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2005年9月25日 (日)

iPodの効用の続き


前の発言から、ついつい長い眠りについてしまいました…というのは冗談で、実のところ休日返上で大学の営業活動に勤しんでおりました。それは良いとして、iPodの感想の続きを…。


まずiTunes Music Storeの「恐ろしさ」について。これは、音楽の聴き方の根本を変える可能性を感じたので実に「恐ろしく」なりました。iTunesをいうソフトウェアを使うと、あっという間に欲しい音楽を探し出し購入できますから…「危うし、レコード屋さん」。Apple社もなかなか商売上手で、僕はApple Storeでしか今まで買い物をしたことがなかったのだけれども、そこに登録されていたクレジットカード情報がiTMSにも連動していて、なんだか(本当に!)あっという間に何の苦もなく(サクっと)音楽を買えてしまった…これではお金の使いすぎが心配。iPodとiTunesの連動によるシンプルな操作体系は実にスマートな音楽生活を可能にするけれども、同時に大変「危険」な臭いもします。


iTMSデビューにあたっては、まずは正直にいつも手放さず聞いておきたい音楽ということで、躊躇なくバッハの『マタイ受難曲』とワーグナーの『指環』を購入してみました。(ちっちゃなiPod nanoと音楽史上に残る大作というギャップがいいでしょ(笑)…ともに抜粋版ですけど。)選定の基準は「スウェーデンに添い遂げる!」というテーマのもと二人のスウェーデン出身の名歌手アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(『マタイ』のアルト・アリア)とビルギット・ニルソン(『指環』のブリュンヒルデ)で選んでみましたが(…恥ずかしながらショルティ&VPOの記念碑的『指環』を購入したのはこれがはじめてです…)、試しにハードディスクに取り込んでおいた今年発売されたバルトークのピアノ協奏曲集も含めると、1960年代初頭(『指環』)、1980年代末(『マタイ』)、2000年代初頭(バルトーク)の録音ということで、クラシック音楽の録音技術を四半世紀ずつたどる結果になりました。


(ただしクラシック音楽に関しては、まだまだ登録されている音楽の数が少ない(例えばユニバーサルミュージックの音源のはずなのにリヒターの『マタイ』など見あたらなかった)のと、楽曲を検索する手段が非常に不出来で目的の楽曲になかなか行き当たらない(例えばショルティの『指環』など思わず見過ごすところだった)という問題が現状のiTMSには残されている気がします。)


『指輪』はステレオ録音初期のものですから、iPodなんかで雑音のない音源に直に接してしまうと録音の粗さがよくわかります。今後アナログ録音された音源はどんどんデジタル処理して保存しておかないと、マスターテープの劣化がとともに歌手たちの歴史的な歌声も残念なことになってしまいかねない。文化財保護のひとつのかたちとして、アナログ音源のデジタル保存もありかなと思います。ガーディナーの指揮する演奏は優等生すぎてあまり面白くなかったけど、デジタル録音の革新性を感じたのは『マタイ』。今聞いても遜色のない明瞭な音空間が再現されているので、こうした録音手法が広まった1980年代は録音技術史上一つの画期だったこと、そしてデジタルデータの普遍性は時代と空間を超えるものであることを実感しました。


話がiPodから逸れましたので、もう一つだけiPodで感心したことを挙げてこの発言を閉じましょう。それはPodcastingについてです。PodcastingはiTunesにリアルタイムにため込まれる放送番組で、番組の配信者が新たな録音を提供すると自動的にそれをiTunesが取り込む仕組みになっています。iPodと連動させれば、iTunesに溜め込まれた番組を簡単に出先に持ち出すことができます。外国語大学で教員をしている立場としては、これは(誰もが容易に想像できるように)語学の手段として有効活用できそうです。試しにスウェーデン語関連の放送をチェックしてみるとSveriges Radioだけでも多くの放送が無料で配信されています。これを切り出してiPodで持ち出せば、通学・通勤の時間にいつもスウェーデン語に耳を慣らしておくことができるわけです。


ネット上で配信されているストリーミング放送をエアチェックする方法が意外と難しいものであることは以前発言したことがありますが、このPodcastingならば実に簡単に世界中の様々な言語による放送を高音質のまま切り出して持ち出すことができます。この技術はいずれ動画配信にも応用されていくでしょうから、そうなるとスウェーデンでしか見ることのできなかったニュースや討論番組などにも接することができるようになるでしょう。衛星放送を使ってみても未だにスウェーデンのニュースなど日本で見られる機会はないのですから、Podcastingが刺激する情報のグローバル化のインパクトは大変なものだろうと想像します。衛星放送なんて設備投資に莫大な出費が必要になるけれど、iPodならばshuffleで1万円そこそこ、nanoで2万円そこそこの出費で世界中の情報が得られるようになるのですから現状でもっとも安価な「越境」の手段ではないでしょうか。


(ちなみに学生・教員のみなさんがなるべく安価にiPodを購入したいならば、AppleStoreの教育機関向けプログラム(AppleStore for Education)を活用しない手はありません。総じて1割程度市価より安く購入できます。)


iPodについては、ほかにもファイルストレージとしての機能やボイスレコーダーとしての機能、OutlookやiCal/アドレスブック(これはMacOS Xデフォルトの機能)と連動する住所・予定閲覧の機能など、およそ日常生活で必要になる機能が網羅されています。「母艦」となるパソコンが必要にはなりますが、シンプルな操作体系ゆえにiPodがもつ可能性はただ音楽を聴くだけではなく、ユーザーの創意工夫に応じて無限に開かれていると感じました。「母艦」が高価で用意できないというならば、ユーザーアカウント別に環境設定の変えられる大学などのクライアント環境にiTunesを導入して「母艦」とし、iPodだけ自分で用意すればよい。(新学期に高価なパソコンの購入を迫るよりも、iPodの購入を勧めたほうが教育的効果は高いかもしれません。)以上に紹介したiPodのもつ効用を勘案するならば、当世の学生事情における三種の神器とは、これすなわち携帯電話・電子辞書・iPodということで決まりでしょうか。

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コメント

 こんちはー、ホイヤーです。タイトルで よさせていただきました。ふむふむ・・。ということが 予想されているので わたしは iTMSでは ひたすらポッドキャストをきいとります・・。これだとお金かかりませんのでね・・。がははは・・。

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