最近のトラックバック

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

« 怒濤の一週、終わる! | トップページ | 地域研究VIII 第二学期末課題について »

2005年12月18日 (日)

神はいらした!

今回の出張で持参した機材は例によってThinkPad X40だけだったのですが、セッション当日の朝にバッテリーからまったく起動できなくなって(コールドスタートを行おうとするとブルースクリーンが現れ、再起動の無限ループが続く…)、「こりゃ、本当に神様から完全に見放されたな…」と思いました。雪道の上をごろごろと引きずってきましたからね…あぁした長時間の振動はハードディスクにもっとも悪影響を与えるでしょうし、それになんといっても寒暖の差は結露を生み出すからさらにやばい。かろうじてACアダプタからだけはセーフモードで起動できましたので、2時間ばかり試行錯誤を繰り返した結果、これはビデオドライバに起因する問題だということに行き着き、たまたま逗留していたビジネスホテルのネット環境がよかったもので、急遽Lenovo社のサイトからビデオドライバをダウンロードして事なきを得ました。

うん、神様は僕を見放してはおられなかった!

今回の札幌滞在では、それを強く感じました。第一にスラブ研究センターという研究機関の存在。そもそも今回の「中・東欧の地域」といった広域的なテーマに挑むシンポジウムを企画できる力もすばらしいわけですが、そこで出会った研究者・事務員の方々から頂いたご厚意にはひたすら感謝せざるを得ません。コーディネータの中核にいらした林忠行先生、僕の学部時代からのよき友人である前田弘毅くんには、準備をしやすいようにといろいろと便宜をはかっていただきました。(公務もあり忙しかったにもかかわらず、研究室を開放してくれた前田くんには特に感謝です。)また僕の参加したセッションの司会者を務めていただいた松里公孝先生はバルト地域への北欧の歴史的関わりに造詣も深く、セッション終了後大変鋭いご意見を頂き感謝しています。

第二に、このシンポジウムに集まった東欧研究、北欧研究の方々との交流。シンポジウム前日からお会いできた東京外大の篠原琢先生とは公私にわたりとても楽しい時間を過ごさせていただきました。懐は寂しくなりましたけど、本音で語り合える先輩をもてた幸せを感じた瞬間です。そしてシンポジウムに結集した方々とは、札幌の寒さを微塵も感じさせない熱い夜を楽しませてもらいました。 12月としては前代未聞の大雪のなかを福井から駆けつけた中澤達哉さんとは、ちょっとしか話をする時間がなかったにもかかわらず、再会の言葉を交わすなりいきなり『新選組!』の話になり…うーん、やはり同じ誕生日産まれとはこんなところでも話があうのだなと変に納得。(中澤さん、無事に帰ることができたかな?もう少し語り合う時間がほしかったですね。)北欧側からは津田塾大学にいらした百瀬宏先生から暖かい言葉をかけていただきただただ感激するともに、やはり津田塾大学の大島美穂先生とは北欧側からバルトに迫るという困難なセッションの課題についてお話いただけた一方で、例によって「僕がなぜ(津田塾大学のある)鷹の台界隈について詳しいのか?」といった話でかなり盛り上がったような記憶があります。そう… 大島先生は筑波大学にもいらっしゃったことがあるから、「古谷くんはやはり茨城弁よね。」と鋭い指摘もありましたね。どうやら僕の語り口は酔いと共に(1)標準語→(2)英語混じりの標準語→(3)英語混じりの茨城弁と変化するらしい。で「このままいけば、茨城弁の英語でコメントすることになるね。」と指摘されました。

第三に、ここでご紹介しきれない様々な方々との出会いによって生まれた新たな「北欧」史研究への見通し。これこそが僕にとって最大の神様からの土産物だったのかも知れません。「北欧」などというと、 I.ウォーラステインの近代世界システム論が登場して以降は、常に近代世界システムの「半辺境」ということで論じられ、「世界」史の解釈上、東西冷戦の緩衝地帯にあって福祉国家体制が完成される20世紀後半まではそうした見方が一般的かも知れません。しかし、それはあくまでも西欧を主軸にした「北欧」観なのであって、主体的に地域概念としての「北欧」を理解しようとする態度ではない。もちろん「西欧」に対する「北欧」という議論はそれで成立するかも知れませんが、「北欧」が北欧に生きた人々の自己理解として歴史的に意識される過程では、そのカウンターに存在した交渉相手は「西欧」だけではなく、「東欧」も、「中欧」も、「南欧」もありました。相手側も地域概念としては歴史的変化を重ねていますから、地域概念の理解はお互いの関係が複雑に入り組んだ相対的な関係であることを前提にせねばなりません。しかし今回のシンポジウムでの「バルト」と「北欧」の比較のように、「ロシア」と「北欧」、「東欧」と「北欧」など、「北欧」という地域概念の特殊性を理解していくときには、「北欧」アイデンティティが創造されていく過程でカウンターとして意識されていた相手の認識を議論の対象に含めねば、単なる独り言としての「北欧」論になってしまう。というわけで、いずれは今回のスラブ研で催された企画を「北欧」研究側から展開せねばならないだろうという思いを強くした次第です。

厳しい寒さの札幌から帰阪してみれば、ここ大阪の寒さは心地よいものにさえ思えてきました。

« 怒濤の一週、終わる! | トップページ | 地域研究VIII 第二学期末課題について »

コメント

お疲れ様でした!
前田氏は元気でしたか?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/85145/7687972

この記事へのトラックバック一覧です: 神はいらした!:

« 怒濤の一週、終わる! | トップページ | 地域研究VIII 第二学期末課題について »