最近のトラックバック

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 楽しい研究所づくり | トップページ | ありがとうございます »

2007年9月22日 (土)

老舗の生き残り方

しかしなんですなぁ…昨日は午前中の会議を終えたら、研究室に籠もって自分の研究に集中できると思ったら、あれやこれや「すぐにやって!」という仕事の依頼が舞い込んで、それで結局、自分のことは何もできなかった。でもって、今日は休日返上で梅田へ出かけ、テレビ局の取材対応。これも給料分の仕事だから、エクストラなお給金なんてもちろんでません。これを今年の流行語でつなぐなら、「会議とか仕事、どんだけ〜!」→「そんなの関係ねぇ〜!」の無限スパイラル。ふ〜っ。そして、頭はいつのまにやらオッパッピ〜!

で、この夏、ほぼ毎日大学に出てきて、一緒に仕事をしてきたウルドゥー語のYさんと、ふとしたことから、お互いが文房具収集の趣味をもっていることが判明して、自慢話の応酬。これは、痛快でしたね。ここまでデスクワークばかりの毎日だと、どこもでかけることができず、ついついネットでポチッと衝動買いをしていしまいます。それはYさんも同じみたい。で、Yさんとの自慢話のときに僕が提示した最近の衝動買いの逸品は、パーカーのエスプリ。これは、この7月末に発売されたばかりの、軸が収縮するタイプの万年筆。アイスランド出張から帰ってきたら、即購入しようと思っていました。

(ちなみにYさんは、この自慢話のときにペリカンのペリカーノジュニアを提示された。ペリカーノをささっと出されるあたり、Yさんはなかなかのペンの達人でいらっしゃる。というか、大の大人…というか、大学教員が、阪急バスのなかで嬉々として何をやってるんだか…。でも、この雑談のなかから、この秋に出そうと思う科研の素案の素案のたたき台のたたき台みたいなものも出てきました。)

で、このエスプリなんだけれども、パーカーとしてははじめての11cmクラスのミニサイズ万年筆。でも実際には15cmまで軸が伸びる。数年前から、モンブランも、ペリカンも、この11cmクラスの万年筆を出していました。モンブランのマイスターシュティックの114(オマージュ・ア・モーツァルト)だとか、ペリカンのスーベレーンのM300だとか。11cmクラスはA7サイズのメモ帳に収納時マッチする長さだから、その可搬性の高さゆえに受けているのでしょう。現に、手ぶら通勤励行者の僕も、最近はA7サイズのメモ帳を愛用しています。114も、M300も、使用時にキャップをつなぐと15cmまでとはいかなくても、一定程度の軸の長さが確保され、実際に書くときには何も問題はないわけです。

で、パーカーも、いよいよこのクラスにこの夏、参戦したというわけです。パーカーは、これまでインクカートリッジが長ったから、この11cm級のミニ万年筆は物理的に無理だったわけですが、今回、このエスプリにあわせて、新しいタイプのミニインクカートリッジも出ました。(これがまだ巷に出回っておらず、なかなか入手できないのが目下の悩みです。)値段的は万年筆としては安価なものですから、ペン先は金ではなく、ステンレススチール。それゆえ書き味は柔らかみのある繊細な114やM300に比べてゴツゴツとしていて硬く、お世辞にも良いとは言えません。が、メモ書きなど普段使いの万年筆としてわりきっています。(書き味の点でコストパフォーマンスのよさを追求するなら、そりゃ上述のYさん愛用のペリカーノに敵うものはないでしょう。)

で、パーカーがこの夏に満を持してこのエスプリを世に問うたとき、僕は老舗の生き残り戦略ってのも、いろいろだなと感じたんです。今、この11cmクラスの万年筆で、モンブラン、ペリカン、パーカーをあげました。この三つの老舗ブランドを考えてみると、例えば、モンブランは、ここ最近、超々高級ブランド化を進めていて、値段もどんどん引き上げていくことでモンブランの希少性を高めて、ブランドイメージを高める戦略をとっています。(癪だが、おかげで、薄給の身ではなかなか入手しがたい。)おそらく、今、万年筆好きの間で評価が高いのはペリカンで、ペリカンは昔ながらのクラフトマンシップを感じさせる品を、妥当な値段設定で出しており、そうした変わらぬ路線がブランドへの不変の信用をうんでいる。(M300の評価は、とても高いですよ。)で、パーカーは、高級筆記具ラインも残しておきながらも、安価なラインも積極的に開発することで金に余裕のない若手のネット世代を取り込み、やがてこの世代が成長して高級筆記具へステップアップを図れるような戦略をとっている。(エスプリはデザインとしてはモダンなスタイルだし、書き心地相応だけれども、この値段設定はありがたい。)

そんなこんなで、11cmクラスの万年筆を見ていると、老舗の生き残り戦略が明確に現れていて、実に興味深いものです。そうですね…個人的には、お金の問題もありますが、胸ポケットに指したときの矢のデザインが好きなので、パーカーの意欲的・野心的な戦略を支持します。(というか、モンブランの暴走をどうにかしてもらいたい。マイスターシュティックは本当に良い物なのに、なんだか、今やそれをもっているだけで「成金趣味」の記号と化しつつあります。)

« 楽しい研究所づくり | トップページ | ありがとうございます »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 老舗の生き残り方:

« 楽しい研究所づくり | トップページ | ありがとうございます »