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2007年9月30日 (日)

『ユリイカ』10月号 北欧神話の世界

伊藤盡さん(中世の文献学がご専門でいらっしゃいます)からはこちらのブログに大変貴重なコメントをいただいておおきながら、未だ返答できておりません。当方の無礼をお許し下さい。で、10月号の『ユリイカ』は「北欧神話の世界」が特集されていまして、僕は全くの門外漢なのですが、その特集の末席に加えてもらっています。僕は、「北欧神話と北欧の間」というタイトルで書いています。

僕は北欧神話の専門家でもなく、文献学や神話学の専門家でもなく、ヨーロッパ近代史研究をスウェーデンを実例として行っている者です。文献学や神話学における先端的な北欧神話のとらえ方は、伊藤盡さんの手になる的確な翻訳文や論考をはじめ、その他の先生方の論考に目を通していただくべきです。僕の文章については近世以降、北欧でも独自の「民族」意識が形成される過程で、どのように北欧神話が活用されたのか、そしていかに北欧という地域概念が想像の産物であるのかという視点で書かれた内容ですから、北欧神話そのものを知りたい方からはおしかりの言葉を受けるような内容です。

ヴァイキング時代とか、中世とか、そうした時代の風景ではなく、近代における北欧という風景を描きたかったわけですが、そういう意味では、伊藤盡さん自身の手による「北欧神話とそのイメージの受容」と題された文章が、同時代から現代に至るまでのタイムスパンのなかで、北欧だけではなく、世界中に拡散する北欧神話のイメージが、しかるべき文献学研究の実績を踏まえて紹介されており、イングランドや日本の事例など、僕はただただ勉強させてもらうばかりです。

なんだか、この春にでた放送大学のテキストもそうでしたが、今回の特集でも僕は一人で浮いているような気がします。アイスランド帰国後に急遽書き上げた文章ですが、今回の特集の編集方針に保たれた問題関心をもっと共有できていれば…と反省する次第です。できあがったものを見て、「さすが『ユリイカ』ならではの、なかなかのテーマ設定だ」と思っています。北欧神話の特集は、これまでも『ユリイカ』でなされてきたことがあるのですが、今回は、時間と空間を超えたイメージの拡散と受容といった点に主眼が置かれていて、しっかりとした文献学からはじまって、神話学、歴史学などの論考があるだけではなく、現在のサブカルチャーにおける影響まで扱われている。たまたま北欧神話がフィーチャーされているけれども、こうしたメディアミクス的で分野横断的な「散種される○○」という発想は、これ以外の事例でもいろいろとおもしろくできるでしょうからね。門外漢であっても知的刺激を受け、想像の翼を広げられる…これが「長く読み継がれる良い雑誌だ」ってことなんでしょうね。ありがとうございました。

今日は日曜日。もし本屋さんで『ユリイカ』が並んでいるのをお見かけになられたら、ちょっと手に取ってみてください。(しかし、古くからの『ユリイカ』愛読者である僕の妻は、僕が『ユリイカ』に文章を載せてもらったことに相当驚いたらしい。先月号の特集は「安彦良和」だったわけですが、妻が言うには「北欧神話よりもそっちのほうが良い文章書けたかもね」ですって。あまりにも…(涙)な家庭内の会話です。)

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コメント

伊藤盡です。『ユリイカ』10月号がついに出ましたね。

私の憧れであった大阪外国語大学という名前が失われてしまうという悲劇のまっただ中にあるご多忙の日々に、かき回すような質問をしてしまい、申し訳ありませんでした。

古屋さんの「北欧神話と北欧の間」の御論考を興味深く拝読しました。とっても面白く、勉強になりました。ノルウェー派、デンマーク派、スウェーデン派とそれぞれの学者の立場による考え方の違いも出来そうですね。

私の方は、タイプミスが今頃見つかり、やや落ち込んでおります。

安彦良和特集の古屋さんの論文も是非読んでみたかったです♪

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