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2006年10月 4日 (水)

着実な進化を遂げるEndNote

未曾有の忙しさを紛らわすには、物欲ネタが一番。

毎年10月くらいになると来年のスケジュール帳の更新の時期にあたります。このクソ忙しい日常を支えてくれているのは、ほかでもないアナログな手帳の存在。昨年から使い始めた超整理手帳が「実に使える!」と判断したので、2007年版を発注。いや…ホントに、この手帳はA4の紙を綴じ込むだけなのだけれども、A4紙が媒介するデジタルとアナログの生活を掛け持ちする人には、絶対的に便利だと思います。昨年は普段持ち歩いている国立商店の2Way Light Briefという鞄に併せて、超整理手帳のカバーは同じ国立商店のライトデューティ製にしていたけれど、今年はタニザワの鞄に換えたから併せてスリップオンのカバーに変更を検討中。こうしたコーディネートが楽しめる点も、ちょっとした日常生活の気分転換という意味で良いのかも。

以上は前置き。一部で18世紀に活字化された英語文献を網羅的に所収したデジタルアーカイブのECCO試用が、この10月からできなくなっていることが話題になっています。電子ジャーナルについて、今、大阪外大で使用可能なものはProQuestだけでなのですが、それでもPDFをフォーマットとした電子ジャーナルを得られるってのは、ありがたい。膨大な分量の文献検索など、PDFファイルならば実に容易ですからね。(うーん、大阪外大では、EBSCOのトライアルも8月末で終了してしまいました。これは残念至極。阪大との統合がもし実現したとするならば、僕にとっての最大のメリットはJSTORが使えるようになることかもしれないなぁ。)

この間も突然1702年にLondonで公刊されたSamuel PufendorfによるThe Compleat History of Swedenが必要になったんですが、「欲しい!」と思いたった数分後には件のECCOを通じ、PDFファイルでそれを分割ダウンロードし、自分のパソコン上で読み進めることができました。これまでだったら、この1702年のThe Compleat History of SwedenなんてNACSISによると日本には存在しないわけだから、海外の図書館に発注するか、海外出張の際に実際に所蔵先の図書館に赴いてコピーするかしかなかったわけです。この本の場合、Abebooksによれば、10万円くらい出せば、世界の稀覯本市場で買える代物です。ですがECCOを使うことで、2006年に生きる僕は、大阪豊中の6畳の書斎に居ながらにして、ものの数分のうちに、大英図書館に所蔵されている版を底本としたPDFファイルを、無料で手にしたわけです。

で、そうした勉強スタイルが定着してくると、パソコンのハードディスクのなかにはPDFファイルが膨大にため込まれていくわけで、その管理が大変になってきます。(電子ジャーナルの場合にも、「蔵書管理」って言い方するのかな?)結局、電子ジャーナルを読んでその一部メモをとり、それを出典情報としながら自分は論文を書いていくわけですから、PDFファイル管理と書誌情報のデータベース構築…そしてそのデータベースを元とした論文執筆時の脚注作成と文献目録作成が連動していると、便利さこのうえないわけです。で、そうした要望を満たしてくれる研究者垂涎のソフトウェアが、ECCOなんかを管理しているThomson Gale社の関連会社であるThomson Research Soft社が発売しているEndNoteなんですね。(すでにこのブログでは何度も話題に挙げていますね。)

で、今日ようやく発注していたEndNoteの最新版Ver.XのアップデートCDが届いたので、早速導入してみました。(ただし、MacOS X版です。Windows版は確認していません…というか、もはやWindowsでは使わないでしょう。)かつてのEndNoteでずーっとネックになってきた日本語をはじめとする多言語の混在はもはや何の問題もなく可能になっています。MacOS X版について言えば、このVer.XからIntel Macにも正式対応したので、データ容量が大きくても実に軽快に動作するようになりました。(Ver.9だと、Rosettaを介した運用ではちょっともっさり感がありましたけどね。)書誌データベース構築の効率化という意味では、ネットワークを介してOPAC上の書誌情報を自分のEndNoteに取り込むことができる機能に対応した図書館の数が800以上にのぼっています。

で、そんなことより今回のアップデートの目玉は、一も二もなく、電子ジャーナル時代に対応した書誌情報管理を前進させるいう意味で、PDFファイルの扱いがとても簡潔に、合理的になった点にあげられると思います。自分が作成している蔵書ライブラリ上にPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけで、その書誌情報上に自動的にリンクが張られるようになりました。もちろん、それをクリックするだけで即座にPDFファイルを閲覧することができます。(この点、WindowsよりMacに一日の長があります。MacOS Xにはデフォルトでプレビューというソフトウェアが用意されているのですが、AcrobatReaderが鈍重な亀に思えるほど快速にPDFファイルをオープンできるのです。)僕の勉強スタイルでは、PDFファイルの管理は上で述べたような機能があれば、十分ですね。いや、ホントに思わず風呂に入るのを忘れてしまうくらい、楽々とEndNoteで作ったライブラリからリンク張りと閲覧ができるようになりました。

EndNote X、東大の近藤先生の言葉を拝借するならば、「アナログの物は出てこずに、ヴァーチャルなデータはすぐに見られるという逆転した」時代に対応した書誌情報管理ソフトウェアとして、着実な進化を遂げています。(というわけで、うちのMacBookですが、一部で問題になっている突然の電源断という問題も起こらず、これまで僕が手にしたコンピュータの系譜のなかでも最も強力な研究ツールへと化けています。)

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コメント

>かつてのEndNoteでずーっとネックになってきた日本語をはじめと
>する多言語の混在はもはや何の問題もなく可能になっています。

でも参考文献リストを書き出す際、日本語だけ別の書式にするっていうのはやはりできないのでしょうね…

近藤和彦, "修正主義をこえて", ed. by 史学会, 歴史学の最前線, 2004, pp. 101-120.

これじゃ査読でひっかかるでしょ(笑) ワープロソフトとの連携で歴史論文を書くには、まだまだだと思います。

通りすがりさん、コメントありがとうございます。いやー、ご指摘のとおり!今回のアップデートでも、ライブラリから書誌情報を書き出すときに、日本語だけ別の書式にすることができないままです。従って、このままでは「査読」ひっかかっちゃいます(汗)。

EndNoteの抱える根本的な問題は、Wordと連携させて論文を執筆する際、書式のフォーマットが一つに限定され、そのフォーマットがいわばWordファイルを「支配」してしまう点にありますね。つまり、例えば欧語文献のライブラリと邦語文献のライブラリを別々に作成しておいて、別々の参考文献・注釈書式フィーマットで挿入しようとしても、どちらか一つのフォーマットしか受け付けられないから、書式を分けることができないということ。まぁ、EndNoteの昔からの売りが、「一度に一気に参考文献表を作り出す」ということにありましたから、それを実現しようとするとどうしても一つの書式でWordファイル全体を統括せざるを得ないといったところでしょうか。

僕の今回の発言にある「かつてのEndNoteでずーっとネックになってきた日本語をはじめとする多言語の混在はもはや何の問題もなく可能になっています。」とは、タイトルにもございますように、あくまでも文献管理法での話だとご理解ください。言い換えるならば、かつての京大式カードのように、書誌情報や引用文、あるいはメモ書きなどを採っていく際に、一件あたりのレファランスで特殊文字の必要な欧語と邦語の混在が可能になるとの意味だと。僕はEndNoteをVer.4の頃から使ってきましたが、その頃から比べれば、この点だけでも確実な進化だと思っています。

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