている点だと思いますが、そうした多様な要素の併存を確認する一方で、それらを統合する軸というのも論じる必要がある。この点が、スウェーデンの歴史学界でも未だに議論が手薄なところ。複合、複合…って言ったって、近世にだって「スウェーデン」という国は確かにあったのですから。つまり統合軸を確認するというのは「スウェーデン」は何かってこと。

「リンネの帝国」って構想は、西洋史学研究の文脈で言えば近世国家の統合軸の変遷っていうことが裏テーマであり、北欧史研究の文脈で言えば「スウェーデン」理念の変遷っていうことが裏テーマ。僕は近世国家と近代国家との間に断絶説をとる者ではないので(…というか、スウェーデン、革命もないし全然断絶していないんで…)、ネイションステイト(あるいは19世紀スウェーデン)へつながる系譜を論じるものにもなるんだろうな。18世紀におけるスウェーデン国家の統合軸は「祖国」という言説によく見えると思うのだけれども、その「祖国」理念にたった自然解釈がリンネとその弟子の業績なんじゃないかと直感しているところがあって、この部分はこのあと検討しなければいけない部分。ここらへんは先行研究の動向を整理しているけれども、未だ曖昧。

今は「祖国」理念のような18世紀スウェーデンの統合軸がどのように生み出されてきたのかというところを詰めていて、それは17世紀スウェーデンの軍事国家としての勃興と挫折という経験を総括しなければならないですね。17世紀スウェーデンの総括というのは、研究史的にいえば一も二もなくM.ロバーツ以来の軍事革命論を総括するというふうに言っても良い。それは、今度の学会報告で披瀝しようと思っているのでここでは言及しませんが、「リンネの帝国」との関係で言えば、17世紀の軍事国家スウェーデンにおける資源動員のレトリックとなった「正戦論」のなかに近世スウェーデンの統合軸の源流をみようとしてたわけっす。史料としては王国議会での説教などをみていくといういつもの手ですが…なんだかありきたりの結論に向かいそうだけれども、そこらへんの話は来月の学会報告で披瀝します。

今月の「リンネの帝国」への道の詰めは、ゴールデンウィーク中の勉強にかかっているのです、正直なところ。というか、なんだか誇大妄想も行き着くところまでいってしまったような妄言で恥ずかしい。でも、ブログなんて書いている時点で厚顔無恥と思われているわけだし、ま、いいっか。ブラームスだって二十数年かけて壮大な1番交響曲を書き上げたわけだし。ゆっくりと。ぶっちゃけ、これくらい大きいほうが、なんだかおもしろうそうじゃない?

2008年4月28日 (月)

地域研究VIII

関西外大のみなさん!5月19日の講義ファイルをアップロードします。来週は5月5日でお休みです。再来週は初回の授業でもお話したように、日本西洋史学会で島根大学へ出張するために休講です。この日の補講については、後で話し合いましょう。従って、今日は授業をやりますが、次回は5月19日となります。よろしくお願いします。

5月19日の講義ファイル(1)をダウンロード

5月19日の講義ファイル(2)をダウンロード

2008年4月27日 (日)

ナレッジワーカーのためのiPod

今日は子供と僕だけで大阪モノレールに乗って北摂を練り歩いていました。いつも大阪モノレールにのっているときには「忙しいなら忙しいなりに移動中の勉強のやり方もあるだろう 。」と考えています。かつてはそれがPDAによるものだったし、最近は携帯電話だったのですが、PDAの小さな画面と低速な処理能力では非効率的で生産性が悪い。携帯電話の場合、携帯電話のドキュメントビューワ機能は緊急時のおまけ程度くらいにしかならず、データ通信速度が遅くてどうにもこちらの要求するスピードについてきてくれない。スマートフォンも悪くはないのですが、Nokiaが採用しているシンビアンOSではEPWINGビューワがなく、そうなると無骨なWindows Mobileしか選択肢は残されていません。しかしながら、スマートフォンでは携帯電話で使えている非接触型ICのような便利な機能が使えなくなってしまう。そんな短所がいろいろあって、決定打は今もありません。

実のところ移動中の勉強といっても、パソコンを広げてしまえば確かにそれで事足りてしまうのですが、イラチな僕は少しでもパソコンが緩慢な動作をするとすぐカッときてしまう。それにパソコンを広げるためには座る必要がありますが、立ってでも読んでいたいときがある。そうしたときには、なんらかの携帯デヴァイスに頼るしかないわけです。移動中にすることは、論文を読んだり、書類を確認したりすること(…ときにはメール書きもある…)くらいなので、細かな文字がはっきりと閲覧できてサッと動くものであれば良いということになります。意外と知られていないことかも知れませんが、画像情報をクリアに表示できる液晶画面をもっている携帯デヴァイスとしてiPodがあります。例えば、現行のiPod nano 3Gは、液晶サイズは2インチ程度、解像度も320×240ピクセル程度ですが、ドットピッチは204dpiという数値で、実のところ、液晶サイズのより大きなiPod ClassicやiPod Touchよりもドットピッチは高く、そのぶん小さな液晶でもクッキリと画像が表示されます。

ここ数年、会議資料や論文のほとんどはScanSnapを使ってPDF化していますが、PDFファイルをJPEGに変換して「写真」扱いにし(ScanSnapの場合は、取り込みユーティリティの設定をPDFではなくJPEGにすればあらかじめJPEGファイルとして取り込めます)、そのJPEGファイルをiTunesを使ってiPodに転送すれば、「話の上では」高く詳細な画面をもったiPod上で文字情報を十分に追える筈です。「そうか!あんな小さな画面でも動画ファイルのみやすいiPodならば、論文もサクッと読めるはずだ!」と思いつき、早速、上に述べたような方法で今僕が使っているiPod nano 3Gに転送してみました。結果は…PDFの取り込み、Mac上におけるPDFからJPEGへの変換、iTunesを経由したiPodへの論文ファイルの転送まではもう「お見事!」としか言いようがないほどスムーズな作業で完璧だったのですが、肝心のiPod nano 3Gでは写真は液晶サイズの大きさに写真の大きさが最適化されてしまい、その画像を拡大することができず…そりゃぁ、2インチ程度の小さな液晶では文字は完全につぶれてしまって、アウト!顕微鏡でもモバイルしていれば別でしょうが。

となると、こうした論文や資料の閲覧という目的でiPodを使うとなると、画像ファイルの縦横移動や拡大縮小を液晶画面に指で触れることで自在に扱えるiPod Touch(ないしはiPhone)が最適ということになりますね。iPod Touchには無線LAN機能も内蔵され、Safariのようなブラウザや簡略版ながらメールソフトもついていますから、外出先でのおおよその情報収集も可能となるでしょう。もしサードパーティ製のソフトウェアも自在にインストールできるようになれば、例えばEPWINGビューワを載せて電子辞書を構築できる可能性もでてくる。なるほど、ナレッジワーカーのための電子道具として、iPod Touchの可能性は高いのだなと感じています。とはいえ、7月くらいには第三世代携帯電話の機能を搭載したiPhoneが発表されそうという話もありますすから、しばらくはせっかく復活させたiBook G4の重さに耐えつつ、様子を見てみようと思います。(そうだ…iPod Touch発表直後にそれを購入したものの、最近僕に指摘されるまで無線LAN機能の存在を知らなかった同僚のYさんをたきつけて、今回の論文閲覧のことを実験してもらおうかな。Yさんも大変お忙しいナレッジワーカーだから、iPodはユーミンを聞くためだけのものではなく論文の閲覧もできると知ったら、きっと喜んでもらえるでしょう!)

2008年4月26日 (土)

授業と研究の間

新学期三週目を終えて授業のほうもフルスロットル状態。今年度の金曜日の授業は大学院の演習と学部の北欧史講義、スウェーデン語講読が続きます。スウェーデン語講読は昨年思いついた講読授業の新機軸を早速実践。マルチメディアルームを使ってクライアント端末をネットにつないでもらい、その場でテキストに出てくる単語・用語・述語など即座に検索して調べてもらう形にしました。

これはなかなか良いですね。スウェーデン語の単語の意味はもちろんですが、人名・地名はもちろんテキストに出てくる述語等についてネット上のリソースを使った調べ方を指導できますし、学生たちに誰が一番はやく情報に到達できるか競争形式にして講読の授業にエンタテイメント性をもたせることもできますし、出典情報はスウェーデン語はもちろん、日本語・英語・ドイツ語…何語でもよいとさせると出典の如何によって同じ述語でも解釈や意味の対比もできるのでさらに面白くなる。(例えば、昨日も「子守歌」と「童謡」の違いだとか、フランドル地方における「フランス語圏」という話からワロン語やフラマン語の話まで、短いスウェーデン語のテキストから学生の知性を刺激させる情報を一気に深めることができました。)例え授業の場とはいえ、ネット検索した場合の出典情報は答えさせます。スウェーデン語のテキストに出てくるものですから、スウェーデン語のWikipediaから答えを導き出す学生が多いのですが(…これはちょっと問題なのだけれども…)、内容の精度には不安もあるWikipediaとはいえ、スウェーデン語版Wikipediaを授業のその場で速読して、即座に日本語で回答してもらうなんぞ、我らがスウェーデン語専攻の真骨頂というところでしょう。

さてさて、確かに忙しい日常業務ですが、僕は授業をするのが好きです。自分の研究を刺激してくれる体験が、授業における学生との交流のなかでしばしばありますから。昨日の北欧史の講義最中の雑談で「いつも頭のなかは17世紀や18世紀のことで一杯だ。」と話したら、下手な冗談やダジャレをかますよりなんだか学生に受けていましたが(笑)…事実そうです。僕はたぶん自分の思考の根幹に「歴史」のことがあって、日々その根幹を刺激してくれる体験を求めています。例えば、授業はその最たる機会です。例えば、大学院の演習。僕の大学院の演習は今のところ一人しか受講者がなく、しかもその院生はロシア史が専門なので、昔取った杵柄でイワン3・4世からアレクセイ・ミハイロヴィッチくらいまでのロシアの軍事革命論(つまりピョートル大帝の前くらいまで)に関する論文を読んでいます。(恥ずかしながら、僕は本郷ではロシア史のゼミの末席に加えてもらっていました。)参考文献として露和辞典(僕は研究社の辞典を愛用)やら、山川の世界歴史大系のロシア史やら、スウェーデンに亡命したロシア人外交官コトシーヒンによる「アレクセイ・ミハイロヴィッチ治世のロシアについて」(…これは松木栄三先生による大変立派な邦語訳があり、とりわけ先生による注釈がとても内容豊富ですばらしい業績と思います…)などを広げています。

軍事革命論という議論を考える研究者は、近世ヨーロッパで戦争の性格を変えたいくつかの具体的指標を想定しています。それが火器の普及やイタリア式築城術を受けた要塞の普及、火器と要塞の普及によって変化した戦術を支える軍隊構成などなどなのですが、今回の発言ではこれを要塞に限定しましょう。例えば昨日の演習の時間では、「城塞」と「要塞」の違いを延々と検討していました。一般的な軍事革命論では、火器を用いた攻城戦に対抗するために、イタリア式築城術に端を発してヴォーバンによって完成されていく要塞建築の普及がよく論じられます。しかしながら、バルト海世界やロシアにおいて、一般的に軍事革命の時代と定義されている16世紀〜17世紀くらいにおいて、そうした「要塞」単独の普及は一部の例外を除いてあまり見られません。むしろ中世以来の「城郭都市」に土塁や堀、さらには稜堡を築いてで補強する事例が多く見られる。バルト海世界で言うならば、コペンハーゲンが一つの良い例でしょう。現在では世界遺産として知られているヘルシンキ(ヘルシングフォーシュ)のスオメンリンナなどは、バルト海世界に幾何学的な「要塞」建築が導入された事例ですが、それは18世紀になってからの話です。となると、一般的な軍事革命論ではスウェーデンは軍事革命の典型的事例を築いた国として紹介されるのですが、要塞の普及という点から言うとバルト海世界は軍事革命の「向こう岸」にあったということになるのでしょうか?(…話はそんなに単純じゃないですけど。)

軍事革命論については、来月の日本西洋史学会で報告を控えていますので、今の僕の頭のなかで延々とリフレインし続けているテーマです。スウェーデンと軍事革命論の再検討の話は、学会で報告を楽しみにしてもらうとして、この「城塞」か、「要塞」かという話は水曜日にやっている「北欧の地誌」との関係でも、僕を刺激してくれました。「地誌」の授業は北欧の都市論をテーマにしていますが、例えばバルト海最大の島であるゴットランド島にあるヴィスビーの衰退は、ひょっとすると軍事革命論との関係からも検討してみることができるなと思いました。ヴィスビーは、「ハンザ同盟都市ヴィスビー」として世界遺産にも登録され、中世以来の城郭都市の構造が現存している町です。かつてはハンザ同盟の一拠点として栄えましたが、14世紀以降のデンマークとの抗争や16世紀のハンザ同盟における内紛とリューベックの侵攻により衰退し、17世紀にスウェーデン領になりました。ヴィスビーの衰退は、様々な角度から説明されています。よく言われる理由は、バルト海商業の統制が各国の王権によって集中的に統括されることによりヴィスビー商人が自律的活動を展開できなかっただとか、港も生き物だということを知っている人ならばヴィスビー港海底の堆積が増したために大型船舶が来港しうるような機能を失っただとか。

僕は昨日の大学院の授業で軍事革命論を教えていたときに、実は頭のなかでヴィスビー衰退の議論は軍事革命論の見地からも論じられるのではないかと考えていました。例えば、ヴィスビーの衰退を決定した16世紀のリューベックの侵攻でどのような攻城戦が繰り広げられたのかを調査する必要はありますが、現存する当時の廃墟の様子を見る限り火砲が用いられた可能性は高い。ヴィスビーは典型的な中世の城郭都市であり、火砲による攻城戦には耐えきれなかったのではないか?このヴィスビー陥落以降、マルメーやコペンハーゲン、ランスクローナといったバルト海世界の主要な港湾都市は城郭外延部を稜堡などで補強する一方、ユーテボリ(…これはオランダ技師を多く招いた結果、超ミニチュア版アムステルダム的都市プランを呈しています…)やカールスクローナ(…これは17世紀末のストックホルム大火でストックホルムにあった海軍の中枢機関が打撃を受けたために新たに計画された軍港を中心に擁する軍事都市で、イングランドのチャタムやフランスのロシュフォールといった軍港都市を参考としてつくられました…)といった攻城戦に対応できる「要塞」機能をあらかじめもった都市が建築されるようになったことを傍証として考えれば、ヴィスビー衰退もバルト海世界における軍事革命の展開といった文脈から論じられるのではないでしょうかね。ま、今のところ、何の根拠もない思いつき程度の話ですが、もし関心がある方がいら、したらしかるべき史料を基に研究してみてください。

歴史への知的関心が刺激する授業と研究の間。これがあればこそ、授業と研究の間がとりもたれ、日々の忙しい業務も楽しめるというもんです。

2008年4月25日 (金)

現代北欧地域論4a(あるいは北欧文化講義IIa)

阪大外国語学部で北欧史講義を受けているみなさんへ!こちらに今日ないしは5月16日にお話する講義ファイルをアップロードします。先ほどあらためて1学期の日程を考えてみたのです。来週の5月2日は、いちょう祭という学園祭(?)で授業は休講になっています。再来週の9日は、僕が日本西洋史学会に参加するために休講にせざるをえません。9日については申し訳ありません。それから、5月23日はスウェーデン大使も来訪されるスウェーデン留学フェア2008でスウェーデン語専攻の授業は休講になっています。となると、5月は16日と30日しか授業ができないことになります。そこで、今日の授業時間にあらためて補講期間に補講を行うことをみなさんと話し合いたいと思います。今日の授業は、ヴァイキングと中世のことをさくっとまとめたいと思いますので、それゆえにこの講義ファイルも念のためアップロードします。よろしくお願いします。

4月25日あるいは5月16日の講義ファイルをダウンロード

2008年4月24日 (木)

研究室に戻れず、ごめんなさい!

この新年度、研究室に滞在する時間が…ほぼゼロの状態が続いています。「古谷さん、研究室に連絡してもいつも不在なのだけれども、長期出張でもしてるの?」とクレームめいた突っ込みもほうぼうから頂いています。すみません。おおよそ豊中・吹田・箕面のいずれかのキャンパスを徘徊していると思うのですが、研究室に戻れない日が続いているのです。主たる勤務地である箕面キャンパスに着くや否や、関係各方面に顔を出すため、あっちこっちをかけずりまわらなければなりません。すごい運動量だと思います。ジムなど通わなくても、十分にスリムな体型を維持できていますし、持久力もだいぶついたと思います。こんな形でのダイエット法だとか、健康維持法だとかいうのは想定外でしたが。でもって、今年度の授業は、午後に休み時間もなく三連チャンという日が二日も続くのです。(自分の授業時間というのは自分の都合だけで決定できるものではなく、学生のみなさんが専攻の授業をダブりがなくとれるように配分しますから、この新年度は豊中シフトの先生方の授業時間と箕面シフトの授業時間とで調整したことによります。)会議で構内をかけずりまわるのは慣れっこなのですけれども、3〜5時間目の授業が三連だと、10分の休み時間は質問の受け答えなどをしたらすぐに次の授業へ移動するので手一杯。だから、午後1時から午後6時まではエレベータに乗って研究室へ戻っている時間はありません。(授業道具はPCとUSBメモリだけですし。)それゆえ僕の研究室はいつも真っ暗だと思います。最近は留守番電話の確認もできないし、研究室にあるパソコンの電源さえ入れたことはない。研究の場としては全く機能していませんので、研究室の体を為していません。こんなことではいかん!研究室は研究室なのだから、研究作業で腰を落ち着けられる時間を!でも、僕は決して今の状況をデメリットだと悲観してはいません。僕たちは大学の統合という壮大な実験をはじめたばかり。神様でもない限り、人間誰しもはじめてのことについてはわからないことだらけで、事前にあらゆる問題を想定しきることなどできないのですから。むしろ、はやめに問題の所在がどこにあるのかを知っておくことのほうが、はやめの改善につながって将来にむけて建設的な結論を導き出せるのですから。

2008年4月23日 (水)

よき出会い

昨日は昼間にしっかりとデスクワークをこなして、そのかわり晩はこの春に大阪へいらしたKくんとイングランドから一時帰国されているGさんと連れだって、西中島なんて場所で楽しい時間を過ごしました。

大阪経験があまりないお二人にいきなり西中島というのはディープな選択かと思いました。それでも新大阪近辺は東京と行き来するには便利な場所であるし、大阪の食文化は西中島や東三国といったいわゆるキタやミナミには属さない場所でも、よいお仕事をされている方々に支えられていることを知ってもらいたいとの僕なりの選択。最後は例によって例のバーで締めましたが、知的好奇心に支えられたコトバが共有されると、あっという間に公共圏を築ける酒場の懐の深さを実体験してもらえたのではないでしょうか?大阪の町中にあふれる懐の深さって良いものです。

お二人とも大学の後輩にあたりますが、むしろ海外での研究ということでは先輩にあたる。そんな世界を知っているお二人に、大阪の町中はどのように映ったでしょうか?(それにしてもかつて本郷で同じ机を並べたみなさんと大阪の町中で再び語り合う時間をもつことになろうとは夢にも思わなかったことです。昨晩は2000年に大阪外大で開かれた日本西洋史学会のような昔話もでてきましたが、まさかあの頃僕らが大阪で再び出会うなんてことは想像できなかったですよね。僕は、本郷で勉強させてもらったことが仲間を得ることで大阪にもしっかりと根を張り、やがて本郷とはまた違った花が開けばいいなと思ったりしています。)

お二人とも元気そうで、なにより第一線級の研究者としての話をうかがうと、こちらが勉強になります。かつての本郷の仲間で共同研究をやりたくなりました。僕らの学舎は将来のつながりもしっかりと用意してくれていたのだということを再認識した瞬間、そしてよき先輩・後輩に恵まれたことに心から感謝。僕らの世代のみんなが研究者番号を獲得する頃合いを見計らって、いずれ大号令をかけましょう。申請書執筆みたいなデスクワークや共同研究運営のノウハウは僕に任せて…ね(笑)。

今日の大阪もとても良い天気なのですが、颯爽としたお二人の姿にこちらのやる気も刺激された形。実に爽やかな宴、よい仕事に結びつきそうなよい再会。ありがとう。さ、気分切り替えて、授業、授業っと!

2008年4月22日 (火)

増える春

IKEAに関する発言をした直後だからでしょうか…このブログへのアクセス数がふだんの2〜3倍に増えています。そういえば月曜日の関西外大での授業なのですが、 90分の2時限連続講義にもかかわらず昨年度の履修登録者数の2〜3倍の登録者であることがわかりました。これはIKEA効果ではないでしょうが。なんとなく本務校での会議数も増えているような気がします。数としては大阪外大末期にはかないませんが、かつてはほぼ箕面だけで会議だったのに対して、今は吹田・豊中・箕面で会議する場所のはしごです。数ではなく、移動距離が肉体的負担に拍車をかけているということですね。

この新年度から箕面キャンパスの僕の周りの研究室は閑散としています。会議以外にも豊中や吹田で授業をもっていらっしゃる先生方は、普段から箕面を留守にする場合が多くなったためです。(もちろん箕面にはいらっしゃいますが、みなさん、それぞれのシフトで動いていますから一緒に顔を合わせる時間が少なくなり、すれちがっているということですね。)非常勤でいらっしゃている先生とも、「今年は寂しくなったね。」と立ち話をしています。それゆえ、箕面の学生のみなさんは、なにか相談事があるならば、僕たちの顔をみかけたらすぐにとっつかまえるのが吉。

すぐに仕上げなければならない書類の数も増えています。執筆処理のスピードが以前にもまして求められるようになった。(緊急、多すぎ。)論文はもちろんですが、会議資料が多いというのが現実。没になったものも含めて執筆した会議資料を集めたら、著作集ができそうな勢い。いつの間に、こんなに資料が書けるようになったのだろう。ある意味、未熟な僕への教育的配慮だったと思えば、大学に感謝しています。ゲーテ先生ならば「もっと光を!」だったかもしれませんが、僕は「もっとスピードを!」。処理速度ばかりは、これ以上、増やすことはできないかな…。

2008年4月21日 (月)

地域研究VIII

関西外大のみなさん。来週の講義ファイルをこちらにアップロードしておきます。今日の講義ファイルは先週の発言をご覧になって下さい。で、授業ですが、さすがに2時間連続はきついので、授業の進め方については今日の授業のときに少し話し合いましょう。それでは、今日の授業でまたお会いしましょう!

来週の講義ファイル(1)をダウンロード

来週の講義ファイル(2)をダウンロード

2008年4月19日 (土)

IKEA雑感

今週月曜日に神戸ポートアイランドにオープンした大手家具店IKEAへ家族と一緒に行ってきました。IKEAの日本への出店は船橋・港北と続き、東京近郊が先んじていましたが、関西圏への進出は神戸が最初になります。朝の8時に豊中を出て電車を乗り継ぎ開店30分前の9時30分に着きましたが、すでに行列ができています。ドえらい人気です。並んでいると、子供に尋ねられた父親が「イケアって「池」やねん。」と答えているとか、「イケアへ「行け」や!」とかいうダジャレが聞こえてきました。さすがは関西圏のノリです。そこではじめに言っておきます。IKEAは、日本ではスウェーデン語風にイケアと呼ばれていますが、英語ならアイケアですよね。そうそう、僕のゼミ生がかつて調べてくれた話によれば、IKEAの語源は、創業者のIngvar Kampradさんのイニシャルと、イングヴァルさんの故郷の農場(Elmtaryd)と町(Agunnaryd)の頭文字をとったものですから!


一応、我が国でスウェーデンのことにかかわりながら生きている人間としては、自分の教え子たちが一生懸命働いている(…僕がゼミなどで直接指導した卒業生が大阪外大からも、関西外大からも就職しているし、アルバイトも含めたら、わからない…)このIKEAに関して、価値判断を下すことは、例えブログであっても控えるべきなのではないかと思っています。だから、ここから先の発言はたんなる感想として読んでください。


今回、関西圏で初出店されたIKEAに行ってまず感じたことは、「これはスウェーデンのIKEAそのものだ。」ということ。建物のつくり、とりわけ2階に上がって1階におりてくる経路、そしてその経路に合わせた買い物の仕組み、経路沿いに取り扱われている商品…なにもかも、スウェーデンにあるIKEAそのものがそのまま日本にやってきたという感じ。僕の妻が言うには、僕たちがスウェーデンへ留学して以来、その後何度も訪れているスウェーデンのここ数年の商品そのままだそう。例えば、今回僕は999円くらいで売られていたデスクスタンドを購入したのだけれども、それなど僕がマルメーのIKEAで購入しようとしていたものの、電圧やプラグの問題から購入を断念していたものらしい。(そんなことすっかり忘れていてまた手に取るとは…というか、妻の記憶たるや恐ろしい。)そして、店内に溢れるスウェーデン語。商品名やパッケージ、おそらく今の日本のなかでここまでスウェーデン語が溢れている空間はほかにはないでしょう。(というか、非日本人系の店員さんはみんな日本語が流ちょうでスウェーデン語なんて話す必要など全くありませんでしたが。)


僕は今回家族とIKEAに行って、開店直後真っ先に他の商品など目もくれず、一目さんにレストランへと走りました。そこで売られていた肉団子やビールなどは完璧にスウェーデン・スタイル。例えば、肉団子。ブラウンソースだけならまだしも、苔桃のジャムまで添えられているではないか!日本ではまだ知られていない…というか忌避さえされそうな肉とジャムという食のスタイルを、よくぞ再現してくれました。あのレストランへ行ったら、とりあえず食事は肉団子のプレート、デザートはプリンセストルタ、それにコーヒーを頼めば、それで十分スウェーデンの食事でしょう。それにね、ビール。まさか、スペンドゥルップスのオールドゴールドを日本で飲めるようになるとは思わなかった。(うれしくて、思わず3本も飲んでしまいました。ついこの間のストックホルム滞在の際にしこたま飲んできたばかりではないのか?という突っ込みはなしにしてください。)スウェーデン・ビールの銘柄の豊富さは以前も発言したことがありますが、今回のIKEA出店で例え一銘柄だけであっても、スウェーデンではとてもポピュラーな(そして個人的に上手いと思う)スペンドゥルップスのオールドゴールドをそのまま販売したというのはすごい。そのままと言えるのは、例えばスペンドゥルップスのオールドゴールドの場合、ラベルを見ればちゃんとスウェーデン国内でのビール等級表示である"KLASS III"の表記まであることからわかります。


今回のIKEAがほぼ完璧にスウェーデンスタイルを日本にもちこむことに成功しているのは、今回は「イケア・ジャパン」という法人が直接スウェーデンと日本との間をとりもって経営しているからでしょう。直接だからこそ、ややこしい日本市場独特の慣行から逃れられ、日本市場の旧弊に飽き飽きしていた人たちを惹きつけているといった感じでしょうかね。近年の北欧ブームの背景の一つには、そんなものもあるかもしれませんね。日本の商社や百貨店などをかませて「日本市場」を念頭に置いて失敗した1970〜80年代の「イケア日本」の経験をよく踏まえていると思います。(ちなみに伊丹空港や心斎橋、京都烏丸などにあるアクタスは、かつての「イケア日本」を継承してできあがっていったものです。)


経営のことはよくわかりませんが、僕などはスウェーデンのIKEAそのままを体験できるので、今回のIKEAは興奮もの。より正確に言えば、スウェーデンで売られている家具や雑貨だけでなく、スウェーデンの食料なども含めて、「トータルなスウェーデンライフはこんな感じなのですよ…日本のみなさん、うらやましいでしょう?」的なイケア・ジャパンの戦略に見事はまってしまったという感じ。(弱くなった日本円の結果、さらに「安さ」を感じられる値付けには、多くの日本人がやられてしまうことでしょう。)そうした戦略に対応して日本風にアレンジされている戦術だな…と感じた部分は、例えば会計が終わった後の土産物コーナ。これは、スウェーデンのIKEAにはないところ。でも、スウェーデンの食文化を代表する品々が絶妙にセレクトされて売られているのには、涙しましたね。上述したスペンドゥルップスのビールはもちろん、アルコールではプンシュ(…神戸のIKEAではアクアヴィットはみかけませんでした。日本アクアヴィット協会の設立を目論む者としては拍子抜けしましたが…)、食糧では酢漬けニシンに、チーズに、肉団子など(…夏が来ればシュールストロミングまで揃いそうな勢い…)、菓子ではバレリーナに、ケックスに…それに僕がいつもスウェーデンへ行くと口の中で噛み噛みしているレーケロール(ふふ、もちろんオリジナル味さ!)に、「世界一不味い菓子」の異名をとるサルトラクリスまで。(サルトラクリスなど、レジで会計する際に「こちら、大丈夫ですか?」と念まで押されました。あの不味さからすでにクレームでもあったのでしょうか?大丈夫ですよ、僕の味覚は慣れてますから。)


肝心の品については、上述したように妻の発言によればここ数年のIKEAの商品そのもので、「混じりっけは一切なし。」一度行ったことのある人なら誰でも感じることでしょうが、とにかく安い。けれど「安かろう、悪かろう」ではなく、安くても機能性とデザインセンスは高い。(…かつてのスウェーデンでの生活でよく覚えているのは、IKEAの電球だけは弱かったな…。)IKEAは自社独自にデザイナを雇って商品開発をしたり、独自のロジスティクス網をもっていて、そうしたことが可能なんですね。


自分自身で品を運び、組み立てる労力さえ厭わなければ、誰もが安価に機能的な生活を平等に送れる。ですから、僕がIKEAを訪れて思うのは、IKEAという本来貧しいスウェーデンの一農村から出発した企業は、20世紀初頭に出てきた機能主義の思想のなかでも、本来構想されていた社会思想そのものを具現化させた一大媒介者のように思えるんです。少なくとも、IKEAの歴史はスウェーデンにおける福祉国家発展の歴史と軌を一にしていますから、その企業精神は常に20〜21世紀スウェーデンの裏返しと見ることもできる。貧困の平等な克服、規格化されたライフスタイルの徹底、最近では環境問題への取り組みなど。規格化されたライフスタイルの徹底による生活水準の上昇を考えたとき、それゆえにIKEAでデザインされ販売されている商品の数々は、生活重視の立場から企画化されていることを実感できる。だからこそ、今様スウェーデンの生活の基盤を知りたければ、IKEAにある商品の一つ、一つからまずは感じ取ってもらえるのではないだろうかと思っています。つまり、今様スウェーデンを知る一つの教材としてのIKEAってことですね。


だからこそ、今回の出店にあたってIKEAが下手に日本風にアレンジされてなくて良かった。(ん?店員の丁寧な接客は日本流かな。)これからは、スウェーデン専攻に来る学生には「まぁ、IKEAでも行って、まずはスウェーデンをみつけてこいや。」と言えます。それに、スウェーデンの料理や酒や生活ってものを手軽に紹介しようとするならば、IKEAに連れて行けばそこでスウェーデン直輸入のものを日本で簡単に見つけられるようにもなりましたし。(スウェーデンへ出張しておみやげを買い忘れたら、IKEAへ行けば良いという話もある。)問題は、あのあまりもの混み具合。入店するまで2時間、3時間待ちは当たり前みたい。(朝一番で行っておいて正解でしたが。)安価が日本人を呼ぶのか、デザインセンスが日本人を呼ぶのか…それともスウェーデンということが日本人を呼ぶのか。まぁ、3番目はほとんどないと思うのですけれど、それでもはやく混雑ぶりが緩和されて、誰もがアクセスしやすい状況になってもらいたい。


でもね…スウェーデンで生活していると、どこの家庭でも、家具やテーブルウェアなどがみな同じIKEAのものっていう状況があるんですよ。それすなわち正直に言えば、「これぞIKEA流覇権主義!」といった感じ。今はまだ日本でIKEAが伝えるスウェーデンライフは物珍しいものだから、IKEAで売られている物を揃えることで自分の部屋を個性的にしようと考える人の気持ちをIKEAは成就できるでしょう。けれどもやがてIKEAが定着することになれば、誰もがIKEA製品を使う状況で消費者は自らの個性を満足させられず、ライフスタイルの大部分をIKEAが占有し、それを牛耳ることになります。IKEAを舞台とした平等と個性の対立、あるいは平等による個性の侵害。貧困を克服しようとした際に国民生活を規格化して乗り切った手法が、ある意味、IKEAスタイルの核心だとも言えるわけで、IKEAの徹底した実用主義はその反映でしょう。そんななかでもIKEAは、規格化されているという意識を消費者に与えないように、デザインセンスへの配慮によって「他者と差別化できている」という幻想を大衆に植え付けることによって個人の欲求を満足させる手法をとっている。そんなIKEAの経営モデルは、日本の企業にも参考になるでしょうね。贅沢を知りつつも生活格差が広がって疲れてしまった日本社会に、このIKEAがどこまで定着するのでしょう?意外と普及しそうかな。そんなことを考えていると、肉体的な疲労感は知的な好奇心へと昇華されていきます。


2008年4月15日 (火)

北欧文化演習Va, VIaに参加しているみなさんへ

阪大外国語学部でスウェーデン史ゼミ、デンマーク史ゼミに参加しているみなさん。明日から数週間にかけて指導する論文の書き方で実例に使う論文のPDFファイルをこちらにアップロードしますので、各自ダウンロードしてください。すでに公開されている僕の論文ですから、あえてパスワードはつけません。論文の内容は、先週皆さんと話し合って決めたように「祖国」論に関するものです。よろしくお願いします。

論文の実例をダウンロード

涙する春

(ココログの抜き打ちメンテナンスもようやく終了したようです。おかげで発言が遅れて、関西外大のみなさんには迷惑をかけました。14日のほうに授業についての発言をしていますので、そちらをご覧下さい。)

どうやら今年の僕は、腰を落ち着けることができない日々を過ごさざるを得ないようです。(今までもそうでしたが、研究室は研究室としての役割をますます果たしていない、単なる物置状態。)昨日の関西外大の授業、関西外大も今年からセメスタ制度が導入されたということで、昨日久しぶりに枚方へ行ってみたら、僕の授業は通年4単位ではなくて、半期で4単位になっていました…?!ということは、毎週月曜日は2時間連続で講義することになり(それは聞いてくれている学生のみんなも大変だとは思うのですけれど)、今までの2倍のスピードで講義を進める必要があるということです。しかも、なぜか2時間連続の講義だというのに、不合理にも教室の移動がある。多くの学生のみなさんが受講してくれた(…記録更新ですね〜、地域研究VIIIの受講者数…)のは嬉しいのですが、出欠の管理はその方法を誤ると15分くらいは費やさざるを得ないので、これは工夫の余地あり。というのも休み時間にまで食い込んでしまうからです。昨日はやはり休み時間はゼロでしたね。(新学期のこの時期、トイレさえ大混雑。)阪大のほうも、関西外大のほうも、今年は休み時間なしで教室をはしごする予定で、なぜか動いています。でも、「先生!アイスランド大学へ留学することが決まったので、レイキャヴィークの話をしてください!」なんて、目を輝かせた学生くんが来てくれると…もう嬉しくなって、レイキャヴィークどころか、温泉でも、羊でも…なんても話したくなってしまう。枚方へ行けば、その日ばかりは箕面ではなく枚方の人として北欧について思いの丈を語れますから、例え肉体的にハードでも、精神的にはリフレッシュされています。

大阪モノレールと京阪電車を乗り継いで向かう枚方への道中はとても好きです。道中、復活させたiBook G4の液晶画面は暗くて、(…もともと、PowerBookやiBookなど、PowerPC系のラップトップは液晶の暗さが批判の的でした。今のMacBookやMacBook Proは美麗ですけれど…)、車内では全く使い物になりません。ですから、携帯電話片手にiPodを聞きながら行き交う人の様子をボーッと眺めています。昨日は枚方公園駅で枚方パーク帰りと思われる親子がおみやげ片手に電車へ乗り込んできました。とても楽しそうな親子のうらやましい光景。「あぁ、最近、自分は子供を連れて出かけてないな。せっかくの春なのに。」ちょっとばかり寂しくなりました。この週末は、せめてもの罪滅ぼしに、昨日神戸に鳴り物入りでオープンしたIKEAにでも出かけましょうか。それとひっきりなしに携帯電話へ入ってくるメールの数々。同僚からの励ましはいつものことですが、最近もらって嬉しいのは昔からの西洋史学研究の先輩・同輩からのメール。最近はそうしたメールの末尾に、「5月に松江で再会しましょう!」という文面が添えられることが多くなってきました。(5月には松江で日本西洋史学会があります。)再会できる人がいる、再開したい人、再開したいと思ってくれている人がいるってのは、とても幸せなことですね。是非に再会しましょう!美しき松江で。

2008年4月14日 (月)

地域研究VIII

関西外大のみなさん!今年の地域研究VIIIは、半期完結ということで毎週4・5時間目連続受講が原則となります。聞いているみなさんも、話している僕もハードだと思います。けれど、今日の授業のように楽しく北欧について議論していきましょう。未知なる世界のことを知るっていうのは、ワクワクするものです。心躍る気分を大切にしましょう。で、今日の授業でも説明したように、修正版の今学期の授業計画のファイルと今週、ならびに来週の講義ファイルをアップロードします。結構な量がありますね。閲覧のためのパスワードは、授業中にみなさんと決めた通りです。ものは試し。まずはダウンロードしてみてください。それでは、また来週。

今学期の授業計画をダウンロード

 今週の講義ファイルをダウンロード

来週の講義ファイル(1)をダウンロード

来週の講義ファイル(2)をダウンロード

2008年4月11日 (金)

【緊急】今日休講です!

4時間目の現代北欧地域論4a・北欧文化講義Ⅱa、5時間目のスウェーデン語Ⅰをとっている人へ。いきなりで恐縮ですが、今日は休講です。すみません。そこで、ここに授業の概要を示しますので、履修登録の参考にしてください。また来週の授業で使う講義ファイルをアップロードしておきますので、参加される方は各自ダウンロードして来週の時間までに目を通してきてください。

【現代北欧地域論4a・北欧文化講義Ⅱa】 4月18日の講義ファイルをダウンロード

4時間目の現代北欧地域論4a・北欧文化講義Ⅱaは、北欧史の講義です。現代北欧地域論4aは2年生むけ、北欧文化地域論Ⅱaは2年生のときに履修していなかった3・4年生むけの科目名で、両者は同じ内容です。2年生のうち、3・4年生になって歴史ゼミ(北欧文化演習V/VI)を希望する人は、この授業の単位を2年生のうちに習得しておくことが前提となります。第1期の講義対象となるのは、時代としてはヴァイキング時代から18世紀まで、地域としてはデンマーク・スウェーデンはもとより、デンマークと深い関係をもつことになるアイスランド・ノルウェー、スウェーデンと深い関係をもつことになるフィンランドを含みます。授業の形式は、毎週このブログで講義ファイルを公開しますのでこれを参考にしながら、それぞれの時代に検討すべき歴史的事項を、僕の視点から解説します。評価は期末に試験を行います。教科書は山川出版社の「北欧史」です。購入希望者は来週の授業の際に希望を募ります。

【スウェーデン語Ⅰ】4月18日のテキストをダウンロード 語彙集をダウンロード

5時間目のスウェーデン語Ⅰは、スウェーデン語で書かれたノンフィクションの講読の授業です。僕としては、1〜2年生で培った初歩的なスウェーデン語力と、3〜4年生のゼミ(演習)で必要となる実践的なスウェーデン語力を結ぶための、橋渡しとしてこの授業を位置づけています。それゆえこの授業では、スウェーデンでも名の知られた研究者・学者の文章を読んでもらい、実際に学術的な情報をスウェーデン語で得ようとする場合、どのようにスウェーデン語のテキストが書かれているかに慣れてもらおうと思っています。第1期は比較的平易な歴史・文化関連のテキストを、1〜2週間ごとに新しいテーマで読んでもらおうと思います。(第2期は実際にスウェーデンの学術的文章を読んでもらいます。)専門的なスウェーデン語の文章の場合、辞書にのっていない語彙に対処する方法を知っておく必要があります。参考文献については授業内で適宜指示しますが、とりあえず第1期にはここに掲載する語彙集も参考にしてみてください。この授業の評価は、これまでは毎週小テストを行い、その平均点と出席点で成績を出し、そのかわり期末テストはしませんでした。その評価方法については、来週の授業のときにみなさんと話し合って、決めましょう。ものは試しで、ここに掲げた短いテキストを読んできてみてください。

2008年4月10日 (木)

【重要】スウェーデン史ゼミ、デンマーク史ゼミに参加しているみなさんへ!

履修登録関連で教務係のほうへ確認をとり、大変的確なお答えを頂きました。そのお話をこちらに記しますので、必ず読んでください。

  • 履修登録の際の授業科目名については、水曜3時限のスウェーデン史演習は、第1期が「北欧文化演習VIa」、第2期が「北欧文化演習Vb」、水曜5元のデンマーク史演習は、第1期が「北欧文化演習Va」、第2期が「北欧文化演習VIb」です。取り急ぎ、Live Campusからの第1期分の登録に際して表示される科目名の修正を依頼しました。
  • 卒論代替科目の登録については、今回の4月の登録で第2期で代替科目にしたいと考えている授業も登録する必要があります。ただし、第2期の授業科目はLive Campusからうちだすことができないので、今回の代替科目登録の用紙では、第1期分はLive Campusからうちだし、第2期分は履修案内やシラバスを参考にしながら手書きで書き込んで、教務係に提出します。その際、第1期だけで8単位を揃えるのではなく、可能な限り第2期のものも含めて8単位以上とすることが望ましいということです。その理由は、代替科目とは卒論8単位の代わりですから通年で揃えるべき単位だという考えがあるからです。卒論を代替科目の履修で乗り切ろうとしている人はここでよく考えてください。代替科目登録は、この4月の一度だけです。この4月に第1期に開講されている授業を必要単位数ギリギリの8単位しか登録しなかったとして、もしそのなかの2単位でも落としてしまった場合には、この夏の時点で卒業ができないことが明らかとなります。そのように考えるならば、第2期の授業も代替科目として登録しておくほうが安心というものでしょう。

2008年4月 9日 (水)

水曜日に僕の授業をとっているあらゆるオクニのみなさんへ

新学期、初っ端の授業を終えました。今日こそは午前中に吹田で間違えず会議に参加し、その後バスで箕面へ移ってから、3・4・5時限と連続して授業。よく働きました。今年度の水曜日は午後は3・4・5時限が詰まっています。研究室にいる時間など一瞬もなく、教室の移動で手一杯。案の定、休み時間はありません。帰宅して夕食に用意されていたカレーが無性においしかった。お腹が空いているのも忘れてました。振り返ってみると昼食を食べる時間も、トイレに行っている時間もなかったなぁ。これが一年続くと思うと…(汗)。先のことは考えないようにします。

そんな一日のなかで、今日一番の爆笑の瞬間は、エレベータでウルドゥー語専攻の日本人の先生とパキスタンからの先生とお会いしたときのこと。なにやら、僕の背中でウルドゥー語で会話をして、ニヤニヤと笑っている。僕は、その視線を背中に感じる。エレベータを降りてから、同僚の先生から、「古谷さん、今、「あいつは酒飲みだ」っていう話をウルドゥー語でしてたんですよ。わからなかったでしょう?」との一言をもらう…。もう大爆笑ですよ!そりゃ、ウルドゥー語、全くわかりませんから。その後、人生ではじめてウルドゥー語の文章を一つ教えていただきました。「私は酒飲みです。」という一言。というか、イスラム圏のことなので、「私は酒飲みです。」という言い方を学んでも、厳しく罰せられるだけのようなのですが。

さて、4時間目の授業は、外国人留学生向けにも開放している授業ですが、蓋を開けてみたら今年はたくさんの留学生が参加してくれて、嬉しく思います。留学生のみなさんが多数参加してくれることによって生まれるインターナショナルな雰囲気は、翻って日本出身の学生たちにとっても、よいことだと思うからです。例えば、今日の授業では、スウェーデンという国のイメージを日本、フィンランド、アメリカなど、それぞれの出身の人たちに聞いてみました。こんな比較を議論できるのも、みなさんが参加してくれるおかげです。外国語学部として、世界に開かれた大阪大学として、健全なあり方だと思います。

僕にとっては秋のウップサーラでの講義にむけてよい予行練習ですが、日本語オンリーで授業を進めることを宣言しました。(考えても見てください…スウェーデンからの留学生がいたとして、日本人がネイティブと比べたら下手なスウェーデン語を使って話すスウェーデンの歴史や地理の基礎的な話を聞いて…それはその留学生のためになるの?日本語や日本文化に関心があって留学してきた人たちなのだから、しっかりとこちらは丁寧な日本語で受け答えしたいし、彼らにとって日本語での議論をしっかりと身につけることが大切でしょう。)

北欧世界のNorden的世界とSkandinavien的世界を取り結ぶ「プラットフォーム/アーキテクチュア」論は理解されたでしょうか?これはかなり実験的な北欧解釈ですが。僕の日本語は聞き取りやすくても、語彙が難しいようですね。より内容を噛み砕くように心がけます。

4時間目の授業に出ている日本出身の学生のみなさんは、今日の授業でもおわかりのように僕の授業では、北欧の特殊性を浮き上がらせるために、日本をはじめ、ほかの世界の諸地域の事例をどんどん引っ張ってきて比較させます。例えば、今日は、江戸幕府、鎖国、出島、オランダ東インド会社、台湾、鄭成功、国姓爺合戦、近松門左衛門、大阪…といった流れで、近世以来の日本とスウェーデンの関係を論じましたよね。いずれも基礎的な教養です。外国からの留学生のみなさんにとって刺激になるように、みなさんの言葉で、そうした話が語れるようになってください。がんがん質問を振っていきますから、みなさんの心意気を示してください。

この授業については、今日参加できなかった学生のみなさんも安心して来週参加してください。来週の授業でグループ学習のためのグループわけをします!

(江戸幕府くらいは英語やスウェーデン語で説明できなくても、日本語では説明できるように!ん〜、この問題は外国語学部における教育の根本的な問題を示しているよね。スウェーデン語をはじめとする外国語を使う技術を学んだとしても、それを用いて語る内容をもたない。日本出身でありながら、日本のことを知る機会は限られている。外国語学部は、外国語運用の職人を養成する専門学校だと割り切れば、良いのかな…。僕は、頭抱えますけれども。英語やスウェーデン語を使って日本の歴史や文化を語る授業があれば理想的なのですが…。)

3時限目はスウェーデン史ゼミ、5時限目はデンマーク史ゼミでしたが…いずれ、その日が来るのではないかと恐れていましたが…今学期は両方のゼミとも男子学生が一人もいなくなってしまいました。むかしは僕の歴史ゼミは、男子学生の巣窟だったのですが。それでも、気が利くみなさんが集まってくれているので、嬉しく思います。ざっくばらんにいきましょう!(何度も言いますが、今年はデンマーク史強化年です。スウェーデン史はもとより強化されています。)スケジュール管理ができない自分が、ゼミ生のみなさんに迷惑をかけないよう、以下にぼくが一両日中に片付けなければならないことを備忘録的にメモります。その後の情報は、またこのブログで示します。

  • Live Campus Systemにある授業科目名の確認
  • 2学期の卒論代替科目登録が可能か確認

新しき古き相棒

新学期もはじまり、一気に脳内を活性化状態。おかげさまで、仕事も忙しくなってきました。それに応じて、「これはしっかりと仕事のできる環境を整備しなければならない。」と思いたち、古い道具をレストアさせることでこれに対処することにしました。

3年前に購入したiBook G4(mid 2005)というiBook G4の最終モデルを完全に僕の仕事に対応できるようにレストアしました。古い道具のレストアという僕の趣味を満足させるための行為でもありますが。僕の研究室では、かつてデンマーク語・スウェーデン語共同研究室に捨てられていたPowerBook 2400、IBM最後の謹製サブノートとして愛用してきたThinkPad X40に続いて、三台目のレストアです。とはいえ、今回は英語キーボードとメモリのみを個人的に買い込み、ハードウェア上のレストアはこれを交換するだけ。レストアの主眼は、ソフトウェア上の環境整備に置きました。

実のところ、僕の研究室でまともに2008年春の仕事状態に対応可能なPCはありませんでした。HPのタブレットPCはキーボードと液晶部分のヒンジ部分が経年劣化のため断裂し、キーボードなしの状態でしか使えない状態。PowerBook 2400は…MacOS8.6は完全に動く状態ですけれども完全にクラシックな環境を鑑賞するだけのもの。ThinkPad X40はかろうじて使える状態ですが、今の仕事量をこなすには処理速度が遅すぎる。そんな状態でiBook G4を復活させるに至った背景は、3年前のモデルとはいえ、最新のソフトウェア環境にも十分に耐えうる力を秘めていることに気がついたためです。メモリを1.5GBにまで増設しましたが、そうすればストレスなく最新のMacOS X Leopardも使えます。

Leopardにせねばならない理由は、美麗なファイルを効率的に作成可能なiWork'08を使うこと、Dashboardならびにデフォルトの辞書機能を連動させられるPapersを使うこと、Acrobatを導入しなくてもある程度のPDF編集がデフォルトの環境で可能なことにあります。ついでに最近はOffice 2007以降の普及の結果、.docx形式のファイルが送られてくることも多くなり、MacでいえばOffice 2008をはしらせる必要もあります。これらが2008年春時点での僕の仕事環境に必要な条件です。

iWork'08とOffice 2008とSafariの登場で、Windowsを起動させる機会が最近めっきり減りました。ですから、とりあえず出先での作業としてはWindowsを動かせるIntel系Macを使う必要性を感じない。それに高い処理速度の求められる画像処理などは、出先では行わないですし。そこで、重いことだけに耐えられるならば、MacBook Airを購入する資金的目処もない現状では、iBook G4でいくべしと判断しました。(外装は細かな傷だらけですから、ハードに扱っても悔いはないですし。)

それにしても3年前のアーキテクチュアで最新のプラットフォームが使えるという点はすばらしい。(ん?!アーキテクチュアとプラットフォームでレイヤーは異なるって発想はおもしろい…というか、ブローデル以降は当然の発想なのかな。人間はある種のプラットフォームを敷いたうえで自らの生活を営んでいますが、実のところ、そのプラットフォームはそれを受容するアーキテクチュアいかんによってはまる場合もあれば、はまらない場合もある。小学生でもわかりやすい事例としては、現代北欧モデル風の福祉社会というプラットフォームを受容しうるアーキテクチュアはスカンディナヴィアあるいはバルト海の自然・風土・伝統といった世界だということ。そうですね、今日の4時間目の北欧んも地誌は、そんなことを追求する授業です!)

とりあえず秋にスウェーデンへ行くまでは、このiBook G4を出先での仕事用にフル活用しようと思います。例えば、3年前のラップトップでWindowsVistaは快適に動くのでしょうか?気になるところですが…いえね、昨日、この春、阪大にいらっしゃった新しき古き相棒であるKくんから、「よしこんはえらい。」という言葉を頂戴したのだけれども、「趣味と実益を兼ねる。」とか言い逃れしつつ、こんなことしてるから、「は」とか言われちゃうんでしょうね…(笑)。

新しいものばかりが最良の選択肢ではない。知識と経験が伴うならば、古いものも十分に今に活かしうる。古い道具を大切に使い続けること…僕は一つの美徳だと思っています。

2008年4月 6日 (日)

驚愕のApple デリバリーサービス

昨日の夕方、Appleから一昨日引き取られていったMacBook修理の完了と返送に関する通知メールが送られてきました。一昨日の午前中にピックアップされて、昨日の午前9時に修理センターへの到着の知らせが届いて、昨日の午後5時に修理完了と返送の通知が届いたのです。…そして、今日午前11時頃、修理の終わった現物が自宅に返送されてきました。はやい…はやすぎる。昨日の時点では、「修理されなかったのだろうか?」と不安になりましたが、今日届いてみると…しっかりと修理されたうえで返送されてきました。修理報告書によれば、修理箇所は以下の三点です。

  • パームレストのひび割れに対して、トップケースの交換。(→これが今回交換の対象と伺った内容です。パームレストにはフィルムが貼られた状態、トラックパッドやキーボードも綺麗に掃除されて返送されてきました。)
  • 検査工程でエラーが発見されたことによる、ヒートシンクの交換。(→これは初代MacBookにみられた熱処理問題(使用し続けているとハングアップする)に関する対処で、ネット上ではよく話題にあがっていました。僕のところのMacBookがたまたまこの問題が起きていなかっただけですので、シリアル番号から判断すれば交換は順当といったところでしょう。酷い場合はマザーボードごとの交換と噂で聞いていましたから、どおりで事前に修理依頼するときにHDDのデータ内容の初期化にも同意することが求められたわけです。)
  • 申告されていた内容のほかに、ディスプレイハウジング(液晶部分ですね)を動かすと軋み音が発生する状態を確認したため、ラッチカバーの交換。(→これは全くの予想外の修理!サプライズ!ありがたい!すばらしい!)

Appleの速やかなる修理対応は満点です!(だって、今日は週末ですよ。)今までいろんなメーカのPCを使ってきたけれども、こんな即応メーカはなかったので驚きました。しかも、こちらの気がつかない不具合まで修理されるとは…。もちろん、初期不良もなく、ソニータイマもなく、いつまでも丈夫なものを最初からつくっていただくことが、一番の信用につながるわけですけれども。Appleへの満足度は高い!再び生まれ変わったMacBook。大切に使い続けたいと思います。

2008年4月 5日 (土)

英雄のルフランする休日

とても良い春の日ですが、なぜか今日は無性にベートーヴェンが聴きたくて、家に籠もっています。本当ならば、今日は東京での同窓会に参加すべきだったのでしょうが。仕事も残されていますし、なんとなく人に会わず部屋に籠もっていたい気持ち。ベートーヴェンですが、本当にひさしぶりに…何年かぶりでただ英雄交響曲だけをリビングにて大音量にて聞いています。繰り返し、繰り返し。リフレインする英雄。これ聞きながら、外国語学部のホームページなど、まったりと更新しています。

(そう!最近気がついたのですが、新しい大阪大学外国語学部のホームページは、ブラウザならば世界最速の表示速度を誇る…と言われているSafariで、そして是非とも携帯電話でみていただきたい!この間、箕面・吹田・豊中キャンパス間のスクールバスについて教授会で話題になったとき、たまたま携帯電話でページを確認してみたら、この学部のページが携帯電話でとても綺麗に表示されることに気がつきました。つくっておきながら、全く気がつきませんでした。)

理由はわかりません。数日前から良い天気だったので、iPodに好きな音楽を入れて散歩しながらの登校が続きました。そうしたらブラームスなんかが聞こえてきて…1番交響曲とか、3番交響曲とか。ひさしぶりにそんな交響曲を聴いていたら、いろんなパートの対位法的な掛け合いがはっきりと目に浮かぶ感覚を得て、「あぁ、クリアな構成の古典音楽って、頭をクリアにしてくれていいな」と。混乱をクリアに整理して前進したい気持ちの表れかな。

リビングで英雄のルフランといっても、結局はiBookにつなげたBOSEのアクティヴ・スピーカでというところがどうにも情けない。アクティヴ・スピーカとはいえ、BOSEの音は低音強めで響いてくれているのですが…やはり音楽再生用にはそれ専用の再生システムが欲しくなりました。欲しい気持ちが高まってきました。ミニコンポーネントシステムで良いと思うのですが、どういう基準で選んで良いのかわからない。最近大阪住人になったKくんにでも教えてもらって、千里中央にできたヤマダ電機にでも行ってきますかな…。

2008年4月 4日 (金)

Welcome back !

今日は在学生向けのオリエンテーションの日でした。一日、立ち通しで疲れました。

さて、デンマーク語、スウェーデン語専攻に属する2〜4年生のみなさん!このブログでも、もう一度注意しますが、今日配布されていた時間割表は、開講時間・開講教室などなどで間違いのオンパレードです。履修案内も、僕のデンマーク史・スウェーデン史演習の授業科目名(と登録コード)のように、登録上重要となってくる情報に誤植が見られる。だから、少なくとも今月末の授業登録が完了するまでの間は、登録しようとする授業担当の教員、教務課の事務員、同じ専攻語の友人との間で密に連絡をとって、授業履修の情報を適宜確認してください。(ちなみにデンマーク史演習は、第1期が「北欧文化演習Va」、第2期が「北欧文化演習VIb」、スウェーデン史演習は、第1期が「北欧文化演習VIa」、第2期が「北欧文化演習Vb」です。また確認しておきますけれども。)

この混乱の原因は特定の人・特定の部署にあるものとは思いません。考えても見てください…全く異なる教学システムをもった二つの大学が一つになった直後なのです。「用意周到に準備はできなかったのか?」との批判には、「それを批判するあなた自身は、誰もが直面したことのない事態を前にしたとき、すべての事態をあらかじめ予想して対応できますか?」と問いかけたい。今が盛りに咲き誇る桜はいつもと変わりはないが、しかし、ここ箕面の春は他とは違って誰も今まで体験したことのない春なのです。すべての問題を事前予想するには、あまりに頭に入れておくべき変数・因数の数が多すぎる。他人の間違いを指摘し非難することは容易ですが、将来に向けてそれをどう乗り切るかの方策を考えず、ただ批判を繰り返す者は無責任きわまりない。さて、この混乱をどう乗り切るか…お互いの経験に培われた知恵を合わせて、乗り切る方策を考えることが生産的というものでしょう。

2008年4月 2日 (水)

ようこそ!新入生のみなさん

今日は一日、新入生のためのオリエンテーション。昨年度末からなにがなにやら…の浦島太郎状態で新年度に突入。新入生むけの歓迎会は数日前に僕がオルグしなければならなかったことを知り…。でも、同僚の皆さんと2年生の学生諸君の助力を得て、なんとか乗り切りました。あぁ、一人でないということはすばらしい。ありがとうございました。

今年の新入生は新しい学部・新しい入試制度になって最初の学生諸君ですね。何が変わったのかはまだよくわかりませんが、年の差が開いていることはわかりますね。彼ら・彼女らは18歳だとして、今の僕が36歳ですから…おぉ、倍数。世界のナベアツ〜。ちょっと使い方が違うか。

今年の新入生から阪大外国語学部の1年生は豊中キャンパスで過ごすことになります。(2年生以降は箕面キャンパスで授業を受けます。)まぁ、東大だって文学部で学生生活をすごそうと思えば、最初の2年間は駒場で、最後の2年間は本郷…人によっては本郷に所属していても駒場の授業にも出ていたっていうのは普通でしたから。キャンパス間移動が奇異な仕組みだとは思わないでくださいね。

むしろ、豊中キャンパスで共通教育で提供されいる授業を履修できるようになったこと、これこそ阪大と大阪外大が一つになった最大のメリットの一つで、今年の新入生から、そnメリットを享受できるわけです。新入生のみなさんは、スウェーデン語やデンマーク語の勉強はもちろんだけれども、共通教育で提供されている哲学や歴史学、文学、社会学…(ときには自然科学の科目もあってよい…ぼくも勉強したよ、物理学とか…「ご冗談でしょう、古谷先生」なんて突っ込まないでね…(これが笑えた人いたら一杯おごります))などなど、自分の知見と教養の幅を広げる勉強をぜひしてください!

大変残念なことに、僕は豊中キャンパスで共通科目を担当しないんです。本当なら、是非ともやりたい。歴史学でも、北欧学でも、なんでもいいです。前々から志を同じくする同僚とは、「3・4年生で自分たちの研究に関するパースペクティブをのばすには、1年生の授業で幅広く教養を学ばせておくこそ大事!」とよく話しています。いつか必ずチャンスがくれば…。家も豊中キャンパスに近いですし…(笑)。というわけで、新入生のみなさんとは、これから1年間は顔を合わせる機会はありませんが、僕のことを忘れないでください。

新入生のみなさんへ。豊中では自分の興味関心の及ぶところ幅広くいろんな学問の世界に足を踏み入れてみてください。いろいろな世界のことを知ると自分の無知さを知るでしょうが、謙虚にその事実を受け入れてください。そのことに気づくことが大学で世界を勉強することの出発点です。謙虚さは様々な知のあり方、様々な世界のあり方を受け入れる寛容さをうみます。その気持ちをもって世界を勉強しに、箕面へ上がってきてください。知識は荷物になりません。いくら知識を蓄えていても、軽々と箕面の山をのぼれますよ。大学の世界へようこそ。一緒に勉強しましょう。

2008年4月 1日 (火)

初物は怖い

今年、同僚のみなさんむけにつくった嘘話を聞いてください。「ノンアルコール・カクテルにオレンジジュースと木イチゴシロップと牛乳でつくるコンクラーベってありますが、あれってローマ教皇の選挙会議(コンクラーベ)に参加していた聖職者たちが、根比べで疲れたときにさすがに酒は飲めない会議の席上で飲むためにつくった」って。信じないでくださいね…4月1日なのですから。それにしても、オチがない。箱根の関を越えてきた東夷には、これくらいのセンスが関の山。

ここからは嘘話ではありません。年度末ぎりぎりにようやくTime Capsuleが届いて、無線LAN環境をリプレースしました。AirMacユーティリティを使っても設定に手間取って、しばらくネットにつなげず、Time Capsule裏のリセットスイッチを何度か押しましたけれども、今はこうしてネットができています。まだ、噂の無線LANによる自動バックアップ機能は使っていませんが、Time Capsuleにこだわった理由は、普段なにかと面倒で怠りがちなコンピュータ・データのバックアップを自動的にほぼ毎日、ユーザが意識することなく、しかも無線でとっておいてくれる機能があり…おそらくコンピュータを使うユーザにとっては最強の命綱となりうる装置だと思ったからです。それゆえに、この1月のAppleによる新製品のなかでは、MacBook Airが外見から言ってとても目立っていたわけですが、革新的な製品はむしろこのTime Capsuleのほうであると僕は注目していました。(結構、周りの方々を見ていると研究費執行のベクトルがいつもコンピュータ本体のほうに向かっている気がするんですよね。でも、コンピュータの実力はネットワークに接続されてこそ発揮されるものだと考えれば、実のところ通信環境のインフラを固めることが確実な研究環境を保証するもののように思います。)これがあれば、データが突然なくなって涙し、コンピュータにふりまわされる可能性は、だいぶ少なくなるでしょう。ただしAppleの初物なので、お先に「人柱」としてその実力の如何を体験しておきます。

「初物は怖い!」といえば、2年近く使い続けている初代MacBookなのですけれども、パームレスト右下部の外縁がひび割れ・断裂を起こしていたことは前にも発言した通りです。春休みもなんだかんだと時間がなくて、心斎橋のApple Storeに行く暇がまるでとれないので、今日、一念発起してAppleのサポートに電話をしてみました。すると、僕の使っている初代MacBookのシリアル番号は交換の対象になっているので「無償で交換がきく!」との回答。ん?キーボードベゼルの断裂に関する交換プログラムなんてアナウンスされてた?ま、それはさておき、明後日にはピックアップされて修理に旅立ちます。MacBookはとても素性が良い、コストパフォーマンスの高いラップトップだと思うのですよ。2年近く使っているのに、古くささや非力さも感じませんし。だから、こうして無償交換がきくのだと聞いて、嬉しくなりました。また戻ってきたら、大事に使ってあげよう。でも、なにやらデータは初期化されるということに強く同意が求められたので、そのほかにも交換部位がひっそりと隠されているのでしょうか?こんなことならば、もっとはやく電話してピックアップしてもらえばよかった…。

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »