最近のトラックバック

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 北欧文化演習V-2・VI-1 | トップページ | まだまだ若い… »

2006年4月15日 (土)

授業はボディーブローのように効いてくる

今年度のデンマーク史、スウェーデン史のゼミ初回が両者無事に終わりました。一学期は英語文献(デンマーク語・スウェーデン語のものを読まないのは忸怩たる思いもあるけれど)という制約はありますが、「近代北欧におけるアイデンティティの文化的形成」という大きな問題をデンマーク、スウェーデンそれぞれのゼミで共有させ、それぞれデンマーク、スウェーデンの見地から検討してもらおうと思います。よろしくぅ。

北欧地誌の授業も初回を終えましたが、デンマーク語の学生ばかりで面食らいました…あたしゃ、スウェーデン語の教員なのに(汗)。ま、4年生になってから取ってくださいな。それから僕の担当ではもちろんないのですが、今年度から新たに開講されたノルウェー語の授業、受講者数が40名を越える大盛況ぶりと耳にしました!時代はノルウェーっすか!うーむ、援護射撃として歴史や地誌の授業でノルウェーのことも触れざるを得ないってことですね。

さて、新年度にあたり、学生の皆さんは「どの授業にでよう?」と悩みながら、履修計画を練っているところだと思います。僕は、単位数を埋めていくという考え方に立って単位数ギリギリで履修計画を立てるべきではないと考えます。これは、最後の最後で必修単位数が揃わず、進級や卒業ができなくなることを回避するためではありません。必修単位数に絡む授業以外でも、いくつか授業を余分にとっておくべき理由は、長い目で見たときに、今はそれが自分にとって必要だと明白にわからなくても、後々の人生でボディーブローのように効いてきて、「あぁ、あのとき勉強しておいて良かったな!」と思えるときがくるからです。

僕が学生だった頃を振り返ってみると、僕が属していた東大本郷の西洋史の先生方の授業はどれも当然勉強になりましたし、その影響は今に至るまで大きいことは言うまでもありません。ここでは、それ以外の先生方が提供してくれた授業のことをお話ししましょう。例えば、東大駒場にいらっしゃった坂井栄八郎先生の授業。この2月に亡くなられたR.コゼレックによる『批判と危機』などをテキストに啓蒙期の社会思想を厳格に教えていただきました。この授業は全く自分の単位と関係なく参加していました。僕は紆余曲折を経て今啓蒙期スウェーデンの自己理解などを研究していますが、今そうなるなんて全く予想せずに坂井先生の授業には出ていました。学生時代に単位なんて何処吹く風で駒場の授業に参加し、坂井先生の議論を拝聴できたことは大きな資産になっています。

最近は、共同研究をみんなで立ち上げていこう!ということで、全国の同世代の歴史学研究者と垣根なくおつきあいさせていただく機会が増えています。そんなときにユニバーサルな関心から、自分の専門分野(…そもそもスウェーデン語やスウェーデン史の授業なんて、東大にはなかった…大阪外大の学生のみなさんは幸せです…)とは関係なくとも、イギリス・フランス・ドイツ・ロシア…はたまた古代から現代に至るまで…分け隔てなく授業を取り、様々な知見を身につけることができたことが、今の自分のいろいろな人との交流を可能にさせているのだろうと思います。そして、スウェーデンを見る目、問題の切り口、視角といったものも、そうした多くの地域・時代の事例を知ることによって鍛えられました。

例えば、最近このブログで紹介したスペイン史との関係を考えてみると、東京外国語大学の立石博高先生による啓蒙期スペインの授業や一橋大学の斉藤修先生によるプロト工業化の授業など、東大の学部生時代に勉強した知識が、今の交流を想像する基盤になっていると言えます。これも、たまたま非常勤の先生方によって提供されていた授業をどん欲にとっていった結果です。(このような先生方を非常勤として招いてくれた東大西洋史の教務計画にも感謝せねばなりません。)まさか30半ばにスウェーデンとスペインの共同研究があーだ、こーだ…なんてことになるなんて、学生時代に予想できたはずもありません。でも、その効力は大きい。

今述べたような話から、学生のみなさんにはわかってもらえると思うのです。今のみなさんの立場から将来がどうなるかは全く予想できないわけですが、可能な限り、将来の未知なる可能性に対処するためには、単位数などに捕らわれずに多くの授業に出ておくことが大切ってこと。今とった授業が、後々の人生でボディーブローのように効いてくるはずです。

« 北欧文化演習V-2・VI-1 | トップページ | まだまだ若い… »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 授業はボディーブローのように効いてくる:

« 北欧文化演習V-2・VI-1 | トップページ | まだまだ若い… »