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2006年5月22日 (月)

土に生きる

今日の大阪は大変蒸し暑く、関西外大の非常勤講師室では「酒」の話題で盛り上がっていました。曰く、スコッチでもアイラ島のものは、その香り付けの過程でいぶされるピート、すなわち藁などを含んだ泥炭による香り付けが独特だとか、同じワイン(というかぶどう種)でも、どんなに太陽を浴びる環境がよくても、チリや南アとボルドーでは土壌が違うから、やはりボルドーなのだ…とか。そう…話の核心は「土」。

僕の授業は、よく北欧の大地の性格から出発します。もとをたどれば、早稲田の村井誠人先生がしれくれたモレーン堆積の話や、東大で樺山紘一先生が農業研修へ連れて行ってくれた記憶が強いからなのですが。常に「土」の話からはじまって、同じ北欧でも、スウェーデンとデンマークの差を語りはじめます。(そういえば、僕の同郷には「土」なんて作品を書いた長塚節がいます。)

同じ北欧諸国でも、その社会や文化の微妙なニュアンスの差異を実感したければ、土に還ると良いのではないでしょうか。デンマークとスウェーデンの社会の差異を知りたければ、その根源は土に還るって話です。一度でも北欧に足を踏み入れる機会があるならば、ざくっと鍬を入れられる土壌の確保されたデンマークと、スカンディナヴィア山地にあって石のごろついているスウェーデンの土の差を感じてみると良い。耕作環境の差異は、農場の差異をもたらし、居住環境の差異をもたらし、果ては生活環境の差異をもたらしていると思います。つまり家族形態も、耕作形態も…なにからなにまで、デンマークとスウェーデンは異なってくるのです。(領主直営地を中核とした大家族経営のデンマークと、小家族経営で十分なスウェーデンの差とかね。)

北欧を十把一絡げにまとめあげるなどという発想は、一度でも土に還った者ならば、誠に馬鹿げたものとして捨て去られるものでしょう。机上の勉強にだけ終始しているだけでは、全く理解できないポイントです。もとは酒や食の話から出発する土壌の話ですが、しかし、その話の真意は社会を理解するための奥深いところに存在します。例えば、ボトル片手に現場の「土」を感じてごらんなさいな。スウェーデンとデンマークの全き違いが見えてくる筈です。

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コメント

先日の学会シンポでは、本当にお疲れ様でした。会の直後にあまり生産的とは言えない突込みをしてしまい、申し訳なく思っています。

さて、「土に還るべし」というご発言、まことに同感です。
最近「北欧」の地に行っていませんので、うろ覚えですが、ストックホルムあたりからしばらく南に向かっては、畑や鉄道脇の土を見ていても、やや灰色っぽいような色をして、しかも「石の間に土がある」とでもいった感じで、ご指摘のとおり石だらけだったように思います。(僕の故郷も石の多い土壌ですが、あれほどではなかった!)

それがスコーネにはいるあたりから、赤茶けた、粘り気の強そうな、石も少なく比較的地味の豊かそうな土が広がっていた記憶があります。もちろん畑ですから、相当に人の手が加わってはいますが、それでも、北寄りの地では石を積み上げて畑の境界線をつくっている光景を良く見ますが、南ではあまりないように記憶しています。

いかんせん古い記憶ですから、まちがっていたら指摘してください。で、それはそれとして、土のあり方に目を向けるというのは、きわめて重要な指摘だと思いました。

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