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2005年6月18日 (土)

もう一人の8月27日生まれ

今日は京都で開かれたハプスブルク史研究会に参加しました。本来自分の専門分野と異なる研究会に参加した理由は、自分と同世代の研究者として以前から敬意をもってお名前と業績に接してきた、福井大学の中澤達哉さんの発表があったからです。

近代スロヴァキアにおける「国民」概念の出現を中・近世における社団原理の読替えという視点から析出しようとする中澤さんの関心のありかたは、一昨年『史学雑誌』の「回顧と展望」を執筆したときに彼の論考にはじめて出会って以来、僕自身の近世スウェーデンを対象にした問題関心に一番近いところにあるものだなぁと感じていました。それゆえ『歴史学研究』や『近世ヨーロッパの東と西』(山川出版社)などにおける中澤さんの諸論考は僕個人の関心からしてどれもおもしろく、勉強させてもらう部分が多々ありました。ここで僕自身の研究について告白するならば、最近僕が取り組んでいる近世スウェーデンにおける祖国概念というテーマはそうした彼の研究から直接刺激を受け、取り組んでみよう決意したものなのです。

今日の中澤さんのご報告は近代スロヴァキアの「国民」形成理論における自然権原理についてでしたが、滅法鋭い彼の分析の数々は正直“目から鱗…”の連続で、聞いているこちらとしても「我が意を得たり」の部分が多く(…例えば近代「国民」概念の創出が、通常西欧史の文脈で言われるような中・近世以来の社団原理の解体から求められるのでなく、むしろ伝統的な社団原理をスロヴァキアの政治・経済状況を背景としながら再定義していくことから析出された過程など…あまりに多すぎて、このブログの発言にそれを具体的に書き連ねることは不可能です…)、一言「感動した」時間でした。

さらに中澤さん絡みでは、誕生日が生年を含めてまったく僕と一緒という事実も明らかになり、これには個人的に驚愕を覚えました。自分の誕生日は以前からヘーゲルだとか(…実は今日の中澤さんのご報告のなかで、社団原理の近代スロヴァキアにおける読替作業の背景として、ヘーゲル哲学の影響が大きかったことが論じられていたのですが、きっと中澤さんのなかではヘーゲルと同じ誕生日だという気持ちも少なからずあったに違いありません…うんうん…)、それからかなり胡散臭いところでは孔子だとかと一緒なんていうことは知っていたのですが…はじめて自分の身近で同じ誕生日の方に巡り会いました。しかも、その方が以前から会ってみたいと思っていた研究者だったとは…オーバーな言い方を許してもらえるならば「運命的」なものを感じざるを得ません。研究会のあとの懇親会でその事実が明らかになったときは、さすがに背筋がゾクッときましたよ。

ほぼ同じ時期に中澤さんも僕も東京で勉強をしていたことになるのですが、しかし東京にいた頃には全く巡り会うことがなかった…それが皮肉なことにお互い東京を離れて生活をはじめた(…中澤さんはこの春から福井に赴任されました…)ときにはじめて京都で出会うことになったのです。一昨年前から会いたくて会いたく仕方がなかった方なのですが、ようやくその思いが成就したという感じです。この出会いは同じ研究者として中澤さんの知見に勉強させてもらうだけでも幸せなものだったのに、それ以上の縁を見いだすこともできました。全く同い年なので古いことも近いことも話題は完全に共有しており(…例えば、子供の頃からみてきたテレビ番組のこととか、最近では子育てのこととか…)、勉強のこともそれ以外のことも楽しく話をもつことができました。

関西にはたくさんの優秀な研究者の方々がいらっしゃって、そうした方々と出会える経験はいつも幸せなものに思います。今日また一人、僕は知的関心を共有しながら一緒になって勉強できる「同志」を得たという感じです。ですから、今日は本当にハプスブルク史研究会(…実は十数年前に一回出席したことがあって、それ以来相当なブランクを経て今日が二回目だったのですが…)に参加して良かったですし、分野の異なる僕を暖かく迎え入れてくれた会の皆様にはあらためて感謝せねばなりません。そもそも今日京都で開かれる研究会へ向かう際に、やはりこの研究会に参加された神戸大学の大津留厚先生とバッタリ千里中央の駅でお会いした時点で、なにやら今日はまた奇遇な経験をしそうな予感はあったのですが。人生長くやっていると今日のような幸せな巡り会いもあるものなのですね。これだから、人生楽しくて仕方がありません。

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