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2007年6月30日 (土)

放送大学『地域文化研究III ヨーロッパの歴史と文化』

昨日のスウェーデン史ゼミは、北欧の宗教音楽、北欧の巡礼という二つのテーマで基礎報告があり、この二つともしっかりとした研究動向を踏まえた立論がなされていて、充実した時間を過ごすことができました。やはり学期はじめに研究方法の指導をしつこいくらいまでにした成果でしょうか?しっかりと方法さえ与えれば、あとは学生の自主性に基づいてうまい方向へもっていってもらえるものだと嬉しくなりました。

(そうそう、以前、研究方法の指導をしていた頃、僕の授業に取材に来てくれた来年度の『大阪大学大学案内』が完成しました。もう阪大っすよ、阪大。北欧の地誌の授業風景、スウェーデン史ゼミの風景、18世紀に公刊された王令集などの写真が結構使われています。僕らスウェーデン語・デンマーク語専攻の授業風景に関心のある方はご覧ください。しかし、僕は写真を撮るのも下手だけれど、撮られるのも下手でゲンなり。)

昨日のゼミでは巡礼が話題になったし、このあとにはスウェーデンの酒文化に関する報告も控えているということで、放送大学教育振興会からこの春に公刊されていた草光俊雄・宮下志朗編『地域文化研究III ヨーロッパの歴史と文化』を学生たちに紹介しました。昨日のゼミの報告にあったように、教会音楽にせよ、巡礼にせよ、それを成り立たせている背景は、スウェーデンやデンマークといった一国に限って論じられるものではなく、国境線を越えた人・モノ・情報のネットワークを前提にしなければ論じられません。

僕も一部執筆に加わった『地域文化研究III 』は、旅行・書物・食文化・ブランド・奢侈・博物学・コレクション…といったテーマを設定して、国境を越えたネットワークでなされてきた人・モノ・情報の交換からヨーロッパの文化の新たな側面を説明しようとする意図からまとめられた放送大学の授業用テキストです。

昨日の報告では、スウェーデンという特定地域の歴史ゼミとはいえ、より広いヨーロッパ世界というコンテクストを踏まえてそれぞれの論が展開されていました。そうした考えに至っている学生たちには、従来の国別に立った事件史以上に、『地域文化研究III』で示されている国を越えたネットワークを背景とする人と情報の交流・交換という視覚が、説得力と魅力をもって受け入れられたようです。

で…だな、昨日のゼミの終わりには、「旅行や食文化といった章が並んでいますが、先生は何を書かれたのですか?」という実にまっとうな質問が返ってきました。う〜ん、このブログでこれまでこの件について沈黙していたのは、『地域文化研究III 』の全体構成のなかで僕の章だけ浮いているなぁ…という反省があったからなのです。

僕は、「北欧」という地域概念の歴史的展開をおうことから、(1)ある地域概念が作り上げられる過程では、周辺地域との交流・交渉・対抗関係のなかから、概念形成の素材がもたらされているということ、(2)そうした地域概念の様相は決して一定不変ではなく、周辺地域との関係が変遷するとともに変幻自在なものであるということを論じています。

僕の章が浮いているかどうかを判断してもらうためにも、学生のみなさんには『地域文化研究III ヨーロッパの歴史と文化』の一読をすすめます。従来の一国史的な見方では知ることができなかった興味深い話が盛りだくさんですよ!

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