最近のトラックバック

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 観光コンテンツの開発 | トップページ | 郵便局に一言 »

2005年8月 5日 (金)

想像力を刺激する技術

最近Microsoftが発表した次のWindows、Windows Vistaに関する様々な情報をいくら読み返してみても、これを使った新たなワークスタイルを想像できないでいました。つまり今のところWindows Vistaについては想像力を刺激するほどの新たな機能を見いだせないでいるのです。それに比べて、昨今のiPodをめぐるApple社の攻勢には感心させられることが多くあります。

昨日から日本でもiTunes Music Storeがオープンしました。いわゆる音楽の有償ダウンロードサービスです。試しにiTuneを開いて接続させて見ましたが「100万曲のストック」と報道された曲数は伊達ではなく、クラシック音楽関連でさえ結構なメジャーレーベルが楽曲を提供しています。値段もCDを買うよりはだいぶ安いですし、何よりiTuneがあればどんな田舎に住んでいても楽曲にアクセスすることができます。

かつて田舎に育った僕はクラシック音楽に接する機会などほとんどなく、だから東京にはとても憧れました。それはHMVのような外資系のレコード店が日本に展開する前で、僕は上京するたびに東京各地に点在する老舗のレコード店に目当てのレコードを探し歩いたものです。しかしiTunes Music Storeはネットに接続できる環境にあれば地理的な格差を解消するため、かつて僕が経験した音楽への接し方、あるいは音楽(のような文化活動)を介した地方と中央の距離感のあり方を変化させそうです。

iTuneはiPodとの連携によって、その簡便性・利便性が際だつことは言うまでもありません。iTunes Music Storeで購入した楽曲をダウンロードし、それをそのままiPodの項目にドラッグするだけで外に持ち出せるのですから。しかしこのiTuneとiPodとの連携技術にみられる革新性はこの音楽ダウンロードの機能よりは、Podcastingという新たな放送・通信方法の提案に見いだせると思っています。

PodcastingはiTuneに登録したネットラジオの番組を自動収集して、番組内容の更新があると自動的にその内容をダウンロードし、iPodに転送する仕組みです。従来のラジオは緊急事態用の確実な放送手段としては生き残るでしょうが、例えば教育目的でも語学講座などはこうしたPodcastingに置き換えられる可能性があります。Podcastingは現在のところ音声データだけですが、いずれ映像データへの展開も予想するならば、放送大学にみられるような通信教育もこうしたPodcastingでの配信によれば、上で述べたようなネット環境の普遍性を背景として、番組放映の時間などに気にすることなく「いつでも、どこでも」勉強ができるようになる可能性があります。

つまりこれらの話をまとめるならば、iTuneとiPodの技術はメディアの受け手を束縛してきた地域性と時間性を解消し、iPodに蓄積されたコンテンツ(音楽・映像などなど)を好きなとき、できるときに受け手の意志で自由に引き出すことができるので、受け手の主体性が維持されたメディアの活用が可能になる(もちろん配信されるコンテンツにまで受け手は主体的にはなれませんが)ということです。

こうしたことを考えてみると、将来の大学における講義などもPodcasting配信する形式がとられればいくつかの可能性が見えてきます。例えば授業の復習などはiPodを通じてできるようになるかもしれません。NHKの教育放送でとりあげられることのない、大阪外国語大学が提供しているスウェーデン語やデンマーク語のようなマイナー言語の講義など、こうした形で提供すれば日本各地で勉強したい人のためになるかもしれません。

インターネットが民間に普及して十数年たちましたが、その間に多くの教育機関がその授業内容をネット配信しようとして挫折してきた話をよく耳にします。一言で言って、コンテンツ開発だけではなく配信技術まで総合的に開発しようとして無理があったということですが、この議論はあくまでも情報の発信者側の議論であって、受け手側の立場を無視したものです。

従来のIT技術では受け手が主体的に情報に接するためには、受け手側にもパソコン関連の相応のスキルが求められていたわけですが、それに習熟するにはそれなりの時間を必要とします。しかしiTuneとiPodはとても簡単にその連携が図られているために、誰もがまずはネット配信された音楽の受益者になることができます。そうした簡便な方法が普及した暁に、例えば教育環境の革新も十分予想できます。僕のような大学に生きる人間は、そうした次世代の教育環境にむけて今は今で粛々とコンテンツの充実に集中するまでです。

いやー、ほら最近はiPodをもってる学生たちが多いわけで、そろそろ僕もどうなのかなとリサーチ中なんですよ…。今年は学生たちに見習って、電子辞書を買ってみたり、携帯電話を活用することに努めたりしていますが、その最終局面にはiPodの存在が見え隠れしていますねぇ…。いやはや、当世学生三種の神器とは…パソコンなんてものは含まれない…おそらく電子辞書に、携帯電話に、iPodなんでしょうな。

« 観光コンテンツの開発 | トップページ | 郵便局に一言 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 想像力を刺激する技術:

« 観光コンテンツの開発 | トップページ | 郵便局に一言 »