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2007年12月25日 (火)

フィンランドは、うまくやってる

仕事柄、クリスマスになるとよく質問されるのは、「北欧になぜサンタクロースがいるの?」ということなのですが、いつもこの時期になると偶像破壊的で夢を壊すような言動ばかりくりかえさざるをえず心苦しい限りですけれど、北欧にはサンタクロースはいません。そもそもフィンランドを含めて北欧は非キリスト教圏でしたし、そもそもクリスマスという語彙さえない地域ですし。いるとすれば、森の妖精というか、農場の守り神みたいなトムテ(ニッセ)なんだけど、それはクリスマスとか、キリスト教とかとは一切関係がない北欧の民間信仰。だいたいサンタクロースのモデルになった聖ニコラウスが小アジアで活躍していた頃、フィンランドは北の最果ての地でキリスト教のキの字も知らなかった。だから、20世紀になってフィンランドはこのサンタの話を利用して、世界のサンタマネーをうまく利用したって言えるよね。

思うに、サンタクロース伝説は、「伝言ゲーム」みたいなもので小アジア→地中海世界→大陸ヨーロッパ→ネーデルラント→大西洋世界→アメリカ(北欧系移民も多いぜ!)といった感じで広まるに従って、話に尾ひれがついて今あるような形になっている。エドガール・モランじゃないけど、うわさ話がどうやって誇大妄想化するのかって過程が興味深く、しかもアメリカだとか、フィンランドだとか、最終的にその話を完成形態にもっていったところが、本来のキリスト教圏の中核ではなく、周縁だったところが興味深い。サンタクロースは学生のみんなにとってはレポートによくある対象なのだけれども、こうした観点から論じてくれないと全く面白くないね。

昨晩あたりはNHKあたりでフィンランドはロバニエミのサンタクロース村というちょっとしたテーマパークの映像が流れてました。けれど、なんだか奇妙奇天烈なのは、本来アメリカで完成されたサンタクロースの話では、まだそれでも北欧神話の雰囲気にことよせようとしていて、オーディーンの駆る8本足の神馬スレイプニールよろしく、サンタクロースは8頭だてのとなかいの橇にのっていて、それぞれのとなかいに名前や性格まできちんと設定されているのだけれども、現在のフィンランド・ロバニエミあたりの本家サンタクロースは1頭立てのとなかいの橇にのっているあたり。21世紀のサンタは、動物愛護の精神にのっとってるのか?それからロバニエミあたりの人たちが着ていた伝統衣装!ありゃ、サーミのでしょう!もともと北の大地に住んでいたサーミを紹介せずして、サンタ、サンタと失礼な。もう一つついでに、NHKもトゥルクの映像を流すのだったら、そこがかつてはオーボと呼ばれて、スウェーデンによるフィンランド支配(あるいはフィンランドのキリスト教化)の拠点であり、スウェーデン系フィンランドの拠点だったことくらい説明してほしい。サンタクロースの話をトゥルクあたりからはじめるあたり、ある意味、そこからフィンランドのキリスト教化が始まったと仮定すれば、正しいといえば正しいといえるのだけれど。

この時期、クリスマスをめぐっては本当に嫌な男になってます。(というか、家族揃ってサンタクロースの番組をみながら、いちいちつっこみを細かく入れてるクリスマスイブの夜って、お前のところが一番へんだ…とつっこみをいれられれば、確かにそのとおり。)

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コメント

こんにちは

以前クリスマスツリーのルーツを調べたことがあります。

中世後期にフランスのアルザス地方が発祥。普仏戦争(1870)時にアルザスの住民がパリに逃れてツリーを飾ったが普及せず。この風習が北欧とアメリカに伝わった。フランスでツリーを飾るようになったのは第一次大戦後。コカコーラのプロモーションだった。

サンタもハリー・ポッターみたいなものかなとこのエントリーを拝見しながら勝手に考えました。

あけましておめでとうございます。東京でフィンランド研究しているいしのです。時々ブログを
拝見させていただいて、元気もらっています。
なんでサンタがフィンランドに住んでいるか私も不思議ですが、うちの師匠いわく、サンタクロースは昔フィンランドでは秋田の「ナマハゲ」みたいな存在で、それは恐ろしいものだったようです。私がフィンランドではじめてクリスマスを迎えた年(95年!)でも、サンタクロースがフィンランド人家庭にやってくると、子供は泣き叫んでいましたね。(悪い子はおらんかね~あんたは今年いい子だったかね~と迫ってくる・・・その正体は近所のおじさんだったけど・・)私もその印象が強いので、ロバニエミの「さわやか」サンタには少し違和感があります。


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