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2005年5月24日 (火)

「臭い・・・だな」

とは、現在30代を迎えた人たちには昔懐かしいアニメーション『起動戦士ガンダム』の一作目のなかで、左遷されたシャア=アズナブルがひっそりとショットバーでたたずんでいた折、密かに彼をリクルートにやってきた親衛隊の身元をズバリ彼が見破り、「なぜ身元がわかったのか」と問われたシャアが発した台詞ですが、歴史学を勉強していると、ときに嗅覚めいたものがはたらいて目的の史料に到達することがあります。

「なぜか」と問われると論理的な回答は不能なので、きっと“バルカン人”からは嫌がられますが(・・・どうでも良いことですが、最近話題のスターウォーズの100倍僕はスタートレックのほうが好きです)、おそらく長年の訓練で培われた経験値から自然と史料の在処への嗅覚が備わるのでしょう。昨日は関西外大で補講を含めて二コマ全力投球をしてヘトヘトだったのですが、学会後依頼されたある仕事に向かったらそんな経験をしました。

自分とは全く専門のことなる(とはいえ同じ北欧史ですが)史料の探索が必要だったのですが、たまたま昨日はルンド大学のハラルド=グスタフソン教授から娘誕生へのお祝いのメールをもらったこともあって、何気なくハラルドの書いたNordens historiaという現在スウェーデン語で読みうるもっともすばらしい(と僕は思う)北欧史の教科書を眺めていたのです。そこのコラムにあった叙述から、依頼されていた史料についてピンとひらめき、あとは一気呵成に検索、検索・・・で、ありましたよ。

深夜だったにもかかわらず、我を忘れて「ビンゴ!」と叫んだ瞬間です。

東京大学の近藤和彦教授もECCOについて言及されていますが(・・・ん!ECCOもThomson Galeの絡みなのか・・・いずれEndNoteの言及も必要ということかな)、デジタルアーカイブへの試みはいろいろな分野でなされていて、今回も19世紀後半から20世紀にかけての雑誌群そのものがしかるべき研究機関の監修を経てPDF化されていた。PDF化されているとはいえ、それが映し出すところは当時の雑誌のままだから、当然一次史料として使えるというわけです。

確かに検索術は磨いておくべきですが、検索術があったとしてもキーワードが適切でなければ目的の情報には到達しません。今回の場合は間接的にハラルドからのメールがなければヒントが与えられなかったわけですからハラルドには感謝ですが、デジタル歴史学における嗅覚(というか極意)とは一言で言ってキーワードの着想に尽きるんじゃないかなと思っています。ピンときたひらめきから嗅覚が働いて目的の史料を発見できたときの快感はなにものにも代え難いもので、これも歴史学を勉強している醍醐味の一つなんじゃないかなと思います。問題は史料を見つけてしまったが故に、これからその史料についての仕事を進めなければならないことです。

史料探索と話は異なりますが、デジタル時代の学問形成という意味では、キーワードの持つ大きな意味を理解する必要があります。検索は史料だけには限らず、例えば学問形成の場において共同研究プロジェクトなどを立ち上げるときに、研究者の研究内容を端的に示すキーワードが研究者を「すくい上げる」重要な要素になります。科研費の申請や学術振興会への申請、JREC-INの研究者人材データベースReaD研究開発ディレクトリなどへの情報登録の際に、キーワードが求められるのはそうしたことに対応するためでもあります。自分の研究を数語のキーワードで簡潔に示すことは困難なことですが、しかしながらデジタル技術がもたらした新たな人的交流のあり方に対応するには、そうしたところにも工夫が必要ではないでしょうか。(院生のみなさんへ。)

史料絡みの話題では、やはり昨日スウェーデン最大の古書店Rönnelsから届いた本のなかに19世紀に活字化された近世スコーネ地方における教会領経営の史料を見いだしました。粘り強く探せば、あるものですね。

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