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オンライン授業の形式と「北欧史概説a」の例

 「古谷さん、技術的な話はわかったけれど、具体的に授業をどうするの?」という相談をちらほら頂くようになりました。そこで、この記事では、おおよそ想定できるオンライン授業の形式を整理し、僕が阪大で担当している「北欧史概説a」(講義形式、受講者数見込み150人程)の例を以下に紹介しようと思います。

 (技術的な話について、このブログで紹介してきた例は僕が「自腹」であれこれ試してきたものですが、「非常勤講師のように公費で教育研究経費を配分されていない者にはできない」との批判を耳にしています。この批判はもっともなものと思いますので、これまでの記事のあり方に反省し、極力、多くの方が実践できる方法を紹介することに努めたいと思います。)

 オンライン授業については、Zoomによる動画あるいは音声の遠隔配信を使う形式が盛んに紹介されています。しかし、僕の所属する阪大外国語学部では、Zoomの技術的ノウハウを知る教員が少なく、受信側の学生たちのネットインフラが多様であり、長い動画配信や音声配信を行った場合データ量の過使用(いわゆる「パケ死」)が起きる可能性もあることから、周囲の話を聞いていると、実際にZoomを使うオンライン授業の形式を考える先生は少なく、ほとんどは阪大ではCLEと呼ばれるIT授業支援システムや、阪大ではKOANと呼ばれる通常は授業連絡や教務管理で使われる教学システムを使ってオンライン授業の形式を検討される先生方が多いことがわかってきました。

 以下に、私見となりますが、それら三つのオンライン授業形式の簡単な紹介とそのメリット、デメリットをまとめまてみたいと思います。

(1)IT授業支援システムを使う形式:CLEとは阪大で使われているBlackboardプラットフォームベースのIT授業支援システムです。おそらく皆さんの大学にも似たものがあるでしょう。これを使う場合には、IT授業支援システム上に講義関連の資料を掲載するとともに、IT授業支援システムに割り当てられている担当授業のページに課題を作成しておき、受講登録した学生にはその課題を解答させる形となります。出席は課題の解答時点で記録されることになります。この形式のメリットは、課題のやりとち、成績と出席の管理が自動化されていることです。

(2)教学システムを使う形式:皆さんの大学でも、通常は登録学生にメールや掲示板を使った授業連絡や成績管理で使われている教学システムがあるでしょう。これを使うオンライン授業の形式はもっとも保守的ですが、簡便です。これを使う場合、この授業に登録された学生宛に教学システム上の掲示板あるいはメールを使って講義資料と課題を配布し、課題への回答をメールで教員に送ってもらうという形式になります。ただし出席の管理については手動で行わねばなりません。

(3)噂のZoomを使う形式:上記の(1)と(2)の形式は講義資料を読ませながら、あらかじめ準備された課題に回答させることで成績と出席をとりますが、事実上それは「夏休みの宿題」と大差ありません。つまり、各回の講義における「論点の解説」ができないということが(1)と(2)の最大のデメリットと思われます。(もちろん、登録学生に配布される資料で「論点の解説」を読ませる形をとっていれば、問題ありませんが。)もし自らに多少のノウハウと学生側のネット環境がクリアされていれば、Zoomを使って動画ないし音声で遠隔配信のメリットは、オンタイムで「論点の解説」を行うことができる点にあります。

 Zoomを使う場合、学生たちのネットインフラを考えると通信データ量をおさえるためにカメラを切断して「音声配信」するのがベターだと思います。また配信中は、教員側のPCにあるPDFやパーポイント、ブラウザなどの「画像共有」もでき、使い勝手のよい手段だとは思います。(PCにタブレット端末をつなげれば、タブレット側で「画像共有」した資料に注釈などを適宜書き込むことができます。)

 プライベートアカウントではZoomの使用時間が40分に制限されていますが、大学から割り当てられているac.jp系のメールアカウントがあれば、経済産業省が紹介する下記Webページの「お申し込み方法A」から時間制限のないアカウント(一度の配信での参加者数は100人に限定)がつくれます。

(この点について、非常勤講師の先生方のうちac.jpのアカウントが配分されていない場合には、一度各自お勤めの大学にメールアドレスの配分あるいはZoom使用の申請を相談されると良いのではないかと思います。) 

https://www.learning-innovation.go.jp/covid_19/zoom/

 僕は、阪大から対面授業を避けオンライン授業を求められている期間に、「北欧史概説a」という授業ではCLEとZoomをミックスしたオンライン授業を考えています。サンプルとして、この記事の末尾に受講する学生向けに書いた説明をつけます。僕基本は講義資料をCLEにアップロードしておき、コメントシートをCLEに書き込ませることで、出席をとるという筋立てですが、各回の「論点解説」に限っては40分程度の遠隔配信を音声ベースで行うという形です。

 ただし、実際にやってみないとわからない部分は多々あります。現状で想定される問題は以下の通りです。

(1)受信する学生側の問題:Zoomを使う場合、実際にデータのトラフィック量がどの程度になり「混雑」するのか、それに伴う問題がどうなるのかは、僕も蓋を開けてみないとわかりません。上から目線で「Zoomを使うから」とだけ指示してしまい、良好なネット環境を得ようと学生たちに大学やスターバックスのような店などのWifi環境がある場所に移動させてしまうのでは、ウィルス感染のリスクを低下させようとする今回の措置について、本末転倒の結果になってしまいます。

(2)音声配信と画面共有の問題:トラフィック量を抑えようと音声配信に限定したとしても、受信者側の音声を切ってもらわないと参加人数分の雑談(独り言)や生活騒音が集音されてしまい、たいへんな雑音になってしまう問題があります。画像共有も確かに便利なのですが、参加者側が書き込む許可を取り消さないと「落書き」される可能性があることに注意を払わなければなりません。

 再び長文になり恐縮ですが、この記事が、オンライン授業の形式についての具体的なイメージを皆さんにつかんで頂ける参考例のひとつになれば幸いです。最後に、僕の「北欧史概説a」の試案を掲げます。(以下の試案でZoom配信の時間を40分に抑えているのは、アカウント問題に起因するというよりは、受信側の学生たちの使用データ容量の問題を考えてのことです。 受信する学生側のネット問題がクリアされるならより長時間の対応もできます。皆様、くれぐれもお気をつけください。

 

「2020年度 <北欧史概説a> 第1回~第3回授業計画」

【第1回】講義配信時間 4月14日(火)14時40分〜15時10分 課題締切:4月15 日(水)23時59分

0.シラバスで紹介した教科書『論点・西洋史学』を生協書籍部で購入してください。この本は4月13日以降店頭に並ぶ予定です。初回の授業までに買えなかったとしても、次回の授業までにこれを買って授業に臨んでください。
1.4時限目の時間(14時40分)になるまでに、CLEにアップロードされている第1回「はじめに〜歴史学の観点から地域をどう考えるか?」に関するパワーポイントファイルをダウンロードしてください。
2.14時40分から、担当教員が開設するZoomのミーティイングルーム(トピック名は「北欧史概説a」)で講義を配信します。ミーティングルームに参加するためのパスワードはKOANからのメールで伝えますので、各自手元にパワーポイントファイルを用意しながら、ミーティングルームに参加して遠隔配信される講義を受講してください。
3.第1回の講義における主たる論点は「北欧史を考察する視点と西洋史学研究の視点の異同」です。30分ほどのオンライン講義を聴いたうえで、この論点に関する意見や感想を400字程度の日本語でCLEの該当箇所に記述してください。
4.課題の締切は4月15日(水)23時59分です。期限を過ぎた場合は「欠席」扱いとなります。

【第2回】講義配信時間 4月21日(火)14時40分〜15時20分 課題締切:4月22 日(水)23時59分


1.4時限目の時間(14時40分)になるまでに、CLEにアップロードされている第2回「先史時代と歴史時代の狭間(1)〜歴史と記憶をどう考えるか?」に関するパワーポイントファイルをダウンロードしてください。
2.14時40分から、担当教員が開設するZoomのミーティイングルーム(トピック名は「北欧史概説a」)で講義を配信します。各自手元にパワーポイントファイルと教科書を用意しながら、遠隔配信される講義を受講してください。第2回の配信時間は40分を予定しています。最初の10分で第1回のコメントシートに対する講評を話し、残りの30分で第2回の論点を解説します。
3.第2回の講義における主たる論点は「北欧に生きた者にとって歴史と記憶とはどのようなものか?」です。40分ほどのオンライン講義での解説と教科書にある「歴史叙述起源論」や「歴史と記憶」の項目を参考に、この論点に関する意見や感想を400字程度の日本語でCLEの該当箇所に記述してください。
4.課題の締切は4月22日(水)23時59分です。期限を過ぎた場合は「欠席」扱いとなります。

【第3回】講義配信時間 4月28日(火)14時40分〜15時20分 課題締切:4月29 日(水)23時59分


1.4時限目の時間(14時40分)になるまでに、CLEにアップロードされている第3回「先史時代と歴史時代の狭間(2)〜古代をどう考えるか?」に関するパワーポイントファイルをダウンロードしてください。
2.14時40分から、担当教員が開設するZoomのミーティイングルーム(トピック名は「北欧史概説a」)で講義を配信します。各自手元にパワーポイントファイルと教科書を用意しながら、遠隔配信される講義を受講してください。第3回の配信は時間を40分を予定しています。最初の10分で第2回のコメントシートに対する講評を話し、残りの30分で第3回の論点を解説します。
3.第3回の講義における主たる論点は「北欧にとっての古代とはどのようなものか?」です。40分ほどのオンライン講義での解説と教科書にある「ケルト問題」や「「古代末期」論争」、「中世初期国家論」の項目を参考に、この論点に関する意見や感想を400字程度の日本語でCLEの該当箇所に記述してください。
4.課題の締切は4月29日(水)23時59分です。期限を過ぎた場合は「欠席」扱いとなります。

2020年3月27日 (金)

必要機材の実例写真(補遺:人文系研究者のためのテレワーク環境構築入門)

 今日もそろそろ終業して良い時間だと思いますので、筆者が使用している機材をアッセンブルした実例写真を挙げ、3回に渡って投稿した「手持ちのスマートフォンを転用した...

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必要機材の具体例(補遺 :人文系研究者のためのテレワーク環境構築入門)

 昨日「古谷さん、Webカメラの代替手段を教えてよ。」と相談してくれた東京在住の友人が、手持ちのスマートフォンを活用したテレワーク環境の構築に関する文章を読んで...

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2020年3月26日 (木)

人文系研究者のためのテレワーク環境構築入門(補遺:西洋史研究者のためのスマートフォン活用入門)

はじめに  この文は、Zoomを使った講義や会議など、いわゆるテレワーク環境の構築に迫られた或る東京の研究者から頂いた「古谷さん、Webカメラを買いに行ったのだ...

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2017年7月16日 (日)

ヨーロッパ文化論/Area Studies

関西外大で月曜3限・4限にヨーロッパ文化論/Area Studiesを受講されている皆さん。遅れてすみません。明日7月17日は海の日ですが補講をします。明日の講...

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2017年7月10日 (月)

ヨーロッパ文化論/Area Studies

関西外大で月曜3限・4限にヨーロッパ文化論/Area Studiesを受講されている皆さん。遅れてすみません。今日7月10日の講義ファイルをアップロードします。...

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2017年7月 7日 (金)

北欧史概説a

阪大外国語学部で金曜2限の北欧史概説aを受講している皆さん。おそらく7月21日の講義で触れることになる近世北欧のグローバル体験に関する講義ファイルをアップロード...

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2017年6月29日 (木)

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2017年6月25日 (日)

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2017年6月18日 (日)

ヨーロッパ文化論/Area Studies

関西外大で月曜3限・4限にヨーロッパ文化論/Area Studiesを受講されている皆さん。明日6月19日の講義ファイルをアップロードします。いよいよ講義は、明...

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2017年6月 6日 (火)

ヨーロッパ文化論/Area Studies

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2017年5月31日 (水)

北欧史概説a

阪大外国語学部で金曜2限の北欧史概説aを受講している皆さん。おそらく6月2日の講義では使わないと思うのですが、念のため中世史の後半部分の講義ファイルをアップロー...

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2017年5月29日 (月)

ヨーロッパ文化論/Area Studies

関西外大で月曜3限・4限にヨーロッパ文化論/Area Studiesを受講されている皆さん。明日5月29日と念のため来週6月5日の講義ファイルをアップロードしま...

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2017年5月19日 (金)

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2017年5月14日 (日)

ヨーロッパ文化論/Area Studies

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