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2006年4月13日 (木)

そして光は東からさしこむ

大志は南をめざしますが、光明は東からもたらされます。

昨日、東京大学で我が国の大学としてはいち早くポッドキャスティング(TODAI Podcasting)で講義配信されるというニュースに接しました。このブログでは、以前からポッドキャスティングの教育効果について高く評価し、欧米の大学における試みを紹介してきました。僕自身、大阪外大でのe-larningプロジェクトで何度かそれを提言したこともあります。さすがは東大と思った次第。

しかし、そのようなこと以上に我が国の歴史学研究にとって大きな、そして重要なニュースは、Thomson galeが提供しているEighteenth Century Collections Onlineの試用公開が知らされたことです。以下、東京大学大学院の近藤和彦先生が主催されている掲示板からのご発言を引用させていただきます。

本日gale/thomsonの方から許可をいただきましたが、ECCOを使用したいひと、だれでも試用サイト

 http://infotrac.galegroup.com/itweb/japan_demo

からパスワード sakura で入れるとのことです。一定期間に限定されていますが、1700年〜1800年の英語出版のいかなる局面を対象にしている人でも、キーワード検索をしてみたらその威力を感じるでしょう。ダウンロードも自由なのですよ!
世論喚起のためのサーヴィスです。

ECCOは、一言で言って18世紀に英語圏で出版された一次文献を網羅的にデジタルアーカイブしたオンラインデータベースです。ライセンス使用料がとてつもなく高いため、例えば大阪外大のような地方国立大学での使用など夢のまた夢…と思っていました。ですから、我が国の学界を思えば誠に英断と思います。近藤先生も「狭義のイギリス史、英文学, etc. には留まりません。18世紀ならアメリカは当然、オランダでも、オスマン帝国でも役に立つかも。ECCOを利用することによって、やがて、とんでもなく高度の修論・博論が出るでしょうね。」と発言していらっしゃいますが、もちろんそれは北欧についても言えるわけです。この試用公開が公にされてからというもの、時間をとれるときにはひっきりなしに思いついたキーワードを入れては、検索を繰り返しています。

かえすがえすも、「すばらしい」の一言。しかし、だからといって楽天的ではいられません。残念なのは、こうした公益性の高いデータベースがこれまでも使用できたにもかかわらず、高額なライセンス料を理由にその使用に踏み切れないできた我が国の人文学をめぐる環境です。ここに紹介する試用も期間が限定されています。問題は試用期間が切れた後、どのようにしてこれを継続的に使い続ける環境を実現するかということ。人文学は長期的なスパンに立ってその成果を考えるべき学問であり、だからこそこうしたデータベースも長期的・継続的に多くの人によって使われねば意味はありません。これは一人の研究者、一つの大学では到底解決不能な問題であり、我が国の人文学に関わる者が広く意識を共有し、議論すべき問題の一つに思います。これは声を大にして言いたい!

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コメント

こうしたデータベース、使えるかどうかだけで今や研究に大きな差ができる時代ですよね。英国にいるとECCOやEEBO(Early English Books Online)などは幸い地方大学でも使用可能で、大学からもらったパスワードで家からでも使えます。僕の博論などこうしたデータベースの使用なしには四年ではとても終わらなかったと思いますよ。ダウンロードしておけば、ロンドンやオックスブリッジなどの大図書館に行かなくてもいつでも家で稀覯本が見られるわけですから!

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