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2007年4月18日 (水)

北欧史講義のアップデート

今年の北欧史の講義ですが、なし崩し的に(汗)編年体的な概説でスタートすることに躓いています。いや…そろそろ、僕の北欧史講義も、単なる概説史ではなく、僕自身の考える北欧史のスタイルで変革する時期に来ているのかも知れません。今年受講されている学生のみなさんも、昨年のみなさんに劣らず、なかなか鋭いツッコミをしてくれるので、「これは新しいスタイルでいけるかも!」と踏んでいます。そうなると「シラバスと違うじゃん!」という批判がでてきそうですが…そういう「足かせ」的なシラバスのあり方ってどうなんでしょう?講義もナマモノだから、常に変わりうる可能性があるものと思うのですが。2001年の着任以来つくってきた講義ノートってのもあるんだけれど、2007年には、2007年の僕のあり方でやってしまおう。

昨日はヴァイキング時代の話を予定していたのですが、その導入部で語ったヨーロッパ文明ゴート起源説(いわゆるゴート起源論)の話で盛り上がってしまいました。そもそも先週の講義では、歴史解釈が時代と地域の状況によって語る者の視点の違いから多様に変幻するものだという話を、スウェーデンはもとより、ドイツなどにおけるグスタヴ2世アードルフ王の17世紀から20世紀に至るイメージの変遷を事例に説明しました。翻って昨日のヴァイキング時代の講義ですが、確かにヴァイキング時代は北欧史の原点にあげられる話題ではあるけれど、僕の北欧史の講義のなかでは、前回の歴史解釈の多様性という話を引き継いで位置づけられている点で、学生のみなさんは注目してもらいたいと考えています。

僕の講義では、例えば、「北」の世界に生きる人たちにとって、「自分たちは何者であるか?」という議論が近世・近代以降問題とされていった際に、ヴァイキングは後年の歴史解釈のための素材を提供したという観点から、必ず踏まえておかねばならない情報なのです。昨日のゴート起源説は、まさにグスタヴ2世アードルフが「バルト海帝国」の礎を築いた頃、スカンディナヴィアに生きるスヴェーア族の優位を説くため作り上げられていった言説であり、その素材の一つとしてヴァイキング時代以前の記憶(それは事実ではありません)が援用されていったのです。

もし、僕の講義を編年体から改めるとするならば、第二期以降でふれられるであろう19世紀以降北欧に生きた人たちが「自分たちは何者であるのか?」という議論を組み立てていく過程で、素材とされていった歴史上の記憶・情報を、第一期では整理して学生のみなさんに提示するということになりましょうか。ヴァイキング、「北欧」大司教区、カルマル連合、「バルト海帝国」といったあたりが、具体例になりますが。まぁ…学生のみなさん、ひとつひとつの疑問を大切にしながら、それを僕にぶつけてもらって楽しくやりましょう。山川出版社からの教科書は、しばらくお待ちください。

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