菜の花忌
今日は菜の花忌。大阪外大的に言えば、おそらく最も有名な卒業生である司馬遼太郎の命日です。(とりわけ今年は没後十周年でしょうか。 )小説家としての司馬は粗い表現・内容が多く好きになれませんが、文筆家としての司馬についてはとりわけ『街道をゆく』で紹介される「ネタ」 の数々がおもしろいと思っています。それくらい。
で、菜の花忌が近づくと我が大阪外国語大学の本部棟入り口には、司馬の肖像写真と菜の花生けられた花瓶が飾られるのですが、 最近不思議に思っているのは、本部棟を訪れる度にその位置が、エレベータを挟んで右へ、左へと移動していること。 何の意味があるのかわかりません。誰が動かしているのかわかりませんが、ご苦労様です。おかげさまで、この菜の花を見ると「あぁ、 春が近いのだなぁ」と感じることができます。
そういえば、今晩の『巧妙が辻』で、筒井道隆さん演ずる竹中半兵衛が菜の花を生けるシーンを目にしました。さりげないシーンでしたが、司馬へのちょっとしたオマージュだったのでしょうか。
司馬が道ばたに人知れず(しかし凛として)生えている菜の花やたんぽぽを好んだから、彼の命日は“菜の花忌”ということになったらしいのですが、菜の花は 人知れず外国語教育と地域研究に集中している山深い箕面キャンパスに似合う花かも知れません。まさか司馬が大阪外大のことを考えていたとは思えません(彼自身大阪外大に入りたくて入ったようではないので)が、毎年ここ箕面キャンパスに春到来の指標をもたらしてくれたという意味では、司馬に感謝します。
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「小説家としての司馬は粗い表現・内容が多く好きになれませんが、--」
これ、私も1972年に、デンマークでヒマにまkせて初めて読んだ「国盗り物語」でそうおもいました。ですから、龍馬も途中で投げ出ました。司馬さんにかかると、登場人物がみな男の典型みたいに描かれるから、不思議です。
新聞などで、日本に事を良く考えた人、みたい書かれるを読むと、なんだかなぁ、と思います。
深沢七郎の小説みたいな迫力と痛快さがない。私はどう考えても水呑百姓がルーツですから、なもないあ者を主人公にした物語がすきです。
投稿: 山中典夫 | 2006年2月24日 (金) 01:10